1 / 1
第1話
薄暗い店内で朝倉(あさくら)は、ウィスキーグラスを片手にカウンターテーブルへもたれかかった。ジャズのようなBGMは申し訳程度にしか流れず、かき消すように響き渡るのは喘ぎ声と水音。目の前の吸い殻が溜まった灰皿を見て大きくため息を吐いた。
右を向けば座っている男性に跨って腰を振る奴。左を向けば周りなんて気にせずディープキスに夢中になっている奴ら。そして正面にはもう挿入してるのかしてないのか分からない、知りたくもないほど絡んでいる三人組。今までの登場人物が全員男であることに頭痛が止まらなかった。
「どうしてこうなった……」
周りにいい顔をすることで得をしてきた人生だった。厄介ごとに巻き込まれることも少なくないが、結果的にこちらが悪者になることはない。今日も上司が「面白いところに連れて行ってやる」と言われ嬉しそうに着いてきてみれば、これだ。
二軒目に連れられたのは看板も出てないビルの地下。階段を降りるとドアとインターホンが待ち受けていた。
「ここ何ですか?会員制のバーとかです?」
「まあそんなとこだな」
上司がインターホンを押すと内側から開錠の音がしてスタッフが出てくる。ここで引き返せばよかったと、今は後悔しているがもう遅い。
端的に言えば「ゲイハプニングバー」だった。上司にそんな趣味があったのも知りたくなかったし、連れてくるなよと言えなかった自分が情けない。初めてだからと紹介された内装は非日常が詰め込まれていてゲッソリした。
ちょうど今立っている半2階のバーカウンターでは酒と話を楽しんでいる人が多いが、右側のセーフティゾーンではソファーに座ってイチャイチャする人たち。左側のディープゾーンではベッドソファーで押し倒してるし、センターの待機ゾーンはギリギリ大事な所を隠しているだけ。そしてその奥、プレイルームに続く扉には鍵がかかっていた。
あの奥で何が行われてるのか……。ノンケの想像力では到底追いつかないだろう。
「こいつ初めてだから、誰かつけてあげてよ」
「いや、俺は……」
拒否する声が届く前に、上司はニヤニヤとお目当てらしい男とどこかへ消えた。近くにいるのかもしれないが、そんな姿見たくない。早く帰りたいが、どうやら酒代は別料金らしい。入場料は上司が払っていたが、何も知らず頼んでしまった酒を置いて出るのはもったいない。そういうアトラクションに来てしまったのだと思って、人間観察をしていた。
これを飲んだらもう帰ろう……。上司の弱みを握ったと思えば安いもんだろ。グッとグラスを煽ると、後ろから低めの声が降りかかった。
「あなたが"ハルさん"?」
「……ん?あー俺か。……って、えぇ!!?」
たまに注意されるバカでかい自分の声がバーカウンターに響き渡る。咄嗟に口を押えるが、視線は目の前の男性から離せない。だって、そんな、なんで。
「なんでゆう……」
名前を口にしようとした時、トンと人差し指が唇に触れた。いつもは厚い眼鏡で隔たれている眠そうな瞳が、今は余裕げに弧を描く。
「ここでは"ミナ"って呼んで?ハルさん」
朝倉晴也(あさくらはるや)の前に現れたのは、ソリが会わない同期の結城湊(ゆうきみなと)だった。
「やっぱり結城はいつも暗いなぁ~!」
上司の声がオフィスに響く。バシン、と背中を叩かれた結城は顔色も変えずデスクに向かって手を動かしていた。その様子も面白くないらしく、上司はそのままこちらへ首を回してくる。
「ほら、同期の朝倉はこんなにハキハキ喋ってやる気もあるのに!昇進コース一直線だな~」
「あざっす、それもいい先輩が近くにいるからですよ」
ちらりと様子を伺っても結城の顔色は一つも変わらず、分厚いレンズに覆われていた。入社した当初から結城は表情が乏しくて、口数も少なかった。仕事はできるのに自発的な行動が少ないからか、評価されないまま損な役回りを押し付けられてるように見える。
