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第44話 不敵な微笑。(4)
「おかえりなさい、セシル」
レイズナーは相変わらずセシルの部屋に入り浸っていた。
「身体は大丈夫なのか」
「ええ、俺は大丈夫です」
大丈夫なわけがない。
士官候補生カインの拷問に合ってから、まだ三日しか経過していないのだ。
その上助け出されてから、セシルと抱き合い愛しあった。
結局我慢が出来なかったレイズナーは本当に動けなくなるまで激しく抱き合ったのだ。
「無理はすんなよ、レイズナー。お前には俺が出来ること全てマスターしてもらわなきゃいけないいけねぇんだから」
セシルはレイズナーの身体をポンポンと叩くと、その場で痛みのため固まったが、なんとか耐えて不敵に微笑を浮かべた。
「あんたのシャドウ(影武者)なんて無理でもしなきゃ、やってられないです」
その答えを聞いたセシルは、レイズナーの右目を隠しているストールを取り、傷跡に口付けをした。
「お前は俺の最高の弟分だと思ってるよ、レイズナー」
セシルもまた不敵な微笑を浮かべた。
彼にはこの表情がとても良く似合う。
やはりレイズナーの憧れたキャプテン・セシルはいつでもそうあってほしいと思ったのだった。
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