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ソフトエッジ

 経験人数少なくて、ケツだけでイッたことないからイカせてくれる人が良いとか、完全コッチの嗜虐欲とか征服欲をそそってくれるメッセージが来たから、どんなヤツかと思ったら意外なほど幼げな少年が待っていた。 「う、わ……高井?」  思わず聞いてしまったのは、そりゃないだろ? とあり得ない状況に愕然としてしまったから。  少年と言い表したが、彼は今年の春たしかに18歳を迎え入学してきた大学1年だ。 「て……らおか、さん……」  タダでさえでっかい目を見開くようにして見上げ俺の名を口にする彼は、やっぱり間違いなく俺の後輩の高井だった。  待ち合わせたのは大学最寄りとは離れた駅前で、まさかその場に高井の姿を見つけるとは思わなかったから、俺は内心めちゃくちゃ動揺した。  というのも、初見では高井が俺の待ち合わせ相手だなんて疑いもしなかったからだ。  俺の待ち合わせ相手は、いわゆるゲイ向けのマッチングアプリってやつでここ数日間メッセのやりとりしてた男子大学生。  俺は男もイケたけど元々はノンケだったから、バイなのは隠して時々こうして適当な相手と遊ぶくらいのセックスしかしてこなかった。  ここ1年ばかりは彼女も出来なかったから男としかシてないし、後腐れなくエロくヤレればそれでいいって感じで。  だからそんな相手と待ち合わせたのは家からも大学からも離れた、この辺りでは一番大きな駅前。  なのにそこに知り合いが居たのだから、俺の動揺も推しはかれると思う。  結果から言うとこのとき高井も内心めちゃくちゃ焦ってたみたいで、俺と全く同じように「早くどっか行ってくれないかな?」と思っていたらしい。  そりゃそうだ。これから男とヤるために待ち合わせてんのに、知り合いに会うのは気まずいし、万が一変な風に気取られたらヤバ過ぎる。  なのにそこで待ち合わせ時間を15分過ぎても現れない相手に「すっぽかされた?」ってモヤモヤと、「今からでも待ち合わせ場所をずらしたらいいんじゃないか?」というジリジリに、俺は相手にメッセを送った。  高井も俺のことちょっと気にしてはいたけれど、そっちも待ち合わせ相手が来ないのかヤツが来るの早過ぎたのか手持ち無沙汰でスマホいじってて。  そしたら不意に通知を見たのか、パズルゲームやってたらしい画面を見覚えのある画面に切り替えた。  ――うん、それはめちゃくちゃ見覚えのある画面だったんだけど、俺の方が背の高いのもあって、何となくチラ見しただけで丸見えだった。  そのメッセージ画面に俺のハンドルネームとアイコンがあるの見つけるのなんてアッという間で、だから思わず、 「う、わ……高井?」  って訊きながら歩み寄り、俺のスマホの画面も見せていた。  その時の高井の顔ったら、完全に固まってるし目玉なんて転げ落ちそうなくらい目を見開いていたし、笑うしかなかった俺を見て涙目になったのに‪――‬俺は初めて彼にムラッとした。  そこでヤイヤイやっていても仕方がないし、待ち合わせ相手が高井だって分かったならこれ以上ここにいても仕方ないな? って、俺らは場所を移動した。  下手に店なんかに入って込み入った話を始めるより、公園のベンチなんかを探して座った。 「寺岡さんって、彼女さんいたんじゃなかったんですか?」  困惑げに尋ねる高井に、 「前はいたけど今はいない、つーか、俺はバイだからどっちでも……」  なんて、2人してベンチに横並びで座ってるのに前だけ見て、相手の表情を見ることも出来ずにお互い気まずかった。 「高井はウケ専なんだよな? いつから?」  で、全く童貞完全処女みたいな顔してる高井に、俺はそっちのが気になって尋ねてみる。 「は……初めてそういうことしたのは高2の時だったんですけど、ちゃんとお付き合いした人はいなくて……」 「いっつも出会い系ってことッ?」 「最初はその……サポしてもらって、って言っても……お金が欲しかった訳じゃなくて好奇心だったんですけど、最初からヤリ目よりパパ活? みたいなものの方が、お断りする時もスムーズだったので……それで」  そんなものか? っての俺には経験ないから分からなかったけれど、高井の場合はそうだったのだろう。  そのとき俺は、高井の薄い体がオッサンに好きなようにされてるの想像し、また少し興奮してしまった。  事前にメッセのやり取りしてた内容が本当だったとすると、高井のこれまでの経験人数は3人で、経験回数も各1とか2らしいから片手で足りるくらい。  