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第24話
「翔多、まだ痛い?」
切れ長の瞳に心配の色を浮かべて聞いてくる浩貴に、翔多は拗ねたような口調で答えた。
「……痛い……」
初めての情交のあと、翔多は浩貴の腕の中に包まれて彼の体温を感じていた。
浩貴を受け入れた場所は熱く疼いて、少し体を動かしただけでも痛みが走る。
それでも翔多の心は甘い幸せで満たされていた。拗ねたような声を出したのは照れ隠しで、痛みでさえ愛しく感じていた。……だってそれは浩貴と一つになれたという証だから。
「ごめんな……」
なのに、浩貴はその端整な顔を曇らせて、謝ってくる。
「……謝ったりしないでよ。確かに痛かったけど……嫌じゃなかったし。オレだって浩貴に手で、し、してもらったときとか、すごく、き、気持ちよかったんだから」
あー、もう。こんなこと言わせないでよー。恥ずかしいー。
翔多は自分の顔が赤くなるのが分かった。
「翔多……」
浩貴がより強く翔多を抱きしめる。
ぎゅうーと抱きしめられて、ちょっぴり苦しい。
「ちょっと浩貴ー、苦しーいー」
腕の中から訴えると、ほんの少し腕の力を緩めてくれた。
そして二人は視線を合わせると、どちらからともなく口づけを交わす。
最初はふわりと触れ合わせるだけのキス、それからついばむように、噛みつくように……何度も角度を変えて。
やがて、それはディープな大人のキスへと進み、気付けば浩貴の雄がまた固さを取り戻し始めている。
でもさすがに今夜はもう、翔多の体が持たない。
泣きだしそうな顔をしてしまっていたのだろうか、浩貴は優しく微笑んでから、翔多の額にチュッとキスをして、
「大丈夫、おまえに無理はさせないから」
そう言ってベッドから出て行こうとする。
「どこ行くの? 浩貴」
「……うん……、このままじゃ眠れそうにないから、ちょっと抜いてくる」
「……ま、待って」
翔多は消え入りそうな声で、彼を引きとめた。
「ひ、浩貴……、オレの手で……愛させて……」
「翔多……」
浩貴は切れ長の目を見開いたが、すぐに破顔した。
ぎこちない愛撫にも浩貴はとても感じてくれ、翔多の手の中で昇りつめ、その瞬間、耳元で甘く囁いてくれた。
「愛してる……翔多……」
――二人の初めての夜は、恋の女神でさえも赤面しそうなほどに甘く、ラブラブなものだった……。
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