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第1話

最初は単なる自分の欲望を満たしたいが為に 探して見つけただけだった。 ちょっとの匂いの変化にも敏感な俺は 小さい頃からいきづらさを感じ 高校を卒業してすぐに リモートワークできる仕事に就いた。 それでも入社式というものはあるもので 色んな匂いが充満する電車を乗り継ぎ 具合が悪くなりそうになりがら 本社へ向かった日は昨日のようなことにも思える。 それから1年経った時、俺は不意にカフェに行きたくなった。 全面禁煙でオシャレなとこはないかと探してた時に そのお店を見つけた。 洒落た店内に落ち着きのあるBGMと 大人のかっこよさを持つオーナー それとオーナーが作る料理 匂いのこと気にせずゆっくり楽しめたと思う。 そんな日から数年経った今でも 俺は通い続けている お店は不定期だからこそ 行けた時の嬉しさは半端ない。

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