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第1話
昼休みの半分が過ぎた頃。食堂からは少しずつ人が減り、騒がしさが遠のいていく。康平はチキンカツ定食で満たされた腹を撫でながら、放課後のことを考えた。
(今日はほとんど全体練習って言ってたからな……。和月には先に帰っていてもらおうかな)
クラスメイトたちの二歩うしろを歩きながら、ジャケットからスマホを取り出す。トーク履歴の一番上、ピン留めされた名前をタップしたところで、後ろからポンと軽く背中を叩かれた。
「わっ」
振り向けば、我らが吹奏楽部の部長がポニーテールを揺らしてこちらを見上げている。
「中原先生インフルだって」
「え、マジ?」
「マジ」
定期演奏会前の大事な時期である。のほほんと優しい女性顧問の、申し訳なさそうな顔が脳裏に浮かぶ。
「松木先生も今日休みだから、部活無し」
「自主練も?」
「ダメだって。明日からは松木先生がいるから普通に部活していいって言ってた」
「わ~……、そっかぁ……。はやく元気になってくれるといいね……」
「ほんとにねぇ……」
部長も康平も、顧問を気遣う言葉を並べながら、どこか遠い目をしてしまう。部長も康平も、三年生だ。この定期演奏会を持ってして吹奏楽部引退となるわけで。
インフルエンザに罹って欠席だの、はたまた集団感染で定期演奏会中止だの、杞憂してしまうわけだ。
「とりあえず全体LINEで連絡するけど、見てない子もいるだろうから、誰かに会ったら声かけといて」
「わかった」
小走りで駆けてく部長を見送る。
前を歩いていたクラスメイトたちは、康平を置いてさっさと教室に戻っていったらしい。まったく白状なやつらである。
康平は手元のスマホで開いたままのトーク履歴を見る。少し迷ってから、画面を落とした。せっかくだから、LINEなんかじゃなくて、直接に会いに行ってしまおう。
一年生の教室は、食堂から一番遠い四階にある。一年時、遠さにうんざりしていた記憶を蘇らせながら、四階まで登っていく。肺活量に自身があるとはいえ、わずかに息が切れている。このまま教室に行くのはカッコがつかないから、階段を登り切ったところで、少し呼吸を整えた。
(よし)
寒い時期で良かった。汗もすぐに引いた。
階段から一番近い教室の、後ろ側の入り口から室内を覗く。入り口付近にいた男子が、襟元の学年章の色を二度見ししていた。
(わかる。突然一年の部屋に来る三年って怖いよね)
一人、心の中で頷きながら教室を見渡す。窓際の、一番後ろ。田舎の公立校ではそうそう見かけない、金色の頭がぼんやり窓の外を見ていた。
今日はよく晴れているから、色素の薄い髪がキラキラ反射して、康平が立っているのは教室の入り口だというのにまぶしさを覚える。うっすらと感じていた肌寒さはどこかへ行って、陽だまりの暖かさに包まれたような心地になった。
地毛が伸びて、プリンみたいになった頭を見ただけだというのに、これである。
大声を出すか迷って、近くにいた男子に声をかけた。
「和月、呼んでもらっていい?」
美味しそうなプリン頭を指さす。三年様に命じられてしまった男子は「ウス」と短く返事してから窓際に向かった。
呆けていたプリン頭がぼんやり男子を見る。それから男子が指さすほうを視線で追って、康平とバチリ、目が合った。気怠げで、眠たそうだった三白眼がみるみる大きく開いていく。それからのそりと席を立ち、大きな体でずんずんこちらに向かってきた。
