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 なけなしの日銭を掴んで、清潔に身を清め上等な香を焚き染めた男娼を抱きにくる、汗と雄のニオイのきつい労働者のちんぽ気持ちイイ♡♡♡ 「あ"っ♡ あ"っ♡ あ"っ♡ あ"っ♡」  乳白色の光沢を帯びた肌触りの良い絹のシーツの上には激しい皺が寄り、消すことのできないだろうシミが散る。  ちんぽ気持ちイイ♡♡♡ ちんぽ気持ちイイ♡♡♡  私のアナルから零れ落ちる下等な種が、泡立ち幾すじもの汚れとなって上質な布地を侵す。  飛び散る汗を受け、タバコ臭い息を吐きかけてくる口を合わせれば、無遠慮な舌が私の口の中を舐めて来る。  男の生ぬるい唾液が流れ込むのが、私の口から溢れて、 「あっ♡ あふっ♡ あぁ…んッ♡ あぁ…んッ♡」  舌を絡ませるキスをされながら、覆い被さって来る大きな身体で欲望のままペニスを突き込まれる。 「お"ゔンッ♡ お"ゔンッ♡ お"ゔンッ♡ お"ゔンッ♡」  声色が変わったのに気を良くしたのか、俺の腰の振り方が変わった。  折り重なるよう広げられていた足を限界まで開かれ、真上から叩き付けるような荒っぽさでペニスが……おちんぽが、私の雄膣を奥深くまで貫いた。  長く楽しむことが目的ではない男の、性欲処理のためのひと時。  香はまだ半分も燃えていないのに、射精欲に忠実な雄獣の交尾がごとく私を犯す赤黒いちんぽ。  私の目元に施された媚を含んだ妖艶な女化粧も、口元を隠す薄布も、丁寧にくしけずられ香油を振りかけられたたっぷりとした黒髪も、腰を振られ揺らされるたびにリンリンと涼やかな音を奏でる金の首輪も、シャリシャリと揺れる耳飾りも、へその少し下から下布の辺りまでヘナで女の胎を模し描かれた飾りも、口元の薄布と同じもので私のペニスを覆い押さえつける下布も、真珠のベルトからふた筋に別れペニスの付け根まで通されたリングと繋がる淫らな飾りも、幾重も重ねられた錫のアンクレットが足首で擦れ音を立てるのも‪――‬。  男にとっては上質でも下等でも、そんなことなどどうでも良いのだ。  この男にとって私が、男であろうとも女であろうともそれすらどうだっていい。  だだそのおちんぽ入れる穴、その重く垂れ下がる種の袋を少しでも軽く出来ればそれでいいのだ。  汚らしい男たちに穴として使われることに、私が悦びを見出したのは誰にも言えない。  ただ唯一、子どもの頃からの腹心だけがこの遊楽を助け見守ってくれている。 「うおっ! んおっ!」  射精欲が極限まで高まった時、男どもは無我夢中で腰を振りながら呻く。 「あ"あ"あああぁあ~ッ♡♡♡ あ"あ"あああぁあ~ッ♡♡♡」  強引というよりも乱暴に叩き付けられるちんぽに、私は身も世もなく崩れ震えながら、射精のないメスのアクメを繰り返す。  そのまま男の重たい種は、私の腹の奥に発射された。  ビュウビュウと勢いよく押し出される精液の熱さと、全てを出し終えるまで止まることのない腰の強欲さに、私はたまらず二度、三度とイキ続ける。  アヘアヘと崩れながらも捕まれたままの手首。  緩んだ口元で求めれば、また薄布を捲られベロを絡めた男臭いキスをされる。 「上質な女のようなまんこだったよ」  男は言うが、上質な女など抱いたこともないだろうし、この寝台のシーツが絹糸で織られたものであるということも知らないだろうし、恐らくこの先も一生知らずに過ごすだろう。  ぬるっと濡れた感覚とともにおちんぽは抜かれ、私のまんこは寂しく虚空を咥える。  今日のちんぽも凄かった♡  やっぱり雄は肉体労働者の汚ちんぽがいちばん好きだ♡  足を開いたまま放心している私をよそに、出すものを出し終えた男は衣服を整え出て行く。  遅れて、どろりと種が吐き出される感覚に、私はまたヒクヒクと震え切ないため息を落とした。 