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第60話 計算外の反応(side修平)【*】

その瞬間、先輩の纏う空気が変わったのを感じた。 「考えさせて」 冷たい声。固い表情。突き放すような態度。 先輩の視線の先には何も変わったものなんてなくて、俺は少し戸惑う。 可愛い、と言ってしまったのが悪かったのか。 俺の勘違いなんかじゃなくて、さっきまで、甘い雰囲気が流れていた筈。 舌を絡ませ合うキスをしても、保先輩は嫌がるどころか応えてくれて、口を離した時にはトロンと瞳を潤ませながら、明らかに発情していたのだ。 試しに付き合ってみて下さいと、言うつもりだった。 だからこれは、計算外で。 動揺を隠して、俺は一旦引き下がることにした。 ただ、単に引き下がる訳ではない。 「わかりました。ただ、これから全力で保先輩を口説きにいっても良いでしょうか?先輩が嫌がることはしないと約束しますので」 「……う、ん」 保先輩は、曖昧に笑いながら頷いてくれた。 これまで、ずっと機会を狙い続けていた。 後少し待つことになっても、耐えられる。 ただ本当に心配なことは、保先輩が何故急に俺を突っ張ねたのか、わからないことだ。 「……じゃあ早速。保先輩、少しだけ気持ち良いこと、しません?」 俺はニッコリ笑って言う。 「え? でも修平、部活の時間じゃ……」 「遅くなった分だけ、残ってやれば良いだけです」 聞かれた保先輩がことに歓喜しながら、俺は直ぐ様保先輩が逃げられないよう、のしかかる。 「保先輩、今日もお尻を見せて下さい。薬塗りましょう」 「え……と、あ、ありがとう。でも、もう平気そう」 保先輩は俺に押し倒されながら、少し恥ずかしそうに言った。 「では、昨日より良くなっているかどうか、見せて下さい」 「う……ん」 保先輩、チョロい。 直ぐに俺に丸め込まれて、本当に可愛い。 「ええと、動けないから、どいて?」 「はい」 俺は今度は、サッと素早く保先輩の上からズレて、先程先輩がしていたように、ベッドに腰掛ける。 「……そんなに見るなって……」 俺の目の前で、保先輩は自分のスウェットをパンツごと下げた。 半勃ちのペニスがポロンと現れ、俺はそれを掌で包むようにして撫でる。 保先輩みたいに温かくて、ピクピク動くところが愛しい。 「後ろ向けば良いの?」 「いえ、このままで大丈夫です。少し失礼しますね」 「あっ」 俺は、保先輩の足を抱え上げて、両膝が保先輩の顔の横に来るように折り曲げた。 「~~っっ」 保先輩の顔が朱に染まる。 俺は、目の前に捧げられた保先輩のアナルを昨日ぶりにじっくり眺めた。 昨日は少し腫れて赤かった蕾が、またピンク色に戻っている。 「入口は凄く綺麗になってますね」 「うん。全然痛くないから──」 「中も少し見ますね」 「ぁん♡」 唾液を付けて濡らした指をつぷり、と少し埋めただけで保先輩は喘ぎ、俺の理性を崩しに掛かった。

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