「なんスか」
康平より十センチ上から、のそりと見下ろされる。背丈もあれば肩幅もあるから、康平はあっという間に和月の影に覆われた。
ぶっきらぼうな物言いで、三白眼は鋭いまま。唇もとんがらせて、見る人が見れば、康平はカツアゲに遭っているのだと勘違いされるかもしれない。しかし康平の目には、この大きな体の後ろで、ふさふさの尻尾がゆらゆら嬉しげに揺れているように映っていた。
康平が教室から離れるように退がれば、狼犬がのしのし着いてくる。どうにも可愛くて、なでくり回したい衝動を堪えていたつもりなのだが、ニヤついているのがバレてしまったらしい。
「……なに笑ってんスか」
低い声が、ご不満そうに落ちてきて、肩眉を器用に持ち上げた。
「ごめんごめん、可愛くて」
「かっ……!?」
目を見開いて、和月が背を逸らす。それから頬を微かに赤らめ、ム、と唇を尖らせたまま自分の首を掻いた。
「今日部活休みになってさ」
「え、そうなんスか」
「顧問がインフル罹っちゃって、副顧問も今日休みだったから部活禁止だって」
「康平さんは大丈夫スなんか、体調とか」
「俺は平気!」
「そうスか」
ふい、とそっぽを向いて腕を組まれた。ゆったりと右足に体重をかけて立つから、肩まで伸びた髪がさらりと後ろに流れていく。
「せっかくだし、今日うちに寄っていかない? と思って、お誘い」
そっぽを向いていた三白眼が、ぱちりと瞬く。
無いはずの尻尾が、一際大きく揺れた気がした。
「……ご、ご家族とか」
「今日は帰り遅いんじゃないかな。なんか用事あった?」
「や、無い、いけます、いきます」
「よかった、嬉しい」
仏頂面のままだが、和月のうしろには、ぱぁっ、と花が舞っているように見えた。なんらかのフィルターがかかりすぎているだろうか。どうにも、康平にはこのデカい男をこの世で一番可愛いものに見えているきらいがある。
「集合どうしよ、校門とかにする?」
「康平さんとこ迎えに行きますよ」
「教室に?」
「い、嫌スか」
迷うところではある。康平が和月を気に入っていることは、親しい面々には周知の事実だが、端から見ればどうしたってヤンキーにカツアゲされている図だ。悲しいかな、康平は童顔がコンプレックスである。幸い身長が低すぎないおかげで男に見られているが、女顔というか、フェイスラインが丸めというか、威厳がないというか。
学年章が無ければ、一年にも同級生と思われていたことだろう。
別に康平は、カツアゲ被害に遭っていると思われたとて気にしないのだが、意外に和月が気にするのだ。そのくせ、考えなしに迎えに来たがってくれる。
「……じゃあ、迎えに来てもらおうかな」
「ウス」
まあ、凹んでいたら凹んでいたら可愛いし。
「放課後。待ってるね」
いたずらに、和月の腹を指で突く。
薄いシャツの下には割れた腹筋が美しく息をしていて、柔肌に触れるみたいに優しく撫でれば、快楽にわななくのを知っている。
見上げれば、和月の唇がきゅっと一の字に結ばれていた。腹筋の線を指先で辿り、ゆるいベルトに指をひっかける。
「こ、こうへいさん」
か細い声が振ってきた。
「楽しみだね」
和月から指を離して、もうなにもしない、とアピールするみたいに両手の掌を晒す。
「じゃ、放課後」
首元に汗を滲ませた和月から逃げるように、階段のほうへと足を向けた。危ない。ミイラ取りがミイラになるところだった。
