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第1話
惚れっぽい俺は幼稚園児のころから恋多き男だ。
なれど俺の見る目がないのか、女運がわるいのか、いつも最悪な形でふられてしまう。
幼稚園児のころは五股をされて「シュウくんがいちばんつまらない」とフられたし、小学生のころは餓鬼大将に「シュウくんにいじめられた!」と嘘の被害を訴えられイジメられたし、中学生のころは「あいつストーカーなの!」と高校生の不良に泣きつかれたし、高校生のころはお金がないからとパパ活をやるようお願いされ、断ったら「あいつは親父に尻をさしだした変態!」と誹謗中傷を拡散されたし。
大学生になると、より相手のしうちは過激になり、浮気は当たり前、かってに名義を使われ犯罪に巻きこまれそうになったり、マルチ商法や宗教に引きずりこまれそうになったり、金ほしさに再び、売春を強要されたり。
それでも懲りず、手酷くフられて満身創痍になりながらまた一目惚れして八つ裂きにされるというのを社会人になっても繰りかえしていたのが、さすがに心が折れてしまい。
きっかけは同棲していた彼女がコレクションのフィギアを売りとばし、その金を持ち逃げした挙げ句、浮気していたヒモ男と結婚し、海外で挙式したのを撮影してネットにあげたのを目にしたこと。
特別限定販売の大切な大切なフィギアを売られて豪華な結婚式をあげられては堪忍袋の緒が引きちぎれるというもので「だれの金だと思ってんだあああ!」と激昂し、これまた極端に女性不信に。
といって、これまで俺を足蹴にしてきた女性たちに直接的な復讐する意気地はなく、なるほど「つまらない男」だから、見も知らぬ異性に八つ当たり的に怒りをぶつけることもできず、乙女ゲームに現実逃避。
現実の女性には幻滅したから、ホモに目覚めて非現実的な白馬の王子様的イケメンにのめりこんでいる・・わけではない。
女性不信をこじらせた俺だけに、ことごとくヒロインをバッドエンドに導き「無邪気に残酷に被害者面して俺の心を弄んだ罰だああ!ざまあみろおお!」と行き場のない復讐心を消化しているわけだ。
我ながら虚しい行為なれど、法を犯さないでいいし、この乙女ゲームのバッドエンドは惨たらしいものだったから。
乙女に夢を売るはずのゲーム制作側はなかなかのくせ者で、プレイヤーがハッピーエンドになるものと信じさせて、その直後にバッドエンドに叩き落とすという鬼畜ぶり。
しかも、そのバッドエンドの内容がえげつない。
「婚約直前に戦が起こり、騎士として戦地に向かった彼が死亡」とか「プロポーズをされた矢先、御用となって無実の罪で絞首刑」とか「結婚式の途中で恋敵が彼をナイフでめった刺しにして純白のウェディングドレスを血に染めあげる」とか。
「せめてゲームでくらい夢を見させてよ!」と乙女たちが嘆きそうなれど、あんがいゲーム人気は高く、長く多くの人にプレイされつづけている。
「一歩まちがえれば地獄、命がけの恋は燃えるぜ!」と奮起したり、マゾっ気のある乙女たちに刺さっているのではないかとのこと。
おかげで日々、盛んにイベントが催されるし、ちょくちょくストーリーがアップデートされるから疑似復讐をするのに事欠かない。
が、いつも復讐心を発散して高笑いできるわけでなく、それがこのゲームに余計に執着させられる理由だ。
どうやっても逆立ちしてもバッドエンドにできない男が一人いる。
ぴちぴち男子校生な年ごろの侯爵令息、エリオット。
まさに白馬の王子様で、金髪青目の正統派イケメン。
騎士を目指しているから、そこそこ筋肉質で体のスタイルは抜群、どこまでも女性の思いを汲む紳士でありながら、たまに年相応な愛嬌を覗かせ「こんなぼく、あなたにしか見せられない」と恥じらってみせる、短所とされる一面も綻びがないオールパーフェクト令息。
完璧なのは見た目と性格だけでなく、ストーリーでも絶対外れなし。
俺だけでなく、どのプレイヤーも、どれだけ悪手な選択をしても、わざとしむけようとしてもハッピーエンドに導かれてしまう。
背筋に震えが走って、思わず腰を引くもがっしり両手でつかまれて、ズボンの濡れたもっこりを熱した鉄棒のようなそれでごりごりぢゅくぢゅくぢゅっくうぅ♡
「んんっっっ♡」とかつてない快感に痺れて絶頂を迎えるも、発情した獣のようにエリオットはがんがん勃起したまま、がんがん擦りあげてくる。
隣室に父親がいるというのに「ほら♡もっと女のように鳴き喚いてよ♡父上の耳汚しに、はしたない喘ぎを聞かせてよ♡」とばかりににやついて、イってもイっても猛烈な摩擦をやめてくれず。