上司なんか、いい顔したもん勝ちなのに。不器用というかバカというか。俺はこうはならない、と思いながら上司の煙草について行った。
信じていた世渡り術は、間違っていたのか。そう後悔してしまうくらいには、目の前の男が肩を寄せてくることから逃げたくなった。
自分より少し低い位置にある瞳は思っていたより淡い茶色で、音を立てそうな長い睫毛がパタパタ動いている。いつもはセットなんてしていない重めの前髪は軽く横に流されて、黒髪が白い肌を引き立たせていた。
ぱち、と目が合うと愉快そうに細められる。撫でるように掴んだグラスをゆっくり煽ると、唇をゆるりと舐めた。
「まさか、ハルさんがこっち側だったとは」
「ちがっ!俺は連れてこられただけで……!」
「だろうな」
くそ、おちょくられてる。
手慣れた様子で店員を引き止め、酒を注文した結城はそのまま尻を撫でられた。ぎょっとすると、笑って受け流しているのを見て常連なことが伺える。勝手にそういうこととは無縁そうだと思っていたのに、夜の顔がこんなに挑発的なんて聞いてない。
グラスが無くなったことで手持無沙汰になったのか、テーブルについていた手の甲をすっと撫でられた。思わずビクッと肩を揺らせば、くつくつと喉を鳴らして笑われる。
「そんな取って喰ったりしないって」
「……ふーん、それはどうだか?」
「大丈夫、俺つまみ食いするタイプじゃないから」
つまみ食いって……。軽く睨めばするりと逃げるように店員からグラスを受け取る結城。甘そうなカクテルを一口飲んでこちらを見上げてくる。
「で、どうやって帰るつもり?」
「あ?これ飲み終わったらすぐ出るよ」
「でもさぁ、ここって真ん中通らないと帰れないんだよね。バレんじゃね?」
結城が顎を向けた先には、ソファー席で若い男にデレデレしている上司。知っていたのか。なおさら気まずい。まあ趣味趣向は人それぞれだから、と自分を棚に上げているようだ。
そして言われた通り、店の構造上あっちこっちでハプニングが起きているエリアを通らないと出口にはたどり着けない。遠い道のりに大きくため息を吐いた。
「あいつがどっか行ったらすぐ帰る」
「お、あいつとか言っちゃうんだ」
「こんなとこ連れてくる奴だし、いいだろ」
くそ、酒が無くなった。酒も飲まず上司が奥の部屋に消えるのを待つなんてどんな罰ゲームだ。もう一杯頼むか?いやでも、とテーブルの端を指でトントン叩く。人差し指がすっと絡めとられて振り向くと、頬杖をついて淡いチョコレートが微笑んだ。
「じゃあ話相手になってやろうか」
「は!?なんでお前と」
「断る?俺が離れたら知らねー男たちが群がって来るぞ」
ほら、と言われ目線の先を辿れば顔が整った男が数人に囲まれている。あの中心が自分になるかもしれない事実にゾッとした。それならまだ結城と話すほうがマシかもしれない。渋々頷けば満足そうに釣り目は目じりを下げた。
「で、ハルさんはどんなセックスすんの?」
「ぶっ!!はあ!?おま、急に」
「あ、ごめん童貞?」
「ちがうわ!!」
きょとんと首を傾げた結城に大声で否定すれば、声をあげて笑われる。27歳で童貞を否定することになるとは思わなかった。笑い疲れたのか軽く涙を拭ってカクテルを飲めば、ごめんごめんと形だけの謝罪を寄こす。
「ここはそういうのオープンに出来るとこ。まあ、ご覧の通り?」
「オープンすぎるだろ」
「そういう場所があったっていいじゃん。ちなみに俺はどうだと思う?」
妖しく笑う結城を思わずゆっくり見つめる。普段と違って首元の緩いインナーからは細い手首と鎖骨が見えていて、ベルトが締まった腰元は想像以上に薄い。こんなこと素面で言えるか。近くの店員に追加の酒を注文してからかってやろうと口を開いた。