白い肌がじわじわと朱色に染まり上がる瞬間は、何度目にしたって情欲をそそられて仕方がない。和月の熱が移ったみたいに首元が熱くて、ネクタイを緩めながら階段を降りた。
* * *
突き上げたむちむちの大きな尻たぶを、ぺち、と叩く。たったそれだけで、真っ赤な双丘は健気に跳ねた。
「ぁ、あの、これ、はずかし……」
「いまさら」
枕に顔を埋めて、赤らんだ耳だけが康平に見えている。
後孔にはアナルビーズがずっぽりと埋まっていて、取っ手の輪っかだけが顔を出していた。
輪っかに指をかけてゆっくりと引き抜いてく。
「……ぉ゛ッ、……んッ、ぉ……っ」
濡れたビーズの直径は親指ほどある。引き抜くのに合わせて雄膣の縁がみちみちと広がって、一番太いところを通り過ぎればぐぽッと勢いよく押し出された。
「んぉ゛ッ!」
すっかり緩くなった縁は、ヒクつきながら次のビーズを覗かせる。
大きな異物が引き抜かれる感覚が排泄に似ていて苦手だと、和月が言っていた。そのわりに、和月の雄膣はまたビーズを生み出そうとしている。
どうするのだろう、と眺めながら大きな尻を手のひら全部で撫で回す。この大きな体はいつだって康平の言いなりだ。逆を言えば、康平が動かなければ果てることもできない。そういう体になってしまっている。
「ぁ、……ん、ぁの、こうへいさん……?」
低い声が、不安げにゆらいでいる。
親指で後孔を両側に広げる。むりゅ、と剥き出たアナルビーズが今度はひとりでに和月のナカから出てこようとしていた。
「あはっ、このまま出してごらん」
「ぁえ、じ、じぶんで、スか」
「うん」
抱きすぎたからだろうか。ずいぶん、もちりとしてしまった尻をつまむ。初めて抱いた日は、もっと引き締まっていた気がする。
「あン゛」
むに、とひとつまみするだけで、甘い声をあげてしまうのだ。
「できるよね」
小さく頷いて、髪が枕を擦る音がした。
ふる、と腰が揺れる。腹部に力を入れるためか、膝を畳んでうずくまる姿勢になった和月は、枕を抱きしめ健気にイキみはじめた。足先に力が入ってキュッと丸まる。
「ンッ……ふ、ぅ゛、ぐ、ぅ゛う゛ッ……、んっ、ぁ゛」
肌を真っ赤に染め上げながら、アナルビーズを排泄していく。後孔のぱんぱんに皺が広がって、ぽんっ、とまた一粒飛び出した。
「はァ゛ッ……! ンッ、ぁ……っ」
ひり出すことに感じているのか、上擦った声が部屋に響く。
「自分で出すの、気持ちよさそうだね」
「っ、ん……、きもちい、です……」
「もっと気持ちよくなろっか」
「? ……、はい……、っ、ん゛っ、ぅ」
ベッドボードの引き出しから電マを取り出す。先端にローションをたっぷり纏わせて、立派にいきり勃ち、だらだらとカウパーを零す和月の雄に押し当てた。
「~~~~ッぁ゛ン!?」
突然の刺激に和月の背中が勢いよく仰け反った。プリン色の髪の毛がぱらぱら散って、涙目で康平を振り返る。
「はっ、ぁっ、こうへいさんっ、ぁ゛、あっ、それ……、ンッ、ぁ、あッ!」
逃げようと尻が浮いていく。そうはさせまいと腰に手を押し当てた。電マが竿を強くあたり、ぱんぱんになった玉袋がべちべちと跳ねている。
「ぁ、あ゛、あっ、ああ゛っ! イく、イく、や、ぁあ゛ッ!」
張り詰めていた怒張は、あっという間に溜まった欲望を吐き出した。びゅるッびゅるるッ、と飛び出した精液がシーツに叩きつけられていく。
射精して、申し訳程度に萎んだ和月自身から電マを離すことはやめない。射精の最中でも押し当て続け、再び勃起させる。