なんとか喘ぎは抑えつつ、胸のうちでは女のように、いや女より情けない鳴き声を響かせまくり。
「ああっ♡ああぁ♡坊っちゃっ・・♡先っぽぉ、だめっ、ですううぅ♡そんなっ・・固い、のでえぇ♡ひゃあぁ♡ひああんっ♡ずっと、ずっとぉ、イってぇ・・♡も、もぉ、訳っ、分かんなあぁ♡んんんくぅ♡だ、だめぇ、ですっ♡隣に、ご主人さまがあぁ・・♡あひぃ♡ふああぁ♡は、恥ずかしっ♡ご主人さまっ、聞かれちゃああぁ♡」
過ぎる快感に目眩がして羞恥まみれの心の声が漏れそうになったが、そのまえにエリオットが「シューマ・・きみ、どれだけ・・くぅ、んんっ・・!」と射精してやっと停止。
悩ましげに顔を歪めて余韻に浸っているうちに逃げだしたいところ、すっかり快楽にまみれた体は腰がぬけたようでままならず。
「やばい!掘られる!」と危機感を覚えつつ「ああぁ♡どしよおっ・・♡気もちひいぃ♡」と恍惚としつつ「ていうか、これどういうこと!?」とわずかにのこった理性が絶叫。
涙をぼろぼろこぼして被害者面全開で「ど、どして、坊っちゃまぁ、こんなことっ・・・」と聞いてみると「きみが誘ったなじゃないか」と見せつけるように舌なめずり。
目と鼻の先に、浮きだった血管が脈打つそれを突きつけられ、しゃぶるよう命じられるかと思いきや「上半身を肌蹴て脇をしめなさい」とのお言葉。
意味不明の命令なれど、記憶のないはずの体がなにか覚えているようで、ギオラの黒々とした目を見上げながら「ご、ご主人っ、さまぁ・・♡」と焦ったようにジャケットを脱いでシャツのボタンを外し、胸や肩から二の腕までを露に。
今さら恥ずかしがって、うつむいたままでいたら脇に固くてねっとりしたものが差しこまれ、ぎょっとする間もなく、ぬっちゅぬちゅぅぬちゅぬちゅっ♡と擦りつけられる。
素又のように、脇に性器を挟ませて腰をふっているわけで「脇フェチなのか?」と驚きつつ、さらに驚いたことには「ひゃあぁん♡ご、ご主ぃ、さまっ♡そんな、早くぅ、さらたらぁ♡お、れぇ・・わ、わたしぃ、体があぁ・・♡」と俺の肉体がどっぷり快楽に浸っていく。
前世の俺はくすぐられても、ほぼ無感覚だったに、この執事の体の弱点が脇なのだろう。
「知りたくなかった!ていうか、もしかして俺、父親ともセフレなのか!?」と頭が混乱するし、脇をぬるぬる性器で擦られて存分にあんあん♡射精したいのが貞操具に阻まれて、肌を爪でかきむしりたいほど辛いし。
このままでは脇に挟んだ性器にメスイキさせられそうで「脇だけでイくのは、それに味を占めたら、とりかえしがつかなうなりそう!」と危機感を覚え、慌てて鍵をポケットから取りだそうとして床に落下。
目ざといギオラが見つけて一旦、脇から引きぬいたから、その間に状況を打開しようとするも、力なく上体を倒してひたすら震えて呼吸。
まごついているうちに鍵を拾われ「ほう・・・」と鼻を鳴らされて直後にズボンを引きずりおろされ、貞操具をさらされた。
顔をかっと熱くして「あの・・・これは・・!」と弁明しようとするも、笑みを消したギオラは無感動に見下ろしてきて「ソファの背もたれをつかんで、わたしに向かって尻を突きだしなさい」と厳命。
命令に背いても暴力をふるったり、理不尽なふるまいをするとは思えないが、有無をいわさない迫力に飲まれて、息を切らして涎を垂らしながら命令どおりに。
乱れた燕尾服から貞操具を覗かせるという間ぬけな格好をしばし眺め、屈辱に打ち震える背中に覆いかぶさると「まったく・・・魔性の執事だ、おまえは・・・」と耳が孕みそうな低く掠れた囁きを。
「わたしと肉体関係を持ちながら、息子の心身も弄び、それを壁越しに聞かせて煽ってくるのだからなんとも性質がわるい。
それがこのごろ人が変わったように処女みたいにしおらしくなって、わたしに見せまい聞かせまいと健気に耐えようとしているのがまた、あざとくて意地きたなくて、憎たらしくてたまらなよショーマ。
おまけに息子がつけた貞操具を見せつけるなんてね・・・お互い肉欲を処理するための都合のいい相手とはいっても妬けてしまう・・・」
「わたしたち親子を手玉にとって高笑いしているような、けしからん執事にはおしおきだな♡」と脇を舐めあげたら、ふりあげた手を尻に打ちおろしぱああぁん♡
快感混じりの刺激が強すぎて「あっひいいぃん♡♡」と馬のように鳴いたなら、もうメスイキは止まらず。
こちらは試し読みになります。
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詳細を知れるブログのリンは説明の下の方にあります。
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