そりゃ処女ではないけどこなれてはいないから、俺みたいなのからすれば準処女くらいの誤差の範囲内みたいなもので。  そのとき俺も経験人数訊かれたのに「いちいち数えてないから覚えてない」って答えたのは本当のところだったけど、経験人数は女より男のが多くて、回数を見ても男のが多いだろうってのに未だにバイだって思ってるちょっとしたアンバランスさ。  それでもさすがに知り合い……しかもお互いの同期も気安いほどに割と親しくしていた後輩とセックスするのは気が引ける部分もあって、 「今日はメシ食って帰るか」  って言ったら、高井もホッとしたような顔をしてやっとこっちを向いてくれた。  それでも俺の頭の中には『ケツイキしたことなくて、ケツイキさせてくれる人とセックスしたい高井』ってのがずっとチラついてて。  オッサンたちもっと頑張れよ! こんな可愛いDD(当時はDK?)とヤれたのに、フニャフニャなチンポでゆるゆる腰振ってたんじゃねーだろーな!? って、自分でもおかしな方向の憤りを覚えてた。 「寺岡さん?」  呼ばれて気づいたら、高井が俺のこと見上げてて、このまま連れて帰ったらやっぱまずいかな? と思いつつ店を出て。  まだ時間早いのに夕方に差し掛かっただけですっかりと暗くなった道を駅まで歩いてたら、後ろ歩いてた高井に手を掴まれて立ち止まった。 「どした?」  本当は動揺したんだけど、それを出すのはカッコ悪すぎてグッと堪えた。  手を掴まれるっていうか、手を繋がれて、強くなり過ぎないように握り返してやったら、高井が俺を見上げて、 「あの……もうずっと、キス……してないので、キスだけでもしてもらえませんか?」  おっかなびっくりだったけど、恥ずかしそうな顔で言われ、思わずゴクリと喉が鳴った。  俺は良いとも悪いとも言わないまま、辺りをちょっと見回してからひと気がないのを確認して、高井にキスした。  すげぇ柔らかい唇が触れて、そしたら堪らなくなってその手を引いた。  近くのビルの間に引っ張り込んで、路地裏でキスを重ねた。  路地は狭くて、その先でドンつきだったから通行人もいなかったし、通りからは俺の身体で高井のこと完全に覆い隠していただろう。  それまで張り詰めてた緊張の糸を完全にブッちぎったみたいにして、その顔を掴んで、ベロまで突っ込むキスをした。  高井も抵抗するどころか俺の身体にしがみ付くよう抱きつくし、 「っあ……はあっ」  短く喘ぐみたいな声を漏らして、されるまま夢中でキスされてた。  で、結局そんなので火がついちゃった俺たちは、そのままラブホに行って、結局ヤッちゃった。  ケツでイッたことないって言ってた高井だったから、指や舌でたっぷりケツの穴可愛がってトロトロにしてやって、それだけでイカせてやったら、 「うそ……こんなの嘘……」  って言いながら、手コキ無しで後ろだけ手マンされてンのにイクの止められなくなってンの、めちゃくちゃ可愛いかった。  どんだけ前戯サボられてたんだよ? って笑う俺に、 「そんなことないと思うんですけど……」  って言う高井はオッサンたちに身体中舐められてはいたけれど、やっぱりピントのズレた自分本意な前戯しかしてもらえなかったんだろう。  長時間かけてオッサンたちの唾液塗れにされながらも、フェラくらいでしかイケなかったらしい。  あと、高井にはちょっとした癖というか、こだわりがあって。  高井はウケなのに、自分のチンコにもゴム着けてた。 「別にいいけど、何で?」  って聞いたら、高井はガチゲイなのに精子の匂いが苦手なのと、それに身体を汚されるのが嫌いらしい。  人の精液をかけられるのなんて絶対嫌だけど、自分のがかかるのも嫌だとかで、これも潔癖症っていうやつなのか?  だからお互いにゴムを着けたセックスしかしたことがないって言ってた。  仕方ないから最初は高井の言う通り2人してゴム着けてヤッたんだけど、高井があまりにもエロく感じまくって、今まで知らなかったっていうケツイキしまくるから、俺は興奮しながら高井のチンコの先で膨れたゴムを思わず引っ張り雑に外してしまった。  そのときも高井はイッてたから、ビクビク震えてたチンコがゴムを外された反動でプルンと震えて、そこに溜まってたザーメンと発射しているのとがそこら中に飛び散りまくった。  イッてたから抵抗できなかったのもあると思うんだけど、 「いやあああぁぁ!!」  って悲鳴上げながらも精子吐き出してのけ反りイキ続けてる高井がめちゃくちゃエロくて、俺はその叫びともいえる声にレイプでもしてしまっているみたいな錯覚に、ますます興奮した。  