「あぁあ゛ッ! ぃぐぅ! イぐっ! イ゛グッ! イぎました、ぁ゛ッ! ぁ゛あ゛ッ! ~~ッぉ゛、ンッ、ふっ、ぁ゛、あっあっ、あ゛っ!」
「ほら、続き出して。まだ残ってるよ? ちゃんとひり出さないと」
「ぁ゛、あ、や、ぅう゛~ッ、ぅ゛、ん゛っふ、ぁ゛、ああ゛っ、う゛!」
「ほらが~んばれっ、ちんちんイキしながら、出すのきもちいよ?」
根元から先端をなめ回すようにじっくりと辿っていく。
片手でペニスを支えながら裏筋に電マを押しつけた。それだけで和月自身は悦んで、ビュッと精液を飛び出させる。そのまま亀頭をまんべんなく刺激してやった。
「ねえ和月、出せないの?」
「……ッ、だします、だす、ぅ゛、んっ、……ほッ、ぉ゛ッ、~~ぉ゛お゛ッ! ふぅ゛う゛~ッ、ぅ゛、ぁ、ぉ゛、ン゛!」
掠れた声を枕でくぐもらせ、また後孔に力を入れ始める。濡れたアナルビーズが、また縁を広げていった。
「ぉ゛ッ、お゛ッ、ほッ、ぉ゛、オッ、おッ、ぉおッ! ぉ゛おんッ! …………ふーう゛ッ、ぅ゛、……んっ、ぁ゛、あッぉ゛、でる、でるッ……! んゥ゛ウ゛ッ! ほッ、ォ゛、ぅう゛っ、フーッ、ふーッ!」
腰を前後に揺らしながら、ひとつ、またひとつとひり出していく。一粒が飛び出る瞬間に射精してしまったときは、カクンッと尻を大きく跳ねさせた。
快楽で大きな尻が揺れるから、アナルビーズも尻尾みたいに揺れている。
「お、あと一個だよ!」
「ふ、ぁ……あ、ん゛っぅ゛う゛ッ!」
出し切るため、和月の体に力が入る。その瞬間を見計らって、ひり出したアナルビーズを一気にナカに戻した。
「!? ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ……!! ……ッ!!」
最奥まで届くビーズが和月の結腸をぐうっと押し上げる。びくんッびくんッと尻を痙攣させながら康平を振り返って、涙目の三白眼でキッと睨み付けてきた。
「なっ、ぁ゛……っ、康平さん……!」
普段康平には甘い表情しか見せないから、鋭い視線にまんまと心臓を射貫かれてしまう。
康平より体躯も良ければ力も強い男が、まんまと康平に体を明け渡す。それが何より気持ちよくてたまらない。無体を働かれたって、可愛い顔で睨み付けるくらいしかしてこないのだ。
「なぁに?」
良くないと分かっていながら、口角が上がっていくのを止められない。口元を隠しながら、片手間みたいにアナルビーズをじゅぼじゅぼ出し入れしてやれば、和月は慌てて枕に顔を埋めた。
「い、いじわる、じゃないスか……!」
「意地悪? だれが?」
「ぁ、ぅ、ッ康平さんしかいないです……!」
「どうして」
「どうしてって、あと一個だったのに、ぁ゛、っ、くぅン」
アナルビーズをゆっくりと引き抜いていく。後孔をくぱくぱと開閉させながら、和月は恍惚の声で泣いていた。
「ぉ゛、ぉお、お゛ッほ、ぉお゛ッ……!」
「俺は『出せないの?』って聞いただけじゃない」
今度は再びゆっくり奥まで押し込む。
「ぅ゛う゛ン゛ッ、んっ、ぐ、ぅ゛、ぅ゛う゛ッ!」
理不尽を言われて泣いている和月が、可哀想で、可愛くて仕方がない。
「心外だなぁ」
ニヤついてしまわないように気をつけたら、思っていたより低い音になってしまった。
なにかを感じ取ったのだろうか、和月は体を硬くして、怯えた顔で康平を振り向く。
「っ、ぁ゛、ごめんなさい、っ」
「なんで謝るの、そんなに意地悪してほしい?」
「ちが、ぁ゛、や、ごめんなさい、康平さっ、ぁ!」