「お支度を」  無粋な声が届くのに、もう少し余韻を楽しませて欲しいと思いながら、 「うん」  とだけ答える。  すぐにでも、化粧を落とし身を清め、身なりを整え戻らねばならないことは分かっている。  彼を困らせてはいけない。  私は億劫に思いながらも起き上がり、溢れ落ちた種を拭ってから、懐紙を丸めたものをアナルへ挿し入れた。  真珠の腰飾りを外し、ペニスだけを覆っていた薄衣の下布を脱ぎ、コックリングはそのままに繋がっている真珠飾りの留め具だけを外す。  口元の薄布を外し、化粧を拭う。  印象的だと言われる左の泣きぼくろも、化粧で描いたものだった。  下ろしていた長い髪は男らしく結い上げ、香油の残り香の言い訳は女のせいにすれば良い。  足先のアンクレット、鈴のついた首飾りを外し、それらを纏めて麻袋に入れた頃、ようやく私の従者は姿を表す。 「耳飾りを」  うっかりと忘れかけていた耳飾りを外し、麻袋へ突っ込んで、男の精液で汚れた全裸で部屋の奥にある浴場へ向かう。  浴槽に入る前にアナルへ入れた懐紙の塊を抜いて、温い湯に身を浸した。  カーテンの向こうでは、顔を合わせることもない下女たちが後片付けを始める。  私もそうゆっくりはしていられない身なので、香油や潤滑液を洗い流し、準備されていた衣服に袖を通した。  サンダルを足に引っ掛け、ガウンを羽織り、つい先刻まで女のような姿でちんぽを貪っていた私は消え去った。 「車は回してあります」  回廊に出て、車寄せに回る。  ここは私の夏宮で、普段は人の立ち入らない場所。  しかし定期的にここを訪れては、身の上も分からない労働者風の男を連れて来させ、わずかな金銭で身をひさぐ。  金を払わせるのは、私を一層惨めにするためだ。  対価は安ければ安いほどいい。  高貴な身分に生まれ、何不自由のない暮らしどころか常に上等なものだけに囲まれ、身につけ、女だって本当の上質をあてがわれている。  妻を娶らされたのは11の歳。  夜伽を教えられ嫁いだひとつ上の妻にされるままの初夜だった。  結婚してもう3年になるが、まだ子は出来ない。  未成熟な身体でいくら交わっても、妻を孕ませることができるとは思えなかった。  16になったら、更に2人の妻が嫁いで来ることになっている。今度はきっとずっと年上の寡婦だ。  18になったら独立して、更に多くの妻を娶ることになる。  一夫多妻というその仕組みは、社会福祉でもあるのだと、持つ者が持たざる者へ施しをするのだと教えられてはいたが、その持たざる者だって高貴な身の上なのだ。  だけど私は、自らが蹂躙され支配される悦びを知ってしまった。  最初は酔った父の友人に、無理矢理犯されたことから始まったと言うのに。  その数日後、彼が不慮の事故で死んでしまったと聞いたとき‪――‬私の中で何かが壊れたのだ。  高貴な身の上で、汚らしい男に穢される‪――‬その快感を知ってしまった。  男は粗野であればあるほど良い。  爪の中まで黒く泥や油に染まった手で、押さえつけられ暴かれたい。  私の学友たちのように、弁えている者など魅力を感じない。  私をただの道具のように扱い、獣の交尾のように種付けをするちんぽに犯され、女のように鳴く。  そうしてこどもの駄賃のような金で穢されつくしたあと、身を清め、何食わぬ顔で屋敷りまたいつものようにかしずかれる日常へ戻るのだ。  彼らから投げ渡されたコインは、クッキーの箱の中に少しずつ貯まっていく。  今日は興が乗ったので、私の秘密を知るたったひとりの腹心を閨へ呼び、添い寝をさせて寝物語のよう、今日の男とのまぐわいを語って聞かせた。  私は、静かに話を聞き終えた彼の口を吸うと、 「夏宮へキィスを連れてきてくれないか?」  自分から名指しで夜伽を頼むのは初めてのことだったので、少しきまり悪く思いながらもねだった。 「キィスですか? 馬番の?」  従者の問いに、私はうなずく。 