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第54話 魅力的なお返し(side修平)

俺の口で達した保先輩は、なだらかな曲線を描く全身にしっとりと汗を滲ませた。 「は、ぁ……♡」 俺を離す為の両手は俺の頭を抱えるように回され、まるで抱き締められているのではないかと錯覚してしまう。 保先輩の吐息が俺のつむじに熱を帯びた風を感じさせた。 ペニスを刺激しないよう、極力全ての液体を拭い去りながら、ちゅぽん、と肉棒から口を離して口元を腕で拭えば、色んな液体でぐちょぐちょだ。 俺の手の中で力を失いくったりした保先輩のペニスは、お礼を言うかのようにピクンと揺れる。 上はまだパジャマを着たままで、俺は先輩が風邪をひかないように、首元まで上げたその裾を下まで引っ張った。 下半身だけ裸なのがまたエロくて、ギュンと股間に熱が集まる。 「保先輩、洗面所借りますね」 「ん……」 保先輩は、ころりと横に転がった。 俺が洗面所で口を洗って戻ると、保先輩がじっと俺の方を見て言った。 「また、俺だけだったから……今日も、使う?」 ただでさえ色っぽい格好で言われ、少し慌てる。 埋めたいのは山々だけど、今日突っ込んだら保先輩のお尻は出血しそうだ。 だから、今誘われるのは非常にヤバイ。 極力保先輩の方を見ないで、俺は断腸の思いでその折角の誘いを断った。 「いえ。今日保先輩としたら、保先輩のお尻が本当に大変なことになりそうなので。残念ですが、今日はもう寝ましょう」 「……うん」 どことなく暗い顔をしたまま、保先輩はベッドに移動した。 ベッドの大きさはほぼ俺が使っているものとほぼ変わらないので、俺は保先輩が空けてくれたスペースに滑り込んだ。 「お休みなさい」 「……」 「……先輩?」 「じゃ、じゃあ……俺も、する」 「え?」 保先輩はズルズルと布団に潜り、俺のパジャマ代わりのスウェットをずるっとパンツごと下げた。 「せ、先輩!?!?」 俺の息子が元気良く躍り出た気配がする。 そして、俺の竿が保先輩の温かな両手でそっと掴まれた。 「……でかっ」 ……ヤバイ、このシチュエーションだけで先程我慢していた分、簡単に抜けてしまう。 俺は布団を片腕で持ち上げ、保先輩の頭頂部に声を掛ける。 「保先輩、無理しないで下さい。それに俺、今日は夜風呂入ってないので」 そう声を掛ければ、躊躇している保先輩なら「やっぱやめとく」と言うと、心から思っていたのだ。 ──思っていた、のだが。 「……いや、大丈夫!」 保先輩は、目の前にある亀頭にちゅ、とキスをすると、小さな舌で、ペロンと裏筋を舐め上げた。 「~~っ!?」 息が、止まる。 保先輩は、ちゅ、ちゅ、と何度も俺のペニスに唇を押し当て吸い付きながら、上で固まった俺を見上げて言った。 「修平。初めてでよくわからないから、痛かったりしたら教えて?」 お互いの視線が、絡み合う。 止めようとしていた筈の俺は、気付けば「はい」と答えていた。 あまりにも魅力的な提案を、今度は断ることが出来なかった。

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