「はぁい」
怯えて眉尻を下げる康平の尻を、なるべく優しく手のひらで撫でる。じっくりじっくり、熱を溜めるように手のひらで円を描いて、それからパァンッ! と勢いよく叩いた。
「ぃぉオ゛ッ!?」
精液を垂れ流しながら、震える尻たぶに朱色が広がっていく。
「そのままじっとしててね」
康平はベッドを降りて、クローゼットにしまっていたプレイ用のベルトを二つ取り出した。用途に覚えのある和月は、言われたとおりそのままの体勢で、枕をぎゅっと握りしめる。
怖いことをされてしまう。そんな顔をしているくせして、和月も期待しているのだ。だから康平も止められない。いや止まらなくていいと思っている。
ベルトの一つには、四つの輪っかが付いていた。腰と両足に巻き付け、両足の間にある小さな輪っかに電マを取り付ける。太ももに挟まれた電マは、玉袋を持ち上げ会陰にキスする。そのうえから、もう一度ローションを垂らした。
「んッ……、ぁ゛……」
これからどうなってしまうのか、想像しているのだろうか。枕が吸いきれなかった浅い呼吸の音が聞こえてくる。
「脚、きゅって閉じれる?」
「……っん」
言われるがまま脚を閉じるから、「いいこ」と褒めてやれば嬉しそうに足先がベッドを小さく叩く。はやく貪ってしまいたい衝動をぐっと堪え、もう一つのベルトで両足を一纏めにした。
これでもう、和月は逃げられない。
「もうひとつあるからね」
柔らかいプリン色の髪を撫でる。おそるおそる康平を見上げているから、愛おしくてこめかみにキスしてしまう。そうすれば、嬉しそうに口元を緩めているのが見えてしまった。
可愛い和月には悪いが、康平が用意している『もうひとつ』は、和月をさらに追い詰めるものだというのに。
ローションをガーゼに浸す。
どうせ洗うシーツだ。うつ伏せの和月に腰を浮かさせて、和月自身の下に敷いた。
「ひゃんっ!?」
重たいペニスがガーゼの上にぼとりと落ちる。瞬間、亀頭を濡れたガーゼの繊維で擦られて、和月は大きく体を跳ねさせた。
腕の力で逃げようとしているのに気づいて、康平は急いで和月の両足に跨がり腰を下ろす。それから尻を押さえつけ、電マの電源を入れた。
「~~~~ぉ゛お゛ッ、ぉ゛お゛お゛ぉ゛お゛お゛お゛ッ!?」
「すっごい声……♡」
まだ朱色の残る尻を両手で撫で回す。腹部に力が入ったのか、アナルビーズが一粒ぽんっと出てきた。取っ手を掴んで、勢いをつけながら引き抜く。先端が腹側の、前立腺を擦っていくように角度を変えながら激しくピストンしてやれば、空気を飲み込んでぶぼッ、ぶっ、と汚らしい音がする。
康平の下で、拘束されていない脚が暴れていた。
「ぅお゛、ッお゛! お゛ッ、い゛ぐッイ゛グッ! ぅ゛、~~ッぁ゛! あ゛っ、おっおっお゛ッ、ぁ゛、あ゛い゛ぐ、いぐい゛ぐい゛ぐい゛ぐ、ちんこごわ゛れ゛る゛ッ!!」
「ちんちん気持ちいいねぇ。腰へこへこしてるよ、自分で擦りつけちゃってるの?」
「ほッ、ぉ゛っ、ちがッ、ぁ゛、アッ、んぅ゛う゛う゛ッ! ひっ、ぁ゛、あ、がーぜ、おかしくな゛る゛っ、ぁ、あ゛っがーぜ、だめ、ちんこい゛っでるっ、ぉ゛オ゛ッ! ほッ、ぉおお゛ッ!」
「うんうん、おかしくなっちゃおうねぇ♡」
アナルビーズを半分だけ抜いて、先端でごりゅごりゅと抉る。和月は両手を上に伸ばし、汗だくの手でシーツを引っ掻いた。
「ぁ、あ゛ッうしろ、い゛ぐッい゛っでます、こぉへい゛さんっ! おれ、ッ、ふ、ぅ゛う゛うンッ! ぁ゛、ぁ゛、ぁ゛、アッ、アア゛ッ……! はっ、はーッ、ぁ、あ、あ、イぐ、ぃ゛、ぉ゛……!」
