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第1話

今の世の魔王には人間のファンが大勢いる。 人型のかなりの美形に筋肉を張りつめさせ肌を黒光りさせる肉体を併せ持ち、むせそうなほどにフェロモン放っているものだから女は黄色い悲鳴をあげてやまないし、男も「抱きてええ!」と前屈みになるし。 なんて優れた容姿だけでなく、人間に対する、弁えながら毅然としている姿勢への評価も高い。 前時代、父親が君臨してたころは「世界征服」を目的として人間を虐殺して地上を血の海にしていたが、今ではすっかりひきこもり。 人間が住めないような火山付近に根城をつくり、魔物だけで営みができるよう環境を整え、戦をしかけるなど外界に攻撃することを決してしない。 もし理由もなく、人間などに危害を加えれば、情け容赦なく仲間を罰するが、逆に他種族に理不尽な目に合わせられれば、魔王が自らの手で情け容赦ない報復をするのが鉄則という。 根城の居心地がいいからか、魔物の多くは縄張り内ですごしているようで、たまに森で見かけたりしても、ほとんどが襲ってこず、避けるように逃げてしまう(魔王に従わない野良魔物は別)。 高等な魔法が使えるやつは変化して村や町に紛れこんでいるらしいと噂に聞くとはいえ、行儀よくしているのか、表だってトラブルは起きていないし、魔物と人間の合の子が生まれていないあたり、異種間の交わりを魔王に禁止されて厳守しているのかもしれない。 父親より圧倒的魔力を誇るという魔王にして、人間や他種族の住み分けをして、できるだけ領分を侵さないようにし、仲間には厳格にルールを守らせ、暴走しないよう監視管理を徹底し、むやみに勢力を拡大しようとせず自治に励んでいるかげで、なかなか今の世は平和。 たまーに魔王が仲間を従えて外に遊びにでるのを、遠巻きに涙ぐんで拝むように眺める人間があとを絶たないのも、まあほほ笑ましいもので。 が、魔王が残虐な悪行をしないことで困っている奇特なやつもいる。 それが教会の連中だ。 魔王の父親が暴虐の限りをつくしていたころは、嘆き狂い絶望していた人々を宗教の教えで慰め励まし導き、対抗して勇者を祭りあげ、そのサポートをしながら、総力戦においては死地に向かう兵士に神のご加護があるよう必死に祈りを捧げた。 いいかえれば、そのとき教会は栄達を極めたわけで、魔王が代替わりしたら必要性がなくなり、みるみる衰退。 平和になった証ともいえるが、過去の栄光が忘れられない、みみっちい教会は「魔王は大人しくしているふりをしているだけだ!わたしたちが油断したところで、父以上に凄惨な虐殺を繰り広げるだろう!」と根拠のうすい陰謀論を唱えて、また求心力を高めようとしている。 「魔王が本性を露に世界征服をする前に打倒せねば!」ともっともらしく高らかに吠えて、再び誕生させたのが勇者、俺だ。 魔王の父親に蹂躙された記憶があるご老人や、陰謀論を信じやすく心配性なやつは、すくなからずいて、教会は多少、権力と資金力をとりもどしつつあるとはいえ、大多数の庶民は内心、胡散臭く思っているのだろう。 表向きは俺を勇者として持ちあげてちやほやし、協力を惜しまず、応援してくれるとはいえ、どこか向けてくる目は冷たい。 「魔王さまをいじめる、どっちが悪魔か分かりゃしない不届きものだって蔑んでいやがるんだよ!あいつら! 俺は教会のお墨付きの絶対的正義の味方、後世に名をのこす予定の輝かしき英雄だぞおお!」 宿屋の一室でビールのコップをテーブルに叩きつけたら「おいおい、あいつらって!勇者は庶民を分け隔てなく慈しむんじゃないか?」と魔法使いのキムリがけらけらと笑う。 「いいだろ!今くらい猫の皮を脱がせろ!じゃなきゃ、やってられねえんだよ!」と怒鳴りつけ「くっそおお!教会のやつら騙しやがっってええええ!」と隣室に聞かれようとかまわず、壁を震わせるような咆哮。 俺は伝説の剣をぬいた、選ばれし気高き勇者と語られているが、その正体は赤ん坊のころ教会に捨てられた、どこの馬の骨とも知れない薄汚い孤児。 ひそかに教会は孤児に勇者育成の指導をし、ぬきんでて成績がよかったみすぼらしい孤児の俺に、偽物の伝説の剣をにぎらせたにすぎない。 聖人ぶった勇者なんて、糞餓鬼だった俺の柄ではなく、はじめは乗り気でなかったが、教会のやつらが「勇者はみんなに尊敬されて崇拝されて、毎晩毎晩女の子の相手をすることになるぞっ♡」と囁かれて、俄然やる気に。 鳥肌を立たせながらも、いい子ぶりっ子な勇者を演じたら、まあ、まわりは俺をもてはやすように見せかけて、よそよそしい態度をとるし、女子なんてもってのっほか、気のせいか、非難めいた視線を寄越しはしても、まったく近寄ってこない。 