「えー、結構Sっぽいけどな。優位に立ちたいタイプ」
「へー、そう見えてるんだ俺のこと」
「会社では地味な童貞くんだと思ってたけど」
「そういうの、そそるでしょ?」
伏し目がちに見つめて笑われる。グッと言葉が詰まって、負けた。この場でこいつに勝てるわけが無かった。
「じゃあハルさんはSっぽい子が好きなんだ?攻められるの好き?」
「あー、いやそういうわけじゃない、けど」
「けど?」
ちょうどグラスが届いて誤魔化そうとしたが、スッと結城に横からかすめ取られた。ほら、と言葉の続きを促されて唇を噛む。こちらを見透かすような瞳から逃げるように煙草へ火を着けた。煙に溶かすように呟く。
「他の奴に言うなよ」
「言わないよそんなの」
「……今寝取られ流行ってるじゃん」
「あー、漫画とかね」
「そうじゃないんだけど、こう、俺と相手ともう一人でヤッてみたい、的な」
なんでこういう欲が生まれたのかは分からない。別に浮気されて興奮するタイプじゃないし、独占欲は強い方だ。なのに、オカズを探してたある日恋人ともう一人、というシチュエーションの動画を見つけたとき何かが拗れた音がした。これが、俺の癖であると。
「なーんだ、意外と普通」
「は?!こんなの相手に頼めないだろ」
「ここじゃノーマルに近いよ。ほら、あそこで触り合ってる3人のうち2人は付き合ってる」
「えっ、そんなんありなのか」
「ありあり。ここは同意が取れてりゃオッケー」
ドクドク、と少しずつ自分の鼓動が耳に大きく響いてくる。酒のせいか煙草のせいか。吸うのを忘れた煙草は灰皿へ崩れ落ちていく。揺らめく煙越しに結城がこちらへ顔を近づけてきた。目を合わせば湯煎で溶かしたようなチョコレートがどろりと理性をコーティングしていく。
「それ、叶えてあげよっか」
「は……お前、俺と付き合ってねーだろ」
「そういう設定で。ハルさんの知らない顔を、他の男の手で引き出るのを見て、興奮してさ」
腰元に手が這ってくる。振り払うなんて簡単なはずなのに、薄い手の感触をワイシャツ越しに意識してしまう。背骨を確かめるように上へ移動して、肩をくるりと撫でられた。と、思えばぐっと顔を寄せるよう引き寄せられる。
知らない、ムスクの匂いがした。
「ほら、選べよ。お前と一緒に俺を犯す相手を」
もう煙草にも酒にも逃げさせてくれなかった。自分の心音が伝わっているんじゃないかと冷や汗を隠すしかできず、意味の無い音が口から零れる。そんな様子にはは、と喉で笑った結城は振り返ると誰かを引き止めた。
「あ、ねぇシノさん」
「あれ、来てたんだ。会うの久々だね」
シノと呼ばれた男は男性にしては少し長い、鎖骨まで伸ばしたウルフカットを揺らして近づいてきた。ミルクティーのような明るい色なのを見るに、サラリーマンではないのだろう。おっとりした甘い顔は近くに来ても整っていた。
「もう今日のお相手決まりました?」
「ううん、さっき来たとこ」
「じゃあ、ここ三人でどうです?」
「え!?」
「いいねぇ」
「えぇっ!?」
そんなするっと決まっていいのか。その場のノリみたいな。いまだ置いていかれている間に、今日初めてなんだって~など最低限の情報交換が行われている。ついて行けない世界すぎる。
「へー、結構男前な顔してるけど、どっちなの?」
「どっち、って」
「突っ込む方と、突っ込まれる方」
「げほっげほ!!」
綺麗な顔でそんなこと言わないでほしい。
「その辺も分からないけど、たぶん突っ込む方だと」
「なんでお前が答えるんだよ!」
「じゃあ、突っ込まれてみる?シノさん、上手いよ?」
「楽しませてあげるよ?」
意味ありげに頬を撫でてくるシノさんは柔らかな笑みを浮かべて近づいてきた。逃げる余裕も無くそのまま唇が重なる。人前なのにとか、男同士でとか、気にすることはたくさんあるはずなのに頭のてっぺんが熱くなった。
