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3-2 ※
優成の家で朝ごはんを食べたあとは、休みの日しかできない溜まってた洗濯や掃除なんかをして、ゆっくりと過ごしていた。
昨日は慌ただしくて食器も洗ってなかったしな。
冷静に昨日のことを思い出すと、やっぱり不思議な気持ちになる。
なんで俺のちんこがなくなっちゃったんだろう。
もしかして、病院とか行ったほうが良かったか?
……いや、それよりお祓いとか?
俺は、ぐるぐると答えのない問題を考えていた。
それよりも俺、優成とエッチなことしちゃったんだ……。
思い出したら、今更ながらドキドキしてきた。
やってる最中は、気持ちよくてちゃんと考えてなかったけど、俺たちただの幼馴染なんだよね?
優成の指、俺より長くて太かったな。
俺は優成に触られたクリトリスの感覚を思い出していた。
体がビクビクして、頭が真っ白になった。
なんか……ムラムラする
俺はローテーブルにスマホを置いて、いつもお世話になってるAVを流した。
元アイドル女優のドラマ仕立てもの。
女優の喘ぎ声に合わせて、俺の右手がゆっくりと動く。
先端をしつこくシゴく。
「……あっ……んん」
気持よくて声が出る……。
「…………ん?」
なんか、いつもと違う。
「あれ?……え?…………嘘」
俺は右手を高速で動かし、気持ちいいところを念入りに扱いた、が……。
──勃たない。
「ま、まじかよ……」
『ピンポンピンポンピンポンピンポン』
──ガチャ
「お前な……俺んちのインターホン壊したいの?」
俺は結局、優成の家に押しかけた。
昼間の優成は、ボサボサ頭じゃないし、コンタクトをつけていて朝とは印象が違う。
……詐欺だよな、普通にモテそう。
そして、今朝と同じように俺たちはソファに座った。
「それで、何?今漫画読んでてめっちゃ忙しいんだけど」
「それは暇っていうんじゃ……」
「帰れ」
「お忙しいところ、すみません。ご相談があります。」
優成が読みかけの少年漫画を棚に戻して、俺に麦茶を持ってきてくれた。
「ありがとう。あのさ、優成……」
「なに、またちんこなくなったか?」
「ううん。ちんこは、あるけど…………ない」
「え?」
「ちんこ……勃たなくなった」
俺はそう言った瞬間、あまりの切なさにソファに顔を埋めて喚き散らした。
「まだ一回もしたことないのに!!!」
「うおっ、声でかっ……」
「フェラだってされてみたいのに!!!」
「ちょっ……俺んちだから、静かにして」
「中出しセッ……」
──バコン
「うるせー!!!」
俺は殴られた頭を擦りながら、涙目で優成を睨みつけた。
「だって、俺はこれから一生、射精できないんだぞ」
わざとらしくシクシクと泣きまねをする。
すると、優成がため息をつきながら声をかける。
「別に、射精はできるだろ」
──え?
「ちんこ、勃たないんだよ?」
「それと射精は別の話だろ」
そうなん?いや、でも待てよ……
「だって、さっきシコってたけど全然イケなかった。気持ちくなかったし。」
「それは……よく知らねーけど、お前のやり方が悪いんじゃない?」
「は?やり方?…………ロウソクとか?」
──ドキドキ
「違う」
「ス、スパンキング??」
──ワクワク
「違えーよ!」
優成の眉間のシワが深くなる。
なんか、イラついてそうな顔してる。
「お前の趣味は知らねーけど、射精はできるだろって話」
「わかんないよ!!じゃあ、お前が教えろ!!」
俺は売り言葉に買い言葉で優成に怒鳴っていた。
優成の態度は、EDになったことを軽く考えてるみたいに見えて、俺も腹が立っていた。
心配してほしかったのに……。
それに優成の恋愛対象は男女どちらも。
俺より経験があるし、いろんな知識持ってるのは間違いない。
優成に教えてもらうのが一番いいはずなんだ。
「わかった、脱げよ」
優成は、何故か怒り気味に俺に指示してきた。
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