1 / 1

第1話

祭りで羽目を外すと、興奮しすぎて肉欲が湧いてやまない。 が、祭りの日は女を抱くことを禁止されている。 昔、荒ぶるまま乱交したことで、村が滅びかけたことがあるから。 というわけで、以降は男の慰め役が用意されることに。 よそ者の若い男に、暴れ馬のような我らが息子を慰めてもらうのだ。 性器を扱くこと以上をしてもらっていいかは、慰め役の若者次第。 といっても、最終的にはみんな同じ選択をするのだが。 かなり報酬を弾むから、男との性体験がない若者も応募してくる。 今回、選ばれたのは、パチモンの高級時計をして耳にピアスをしたチャラい子で「おっさんたちのちんこをしこしこするだけで大金なんて最高ー❤」と舐めた態度を。 まあ、そんな軽口を叩けるのははじめだけ。 次々とやってくる村の男たちの性器をにぎっているうちに、自ら着物を乱して足を開き、もどかしそうに腰を揺らして、勃起したのからお漏らしをだらだら。 村の男たちは同意なしに触ることはできないが、慰め役が自ら慰めるのはいい。 とあって、たいてい途中から慰め役は自慰をするのだが、彼は強情。 精液をぶっかけられて「はあぁ・・❤」と肩を震わせながらも、乳首をいじったり、性器をしこったり、尻の奥に指をいれようとしない。 「くうぅ・・❤そ、そんな目でぇ、見るなよっ、おっさんぅ❤ふぐうぅ❤精液、ぶっかえられる、野郎にぃ、なんで、そんな、興奮っ・・❤ああっ 俺と従兄のカツアキは十五才差もある。 なので兄っぽいうより、おじさんっぽく、ふだんから交流が盛んだから、俺にしたら第二の父親のような存在。 仕事が忙しい父より話すことも遊ぶことも多くて、たまに「パパ」と冗談で呼ぶと「やめろ!俺はそこまでおっさんじゃない!」と怒るふりをして満更でもなさそうな顔。 そんな良好な関係が崩れたのは、映画のラブシーンを見てから。 それまで二人で映画にケチをつけたり、茶々をいれていたのが、ラブシーンになってなんとなく口を閉ざしてしまい。 シーン自体はさほどエロくなかったけど、カツアキと鑑賞しているのが気まずいやら恥ずかしいやらで、なぜか勃起。 慌てて足を閉じようとしたら、その太ももをつかんで「なあ、俺も興奮しちゃった・・・」と頬を赤らめるカツアキが真顔で告げたもので。 「このラブシーンの再現しようよ」とどうして求めてきたのやら、俺も俺でどうしてうなずいてしまったのか。 部屋にいくと、二人とも裸になり、所在ない俺はなんとなくベッドに仰向けに。 すこししてベッドに寄ってきたカツアキは、枕に手を置いて「かわいい・・」とほほ笑み「なあ、映画みたいにパパって呼べよ」とさらなる意外な要求。 そう、映画では女が恋人の男を抱きしめながら「ああん❤パパあぁ❤もっとおおっ❤」と泣き叫んでいたのだ。 男がそういうプレイを望み、はじめ女は渋々つきあっていたのが、だんだん積極的に呼んでヨがるように。 「え、いやだよ・・」と顔を熱くしつつ、そっぽを向いたら「ふーん」とそっけない相づち。 かと思いきや「じゃあ、鳴かぬなら鳴かせてやろうってやつだ」と声を弾ませて、俺の足を開いて、もう濡れている性器にしゃぶりついた。 たしかに映画のとおりとはいえ、心の準備がまだできていなく「ちょっ・・!待って、くぅ・・んんっ・・❤」と髪を引っぱる。 「タクトはまだ童貞?女の子にフェラされたことないの?俺がはじめて?」 「そ、そこでぇ・・しゃべるなよぉ❤そ、そおだけどぉ・・なんか、いわれると、恥ずかし、からぁ・・❤」 俺が入社したとき、スリムだった先輩は週五回のジム通いをつづけ、一年後には筋肉質で豊満な体つきに。 もっと男前になって、女子社員からちやほやされていたが、モテたいための肉体改造でなかったのか、恋愛には疎いまま。 「じゃあ、なんのためにマッチョに?」と首をひねって、会議で顔を合わせたとき聞いたところ「いやあ、じつは体が細かったとき、痴漢にあってさあ」と思いがけない返答。 「たびたび、触られるから、華奢で気弱そうに見えるのが原因かもしれないって考えて鍛えたんだよ」 「そういうこともあるのか」と驚きつつ「で?やっぱ痴漢にあわなくなりました?」と一応、聞けば「いやーそれがさあ」とこそこそと耳打ち。 「前より触られるようになって、今じゃあ毎日。 今日もズボン越しに指を突っこまれたよ」 またもや意外な答えに言葉をなくしているうちに会議がはじまり、詳しくは聞けずじまい。 会議の内容など、まるで頭にはいってこず「痴漢に効果がなかったのに、なんでまだ鍛えているんだ?」「ていうか、ほかに痴漢対策しないのか?」と考えこんでいて、ふと先輩を見やると、気のせいか、頬を染めてもじもじ。 「おしっこ?」と思うも、ぴんとくる。 痴漢された感触が忘れられないんだ!と。 この小説を含めて10作、10枚の挿絵つきのBL短編集を電子書籍で販売中。 販売ページのリンクは説明の下の方にあります。

ともだちにシェアしよう!