「しかし、根なし草ならともかく、家の者をあそこに迎えるのは……」  いつもは従順な従者が難色を示すのに、 「キィスはあの歳で女房が居ないんだろう? 持たざる者への施しは、持つ者の義務だと教えたのはお前じゃないか」  私は拗ねるようごねた。  と、同時に従者の股間へ指を遊ばせる。  その男は30半ばで、当然のように妻もあるがひとりだけ。  彼と私の父と、私を犯した父の友人は同い年だった。  父の友人が事故で亡くなったと知ったとき、心の均衡を崩した私をそのちんぽで慰めてくれたのも彼だ。  そうして夏宮へ男を手引きし、私の中のメスを慰めるよう提案してくれたのも、全てを整えてくれたのも彼だった。 「ねえ、ダメ?」  襟元ひとつ乱さないこの男の、股間をまさぐる。  少しずつ硬くなるその雄が布越しに上を向いたのを引き出すと、 「ねえ?」  女のように甘える声を聞かせながら、つぷっとガマン汁を浮かせたちんぽの先にしゃぶりつき、ジュポッ♡ ジュポッ♡ と吸い付くと、それはたちまち強く反り返った。  いつも理性的な彼の息が乱れ、最近少し出てきた下腹がハァハァと波打つ。 「もっと?」  焦らすよう尋ねた私に、 「もっと……だ」  従者の身の内についた火が、彼を雄に変えていく。  荒くれた男を受け入れてからまた数時間の私のおまんこは、まだ少しほぐすだけて柔らかくとける。  彼には雄交尾の物語を語ったばかりだから、私が何をされどう感じたかは知られているのだ。 「四つん這いに足を開き、欲しがりなさい」 「はい♡」  彼の言葉に、私が主筋ではなく従者になる。  彼の前でおまんこを晒し、クパグパと欲しがる動きを見せたら、言葉もなくちんぽの先が挿入される。  準備も前戯もなく、道具のように使われる。  娼婦のように後先考えずに使われて、躊躇い もなく中で出された。  ビクッビクッと震えながら、射精したメスちんぽを更に(シゴ)かれ、大きく腰を揺らしながら追い上げられる快感の強さに、耐えきれなくなる直前に‪――‬私のメスちんぽの先からしとどに溢れた透明な汁が、寝台のシーツをぐしょぐしょに濡らした。  キィスというのは馬番のひとりだ。  私の所有する3頭の馬を含む、愛馬たちを世話している。  馬たちは足であり、スポーツを楽しむ道具であり、そして友でもある。  私は……まだ伸びるのはこれからだと言われてはいるが……小柄な方で、キィスと対峙すると見上げるほどだった。  背の高さだけでなく、肩や腰の強そうながっしりとした体つきをしており。  亜麻色の髪は短く切り揃えられ、太い首の後ろは襟足が刈られている。  男らしく太い眉の下の目は藍のよう深い青で、肌は皮下を流れる血潮を透かすよう少しピンクがかって見えた。  ここより北の土地の血が濃いのだろうと聞いていたが、さまざまな国の様々な文化、人種の行き交うこの国の都市ではさして珍しいことでもない。  キィスはどこから来たのか分からない男で、解放奴隷の男たちと寝食を共にしている。  それらの男たちの中では珍しく読み書きと計算ができるようだ。  それから色んな縄の縛り方も知っていたので船乗りだったのでは? とも噂されていたが、本人は何も語らなかった。  歳は少年の頃をとうに過ぎ、しかし私の親の世代よりはずいぶん若い。  これも本人は語らなかったが、たぶん20代半ばくらいなのだと思う。  解放奴隷同士の結婚は認められているが、彼は奴隷ではなく。  その枠組みから外れた彼は、同じような身分のものでも現れなければ妻を娶ることなどできないだろう。  ただ、女を買うことは出来る。  しかし嗜む程度に酒は飲むが、贔屓の女がいるといった話は無いようで、だからこそ私の施しを受け入れさせたいと思ったのだ。

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