その時はまだ俺のチンポが入ったままだったから、のけ反りながらイク高井の腹ン中更に激しく突き上げて、手足を突っ張り俺のこと引き剥がそうと足掻きながらとうとうメスイキまでしちゃった高井が泣き出すのを、更に責めた。  別にバカみたいにずーっとガンガン掘り続けてた訳じゃなくて、ちゃんと高井の反応に合わせて緩めたり止まってやったり激しくしたりしてたけど、泣いてた高井のメスイキ止まらなくなって、ゴムを外したチンコから潮吹いて痙攣してるのを見たら、俺のチンポ気に入ってくれたかな? と俺も満足して、後は俺もイクことしか考えずにガツガツと腰を叩きつけた。  イキながら痙攣してンのめちゃくちゃエロくて、こんなモロ感なケツしてんのに、よくもまあケツイキしたことねーとか言えるよな? って思ったけど、後でもう1回聞いたらやっぱりケツイキしたのもメスイキしたのも初めてだったって、しばらく放心したままたどたどしいガキみたいな口調で言ってた。  ゴムの中に出した自分の精子どころか射精中のそれも撒き散らし、潮も大量に吹いて、更に俺もイク時にゴム外して腹や胸に掛けてやって、他人の精子塗れにもされた高井は、あんなに嫌がってたはずなのに発情しまくるみたいにして興奮し、もう1回って「おかわり」までした。  1回メスイキ覚えちゃったら理性なんて無くしてしまったのか、俺が何しても拒絶しなかったし、最終的には生でヤッて中に出したら、嬉しそうな声を上げて俺のこと「好き♡」って言ったの可愛すぎた。  俺もセックス自体久々だったし、相手があの高井だっての最初は躊躇したけど結局は興奮した。  ガキみたいな顔と身体のまま、俺のチンポでイキまくるの可愛すぎたし、最後は一緒にシャワー浴びてたらなんか急に恥じらい始めて、今さらじゃねーの? って思ったけどソレも良かった。  事後のベッドの上は色んな意味でグシャグシャ過ぎて「こんなところじゃ寝られない」って言うから、終電で帰って。  帰りの電車の中では俺にもたれ掛かりながら眠り込んでいたけど、アレは絶対寝たフリだと思ったら、俺にくっ付きたがるその姿も可愛すぎた。最寄駅に着いてじゃあここでバイバイって時に、 「俺、今日会えたのが寺岡さんで良かったです」  とか可愛らしく言われたから、暗いのに乗じてキスした。  そうしたら抱きついてきたから離せなくなって、 「うち泊まってく?」  って聞いたら、 「もう出来ません……よ」  また恥ずかしそうに言うのに、 「もうヤんねーって、添い寝だけ」  思わず笑いもれながら言って連れ帰ったけど、結局もう1回だけヤッちゃった。  今度は高井の言うように、2人してゴムして。  だけど、 「今度するときはフェラして」  って言ったら、高井はちょっと戸惑うよう視線をきょろきょろさせたけど、黙ってうなずき、添い寝する俺に抱きついた。 ◇  そうして、俺と高井はセックスをするようになった。  最初はアプリでそういう関係になって、だけど次からは普通に直接誘い合う関係になって。  俺らはお互いに飽きるまででいいからって、それぞれのスマホから一旦アプリを消した。  なのに高井が、 「俺、もう寺岡さんとじゃなくてもメスイキできるのかな?」  なんて言い出すから、 「ハァッ!?」  俺はブチ切れそうになりながら、その日は高井の手足を縛って、 「もうヤダ!!」 「無理ぃ!!」 「おかしくなるッ♡♡♡」  て泣いても喚いても脳イキするまでねちっこくジワジワと可愛がって、失神するまでアクメし続ける快楽セックスに高井壊しかけちまった。まだ痙攣続けながら目蓋を開いた高井に、ベロチューしたらそれだけでイッて、 「俺以外のヤツとヤッたら、今度こそブッ壊すらかな?」  って囁いたら、またメスイキしながら崩れ落ち舌を出したまま失神した。  次に目を覚ました時にはやっぱり放心状態だった高井と一緒に住むこと約束させて。  後からそんな約束は覚えてないって戸惑う彼に、 『はひ……てりゃ岡ひゃんと、いっひょに……暮ひまふ……いっしょのベッドで、まいにち、あさも、よりゅも、セックシュ……しましゅ……、おちんちん、嬉ひぃでしゅ♡ ……ありがとう、ございまふ、……らから、もっとオレのこと……犯ひて、くらしゃい♡ ……もっと♡ ここに、おちんちん……いっぱい……っ♡』  ちゃんと録音残してた呂律の回ってない甘え声を聴かせたら、涙目で震えながらも勃起した先濡らしてた。

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