一応、権威のある教会がうるさいから、魔王打倒ムーブに乗ってやっているが「正直、面倒くさい」「しょせん茶番」と興ざめしているのがばればれ、ミーハーな女子は麗しき魔王さまの虜で俺を敵視するほど。 「魔王が庶民に敬われて、勇者が庶民に蔑まれるこの世は狂っている!」とテーブルに突っ伏して嘆いても「まあ、平和ならなんでもいいでしょ」と幼なじみであるくせに、日和見主義のキムリは慰めてくれない。 ついむっとして噛みつこうとすれば「じゃあさあ」と悪友の一面を覗かせて、にんまり。 「弱みをにぎって、魔王に人間界に害をなすようしむけたらいいんじゃない? そうすれば、お前はまっとうな勇者らしく格好よく活躍できて、正義のヒーローとして文句なしに認められて慕われるだろうし、女の子も次々と体を差しだしてくるだろう。 まあ、その代わり平和は崩れてしまうけど」 そろそろ起きるかなと思いきや「ああっ、爺、また、おしっこが、漏れてしまう・・」と予想外の寝言。 「ど、どしよぉ・・また、お漏らし、したらぁ、父上に、怒られるっ・・」 一見、むさ苦しいゴリマッチョのようで、育ちのよさが滲みでて気品のある魔王だけに、昔は、さぞ愛らしい子供で世話役の爺になにかと甘えていたのだろうなと想像に難しくない。 そのころの夢を見ているだろう魔王のあどけないさまに「おしっこをしているときの顔に劣るが、わるくない・・・!」と認めざるをえず息子を奮い立たせながらも、一呼吸。 咳払いをして「坊っちゃま、今はお父さまがいませんし、爺と二人きりですから思いっきりおしっこをなさってください」と紳士な中年男をイメージしての声音で語りかける。 一拍おいて「だ、だめだよお・・お漏らしは、男らしくないって、父上が・・・」と目に涙を浮かべるのに「爺は決してお父さまに告げ口をいたしません」と宥めて、ゆっくりとパンツをずらしていく。 「お坊っちゃまの健康管理をするのも爺の役目ですから。 おしっこをするところも見せいただいて、チェックもしたいので・・・ほら、足を開いてお坊っちゃま」 「だめだよぉ、爺の前でおしっこなんて・・・あっ、やだぁ、おちんちん引っぱりださないでぇ・・!」 パンツをずり下げて股間が丸見えになるも、ぶっといハムのような丸々とした太ももで性器を挟んで触ろせようとせず。 いやいやノー問題、性器を隠すように内股になって震えるさまは絶景だし、筋肉がつまってぱんぱんの太ももが密着して、汗でぬるぬるするその狭間に手を突っこむのは至福だし。 「きぃ、貴様あぁ!なにっ、いってえぇ・・!」と睨みつけるも、まだまだ薬が効いて魔力を発動できないようだし、涙でうるうるの瞳は怯える小動物のようだし、勃起したままおしっこをちょろちょろと滴らせているし、まるで迫力なし。 せせら笑って聞き流し「あんた、乳首おっきいんだな♡魔王のくせにっ、メスじみたエロ乳首しやがって♡」と胸の突起を両手でつまむ。 「男の乳首なんて生まれてこの方、興味なかったし、風呂で見かけたらむしろ萎えていたけど・・・。 魔王、あんたが乳首をいじられておしっこするとこ、すんげー見たいし・・・ふぅ・・・だめだっ、想像しただけでイっちゃう♡」 先っぽ同士をくっつける性器からすこし射精すれば、今さら魔王は目を丸くしつつ、もう二回もおしっこを見られたくせに今さら乙女のように、おろおろと恥ずかしがってみせる。 先っぽをくっつけたまま、腫れたようにぷりぷりの乳首をつまんでしこしこっ♡爪で引っかいてかりかりっ♡引っぱって揺すってぶるっぶるっ♡ ふだんの魔王の性生活など知る由もないが、べつに愛撫が巧みでない俺のテクニックに「んんんっ・・♡やぁ・・やめぬかぁ♡んんふぅ♡くううぅ・・♡」と声を押し殺そうとしながらも、悩ましい喘ぎを漏らして、無意識のように先っぽを擦りつけてくるから感度は抜群のよう。 「ゆ、勇者とぉ、あろうものがぁ・・!こんなっ、教会がぁ、嘆くぞおぉ!んひいぃ♡や、やめろぉ♡痛っ・・痛あぁ、ではないかあぁ♡んっ♡んん♡んふううぅ♡や、やめろぉ、愚か者おおぉ♡そんな、指っ、早くうぅ♡またっ、またぁ、でるではないかああぁ♡」 発言はまだ強気なれど、すでにおしっこ顔になって腰をくねらせているあたり「反応よすぎね?」とすこしひっかかる。 「まさか、男に抱かれたことがあるのか?」と疑念が湧き、すこし苛ついて乳首を押し潰し、それだけでは足らずに胸に埋めこむようにぐいぐいっ♡ぐりぐりいぃ♡ こちらは試し読みになります。 本編は電子書籍で販売中。 詳細を知れるブログのリンクは説明の下の方にあります。

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