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第1話
高校生になればサンタなんか信じない。
というのをメルヘン脳の義父は分かっていなく「サンタさんへの手紙そろそろ書かないと!」と毎年、急かしてくる。
「ほらサンタさんも、大勢の子供のプレゼントを用意しなくちゃならないから早めに書いて渡したほうがいいよ!」
「ぎりぎりだとお義父さんが困るからでしょ」とつっこめない俺も俺で、でも、手紙は適当に書かない。
つれ子だった俺に偽りのない愛情をかけてくれ、母が亡きあとも「お、おお、俺も捨てないでくれええ!」と逆に泣きついてきたほど、溺愛してくれるからこそ、線引きが必要だ。
家は貧乏でないとはいえ、俺のためなら義父は金に糸目をつけないから。
冗談でも「車」なんて書くのはご法度だし「財布」などとざっくりと書けば、高級ブランド品を靴下にねじこみかねない。
といって、あきらかに気を使った安物にしたら「えんりょしているの!?血がつながっていないから!?」と号泣して一ヶ月くらい引きずるだろうし「義父との平穏な暮らしがつづけば、それでいい」と殊勝な書き方をした日には「俺なんか!俺なんかいないほうがいいんだああ!」と曲解して自殺しそうだから難儀なもの。
「どうしたもんかなあ・・・」と配慮に配慮を重ねたクリスマスプレゼントのリクエストを考えていて、ふと無意識にペンを滑らせてしまい。
「お義父さんの体がほしい」
書き終わった直後「ああああ!」と頭をかきむしり、便箋を丸めてノールックでゴミ箱へ放った。
義父への思いを自覚したのは、母が亡くなって二年後、やや遅い精通を迎えてのこと。
そのときの自己嫌悪たるや、筆舌に尽くしたいものだったが、意固地になって認めないまいとすれば、余計にこじらせて家庭崩壊しかねないと思い「義父を恋愛対象、性愛の対象として見てしまうけど、成人するまでまっとうな家庭を維持したい!」と決意を明確に。
いっそ認めてしまって自分がどういしたいか目標を定めたほうが心は鎮まるよう。
おかげで非行に走ったり、義父に冷たく当たったりせず、割と平和に親子関係を築けていたのだが、すこし油断するとこうだ。
肩だしミニスカサンタの格好をした義父をつい想像してしまい「いかんいかん」と反応しそうになった息子を宥める。
落ちついたところで、メーカー品のスポーツシューズ、商品名と品番も書いて封筒にいれ「サンタによろしく」と義父に渡し、果たしてクリスマスの日。
「お義父さんの体がほしい」と書いたことをほとんど忘れ、熟睡していたのが、にわかにシャッター音がし、瞼の裏に眩い光が。
ぎょっとして瞼を跳ねあげれば、目の前にはベッドに座る引き締まった尻、しかも肌色。
「あ、起きちゃった?」とふりかえり、セクシーポーズをとってみせた義父は、赤い三角帽子と赤いハイレグのパンツをはいている以外、ほぼ裸。
有名ジムトレーナーとあり、滑稽な格好ながらポーズをとると筋肉美が際立ってさまになるし、俺にしたら刺激が強すぎて布団のなかがえらいこっちゃになるし。
「どどどどうしたの!?」ととり乱せば「いやあ、それがさあ!」とボディビルダーがするようなポーズを決めて説明。
「このごろアキくん元気なかったから!
友だちに相談したら、阿呆みたいなサンタの格好して笑わせたらってアドバイスされたんだよ!」
「どう!?ハイレグでサンタの帽子だけ被っているのまぬけでしょ!」と胸を強調するセクシーポーズをとるのに、息子をぎんぎんにさせて、どんな顔をすればいいのやら。
「布団のなかを気づかれるまえに、妥当な反応をしないと!」と焦るも「ん?」と義父が背後をふりかえり、屈みこんだ。
一旦、助かったとはいえ、拾いあげたくしゃくしゃの紙を目にして息を飲む。
「待っ・・!」と叫ぶも間にあわず、俺から背を向けたまま、紙を伸ばして読んでしまい。
「オワタああああ!」と心の叫びをあげたものを、向きなおった義父は頬や耳、首を赤らめ、潤んだ瞳。
今までさんざんしてきた邪な妄想が、現実になったようなエロい顔で、呟いたことには「いいよ・・・」と。
すぐには飲みこめず、呆けていると、プレゼントがはいっているだろう白い袋を放って、熱い吐息をしながらベッドに乗りあげ俺に覆いかぶさった。
ドアの隙間から差しこむ淡い光、それを背に影がかって切なそうな顔をする義父がいつにも増して淫らに見えて、おそるおそるハイレグのもっこりを触る。
「んっ・・・」と目を瞑り、撫でるたびにご自慢の筋肉を痙攣させて、もどかしそうに腰をもじもじ。
「まだ引き返せるぞ!」と理性が止めようとするも、張りつめている乳首が目にはいり、鼻息荒く指で弾けば「あぁ、アキくぅ、あっ、んあぁ・・」と甘えるように鳴きだしたから頭が沸騰。
逆上せあがったまま「お、おっぱい、飲ませてよ・・・」と頼み、近づけてくれた胸の片方の突起をしゃぶしゃぶ、もう片方を指でいじりまくる。
「ひゃぁ、はあぅ、アキく、すごぉ、吸いつきぃ、ほんと、でちゃあぁ・・!」と煽られて、思わずお乳を噴きだすエロサンタを想像し、興奮するばかり。
変質者のような格好をしながらも、あまりに義父が幼気に鳴いて悶えるとあって加虐心が疼いて、ハイレグを限界まで引っ張り指を離してぱあああん!
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