「お、脈ありみたい。ソファー席行こうよ」
「え、いやちょっと!」
二人に手を引かれて下のソファー席に移動する。上司の居場所を探ったが、どうやらこの場にいないようだ。安心したところで状況は変わらない。空いたスペースに座ると、隣にシノさんが座る。結城は間に座るのかと思えば、シノさんが腕を広げてみせた。
「ミナ、おいで」
優しい言葉にミナは微笑んでシノさんの膝に跨った。ぎょっとしている間に顔は近づいて、リップ音が響きだす。軽く啄むものからだんだんと深くなっていき、甘い声が漏れだした。
「あ……、ん、ぅ♡」
「ふ、きもちいねぇ」
襟足を撫でられ身体を震わせながらシノさんの肩に手を置いて、もっととキスをねだる。しかし、それはシノさんの指に阻まれた。
さりさり♡
「あっ♡んんっ♡」
服の上からくるくる胸を触られている。指先は乳首を探すようで、じれったいのかびくびく跳ねながら苦し気に眉を寄せていた。
「ね、触って……?」
「ハルくん見てるのにいいの?」
「うん、うん……っ♡あ、あぁっ!♡」
ぴんっ♡と弾かれた途端のけぞって大きく喘ぐ。低い地声からは想像つかない、鼻を抜ける甘い声。周りを撫でるようなものから、芯を優しく押しつぶしたり、かと思えば軽く弾き続けたり。乳首を翻弄されて結城の腰は揺れていた。
くるくる♡こりこり……♡ぴんぴんぴんッ♡
「ふ……♡あ、あぁ……っ!♡あ、あ、んぁ~~♡♡」
「おっぱい好きだもんね。ちょっと強いのが良いんだっけ?」
「あ、んぇ、あ~~~~!?♡♡や、引っ張んないでぇ♡のびちゃ……♡」
いじめられた乳首は服越しにもピンっと強く主張していた。シノさんの手が服の中に入り、背中をなぞれば顎を上げてビクビク震える。
ふと視線を感じて向かいのソファー席を見ると、二人を見ながらズボンに手を突っ込んでいる奴がいた。周りを見渡せば同じような奴が何人もいて、今オープンな場所でことに及んでいるのをまざまざと感じる。
「は♡ね、ハル♡」
「え、あ、なに?」
「見てるだけで、いいの?」
膝の上から結城が手を伸ばしてくる。溶けたチョコレートはこちらの理性まで飲み込んで、口の端を吊り上げた。
「ハルは、俺を気持ちよくしてくんないの?んぁっ♡」
「言ってみ?どんなセックスしたいか」
綺麗な顔ふたつに見つめられ、思考は止まった。抱きすくめられ乳首をいじられている結城の顎を掬って唇を奪う。上顎をなぞれば鼻から声が漏れて下半身が重くなった。
さっきまで違う男に乱されていた結城が俺の手で乱れてると思うとたまらない。目を開ければ水分量の多い目を細めてじゅるり、と俺の舌を吸っていた。
「ほら、向き変えてハル」
「ぷは……はい♡」
シノさんを背もたれのようにした結城はこちらへ腕を広げてくる。吸い込まれるように収まればまた深いキスが始まった。膝立ちで頬に手をかければ甘えるように擦り寄りよって甘く喘ぐ。上顎をなぞれば肩を揺らした。
「ん……あ、キス、うまいね♡」
「はは、どーも」
そのまま服の裾から手を差し込めば薄い腹が手のひらに吸い付いた。舌を甘噛みしながら滑らかな肌を楽しむように滑らせると、急に口が離れた。
「ああっ!♡シノ、さ♡み、みは……ッ♡」
「ふふ、僕の声大好きだもんねぇ。ちゅ」
「いい!!♡や、はぁ、んんっ♡♡」
ちゅくちゅく♡ふ〜〜♡つぽっ♡
後ろからとんでもない耳責めをされているようだ。耳の縁をなぞったり息をふきかけたり。耳たぶを噛むと結城は大きく腰を突き出して痙攣した。
「みみ、弱いんだ」
「あ……♡はは、うん♡」
「ここも好きだよな?」
「ぅあっ♡あ、もっと、もっと、ぉ……♡♡んんんんん!!♡♡あ、あ、あああぁ……♡」
