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第19話

そういいながら 腕を回してくる。 俺は 相手の背中に手を回したまま 低く言う。 「帰る時はさ」 1拍 「俺の家に帰っておいで」 相手の耳元。 「…そしたら元気出る?」 相手は少し黙ってから 俺の肩に額を預ける。 「出るに決まってる」 「だから行きたくなくなる…」 俺はその言葉に小さく笑う 夜はもうすぐ。 でもこの匂いは 仕事中も 相手の中に残る。 -帰る場所の匂いとして。 【完】

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