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第1話
1、Departure〈出航〉
さあ、海へ繰り出そう
夜中にハーバーに集合
ヨットの鍵は長期の出張に出かけた父親の机から失敬してきた。
ま、事後承諾だ。
仲間と仲間とその仲間
「昨日はおれ、興奮しちゃって、ねれなかったよ〜〜」
口をとんがらかして嬉しそうに話すのは、
彫刻家目指してるすんちゃん。
「おら、眠い」
と小さい目をさらにしょぼつかせてるのは、バイトが忙しいが口癖のまんぞう。
でっかい荷物の中はほとんど食料、を持って座り込んでるのは
スーコ。
細身の体で
クーラーを足元に挟み、
フラフラと船をのぞいてるのは
あーくん。
早速クーラーを開けたスーコに、うわ〜〜お酒だらけと笑われている。
その仲間とは離れて、やたらと角ばった眼鏡で夜の空を眺めている、
背が高くて少し猫背の葉ちゃん。
志奈子の知り合いのスーコから始まったらしい知り合いの知り合い達。
こんな海に縁もゆかりもない奴らを乗っけて、
出航するのは、
俺たちの船(正確には親父の持ち船)
ヨット 、ウェイブ(Waves)のクルーと俺と
ガールフレンドの志奈子
うーん全員で11人
結構、甲板狭いけど、夜だし星も綺麗だから、落ちない様にハーネスをラインで繋いで、
出航だな。
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