想像していたより小ぶりな頂きをキュッと軽く摘む。そんな刺激では物足りなかったのか、ねだるように胸を突き出してきた。今度はグリグリ捏ねながら引っ張れば、強く目を閉じて快感を受け止めている。
緩い首元に吸い付けば、シノさんも執拗に耳を責め続けた。身体がぐっと強張ってぶるぶる震えだす。目の前の俺にしがみ付いたと思えば、ダイレクトに喘ぎ声を吹き込まれた。
「あ、あ、あぁ!♡も、やば、むり♡」
「ほらぁ、みんなに見てもらいながらイッちゃいなよ」
「だめだめだめ!♡あっ、そんな、ぜんぶ、はぁ……ッ!♡♡」
「可愛いミナの顔、見せてあげな?」
くちゅ、れろれろ♡ちゅぽちゅぽ……♡かりかりかり♡
快感を逃がすように脚をじたばたさせるが、不安定な膝の上で藻掻ききれないのか快感を上手く散らせないらしい。首筋をゆったり舐めてやれば腰はよがり、言葉責めと耳責めで瞳を溶かし、乳首をいじれば嬌声を漏らした。
今、引っ張ったらどうなるんだろ。ふと考えて指の腹でしこりを摘まむ。そのままきゅ~~~~っと前に抓ると。
「はぅ!?♡♡あ、あ、まて♡♡あ、イく、イ"……♡あ"あああああぁぁぁ!!♡♡♡」
ビクビクッ!!♡
え、イッた……?身体を起こして様子を見れば、くたりとシノさんにもたれて息を整えている結城は顔を真っ赤にしてこちらを見ている。腰に足を絡められてぐっと距離が近くなった。
「俺がどんなセックスすんのか、気にならない?」
甘い言葉に引きずり込まれるよう、気づけば頷いていた。
シノさんはVIPのような扱いらしく、スタッフに声を掛けるとすぐに扉の向こうへ案内された。
スタッフが扉を開けば、廊下と扉、そして立っている複数の男性たちがいた。壁は上まで続いておらず吹き抜けの状態で、あっちこっちから喘ぎ声が聞こえてくる。異様な雰囲気に圧倒される。男たちはみな壁に向かって息を荒くし、扱いている奴すらいた。
「廊下の壁はマジックミラーになってんだよ。だから立見席があんの」
「なんでもありすぎるだろ」
興奮している男たちの後ろを通り一番奥の部屋に通される。その間に、歓喜の呟きが聞こえてきた。
「おい、ミナくんとシノくんだぞ」
「今日来てよかった~」
「しかも3P!?」
なんとファンもいます、と。舐め回すような視線から逃れたくてすぐにルームに入る。
そこは広いネットカフェのフルフラットルームのようだった。合皮のマットにアメニティボックス、廊下側の壁には大きな鏡とセックスするための部屋。立ち尽くしているとシノさんがこちらを見て微笑む。と、思ったら結城を引き寄せてキスを始めた。
「ん……ふ、ぁ」
銀色の糸が二人をつなぐと、結城はトップスを脱ぎ捨てる。薄くて白い身体が薄暗いルームに浮かび上がる。マジックミラーの向こうで息を呑む音が聞こえた気がした。とろりとチョコレートを溶かしてこちらへ微笑みかける。
「ほら、こっち座ってちゃあんと見てろよ」
ゆっくりボトムスに手をかけ下着ごと脱いでいく。粘り気のある白濁がまた勃ち上がった陰茎と下着をつないで糸をひいていた。
「はい、ミナこっち」
「うん……♡」
シートに座ったシノさんの足の間へ身体を納めて見せつけるようにこちらへ脚を広げてみせる。期待でひくつく縦割れの穴に長い指が埋め込まれていった。
「あ……んッ♡♡は、シノさんの指、すき……♡」
「ハルくんもおいで」
ふらふら近づいて膝をつけば、手を取られシノさんと一緒に秘部へ人差し指を埋め込んだ。ふかふかで温かく、傷つけてしまいそうで怖い。誘導されたしこりをグリッと押し込む。
「んあっ!♡♡そんな、いきなりぃ……♡」
「ここ、ミナが気持ちよくなる場所ね。覚えてあげて」
「ここ?」
「ああっ♡♡うん、うん……!前立腺、きもち……♡あ"あ"あぁ……ッ♡♡」
結城に腕を掴まれる。顔を上げれば困り眉でこちらを睨みつけ、口の端から涎を零していた。思わずぽかんと口を開けていれば、う~~、と唸りだす。