「うしろじゅぼじゅぼされるのも気持ちいいんだね、もっとシてあげるからねっ」
「んぅう゛う゛う゛ッ! ぁ゛、あ、じゅぼじゅぼ、しゅるの、ぎもちい゛っ、から……ッ! あの、っぁ゛、あッ、イぐ、ぁ゛、あ゛っ、へんな、へんに、へんっ、ゃ、イぎかた変で、っ!」
「イきかた変なの? どんな風に?」
ガーゼからペニスを逃がしたくて腰を浮かせて、イッた衝撃で結局は擦りつけてしまう。絶頂の悪循環で溺れながら、和月は一生懸命になって康平に説明していた。
健気な尻たぶを叩く。
「ァ゛おンッ!!」
撫でて、また叩く。やわらかい尻が、衝撃に合わせてぷるぷる揺れる。
「ぉ゛ッ、ぉ゛お゛ん゛ッ! お゛ッ! ほッ! ぉ゛、ぉ゛ッ!」
「イッてないで教えてよ、どんな風にイきかたおかしいの?」
「っ、た、たたくの、らめれす、……ッ! イ゛、イ゛ッちゃうから、ぃ゛ッ、ぉッ、ぉお゛お゛お゛ッ! ぉ゛、おねがいじましゅっ、ぉ、ほォ゛ッ! お゛ッ! おぉお゛ッ!!」
「仕方ないなぁ……」
お願いに応えて叩くのを止めてやる。代わりに尻全体を両手で撫でた。たまにわし掴んで、やわさを堪能するように揉み込む。動きに合わせてアナルビーズが尻尾みたいに揺れていた。
「それで? 教えて? 和月」
「おしり、じゅぼじゅぼされてっ、めしゅッ、めすい゛ぎ、してるのに、……っは、ぁ゛、まえも、ガーゼが、っぁ゛、あっ、あ! や、んぅ゛っ、いぐ、い゛ぐ、こし、とける゛っ!」
「腰とけちゃうの? いいよ」
腰がカクついてシーツとの間に隙間ができる。すかざず腕を差し込んで、ガーゼを掬った手で和月自身を握った。
「~~~~ッ!!」
亀頭をちゅこちゅことガーゼで撫で回す。裏筋をこすれば、逃げるように尻を突き上げた。
「お゛ッ、オ゛ッ、だめ、らめ、それ、ぁ゛、おッ、ほ、おッ、だめ、い゛ぐ、いっでる゛、あ、あ、こうへいしゃん、やだ、なでなでしないで、っは、ぁ゛、~~っあ゛、イ゛ッでる、イッでる、イ゛ぐの、あ゛、でてる、や、くる、くる、くる゛っ」
「うん、いっぱいイッて♡」
根元をきゅっと締め付けて、ガーゼの繊維で竿全体を扱きあげる。康平が跨がる脚に力が入って、ぴんと伸びたのが分かった。
「あ、いぐ、いぐっ、でる゛、ぅ゛~~~~~~ッ!!♡」
ガーゼが粘着性のない液体で濡れていく。しょろろろ、と小さな音を立てながら潮を噴いたらしかった。
「あは、おもらししてる……♡」
「ぁ゛、あ゛、ちが、あう゛……っ、ふ、ぅう゛っ……ッ」
ぐじゅ、と鼻を啜っている背中にキスをする。
とっくにぐちゃぐちゃになっていたシーツが、和月の『おもらし』でとりつかないほどびしょ濡れになっていた。
「おッ……、ほッ……、ぉ゛ッ、……ッ!」
全身を痙攣させる和月の大きな背中に、腹を沿わせながら寝そべる。
「気持ちよかった? かづき~……」
震える肩にキスしながら、二の腕を撫でる。
しかし和月からの返事はなかった。
「あれ? 和月?」
襟足をかき分け首筋を唇でくすぐってみる。やはり反応は無い。
「……気絶しちゃった?」
「……っ、ぉ゛ッ………………♡」
上体を起こし、枕に頬をつける顔を覗き込む。ぐしゃぐしゃになった顔面がかわいい。愛しの三白眼は、覗き込む康平を見つめ返してはくれなかった。
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