「も、イっちゃうからぁ……♡もっと、おく……♡ね、挿れて…よ♡♡」
「あ、え」
「もっと分かりやすくおねだりしないと挿れてくれないって、ミナ♡」
うぅ~~っ♡とまた唸って結城は、俺の指で前立腺を抉るように動かした。そのまま腰を揺らして指で自慰しているようだ。
ぐちゅぐちゅ♡こりこり♡
「あ、あ、はぁッ♡ね、おねが……んlぁ!♡♡俺の、まんこに……ハルの、ちんこ突っ込んで……?♡♡ここ、ごりごり擦ってぇ……んんっ!♡♡はっ、おねがい、おねが、い♡」
「やっば……」
「よくできました~、いい子だねぇミナ」
シノさんが耳を口に含み、じゅるじゅると啜る。それにまた悶えて全身を震わせている間に、ポイっとゴムを投げられた。シノさんがウィンクして、そのまま両乳首に手を掛ける。
その間に自分の前を寛げてゴムを付ける。初めてじゃないのに手が震えてみっともない。くそ、なんで結城相手にこんな。
開かれた脚の間に入れば、そのままきゅっと腰を挟まれる。亀頭がぴとりと入口に宛がわれ腰が引けた。
「あっ、あつ……♡早く、奥突いて?あ、ああぁぁぁ……♡おっき♡」
にゅぷ♡ずぷ……っ♡
嬉しそうに絡みついてくるナカに持っていかれそうになる。歯を食いしばってじっとしていれば、勝手にへこへこ腰を揺らされた。思わず結城を睨めば、余裕そうに笑ってこちらを挑発してくる。
「女みたいに気遣わなくていいから……はやく、もっと……♡」
「お前まじで……!」
ぱちゅぱちゅぱちゅ♡パンパンパン!♡♡
薄い腰を掴んで言われた通りの奥を突き上げる。表情から余裕は滑り落ちて、快感を散らそうと首を振り始めた。暴れるのを押さえつけるためにシノさんが結城を羽交い絞めする。
「ほら暴れちゃダメでしょ?」
「やだっ!♡は、はげし……ッ♡♡あ、あ、そこ、もっとぉ!♡は、は、ああぁん!♡♡♡」
「奥?それともさっきのとこ?どっちが好き?」
「どっちも、どっちもぉ……!!♡お、お、お"ッあ"……♡♡♡」
どちゅどちゅ!♡♡パンパンパンッ!♡♡
だらだら先走りを垂れ流す結城の陰茎はぷるぷる情けなく揺れている。腰を折って唇を吸えば、夢中で舌を追いかけて唾液と一緒に溶けていく感覚に襲われた。うねる中に誘い込まれるように、ストロークを早める。
「あ"、あ"、あ"あああぁぁ~~~~~~っ!♡♡ま、はぁっ♡もうイく、イっちゃううぅ!♡♡」
「俺も、やば、い……っ!」
「ほら、イっちゃえ♡」
「えっ!?♡あ"っ、お"おぉ~~~~~~っ!!♡♡あ"あ"ああぁぁ~~……♡♡♡」
パンパンパンッ!♡ぎゅ~~~~~~っ♡どぴゅっ!♡♡
こちらがイきそうなタイミングでシノさんがずっといじめていた乳首を強く引っ張った。その反動でナカもぎゅうっと締まってゴムの中で果てる。結城も射精して自分の腹を精液で汚していた。白い肌は赤く染まって、その中でも胸の飾りが赤く腫れているのが美味しそうで目を逸らす。
息を整えてずるりと陰茎を引き抜くと、それにも感じるのか小さく喘ぐ。シノさんがティッシュを渡してくれて後処理をしていると、よしよし頭を撫でながら結城に囁いていた。
「ミナぁ、僕も挿れていい?もう限界」
「はぁ、はぁ……。もちろん、シノさんも挿れて、ほしい♡」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
シノの上で騎乗位している結城の口に突っ込み腰を振る朝倉の話
♡fantia
https://fantia.jp/posts/3552889
♡DLsite
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ01436461.html
ともだちにシェアしよう!

