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短編
ひりひりひり。
気付いたら尻が痛くなっていた。
──???
あまりの痛さと違和感に恐る恐る尻を拭いてみたが、血はついてない。
……何かの病気? 痔? 明日には痛みは引くのだろうか??
「なぁ蒼 、今週どうすんの?」
「あー、妹が何か用があるみたいだから、実家帰るわ」
「そっか。じゃあまたな」
同室のヒロが二段ベッドの上から手を振り、そのまま二度寝モードに入った。
俺らは全寮制の高校生で、土日は実家に帰る奴が多い。
しかし、ヒロみたいに実家が遠すぎて家に帰れないヤツや、近くても部活や勉強の為に帰らないヤツもいる。
俺の実家は片道二時間半位だから、月に二回は帰っていた。
月曜日。
土日はなんの問題もなかった尻が、また痛みはじめた。
朝起きると、尻に違和感を感じるのだ。
トイレから戻り、首を捻っていると、ヒロが声をかけてくる。
「蒼、どうかしたのか?」
「んー……何か最近、尻が痛くて」
「尻?」
「まぁ、授業は受けられるレベルだから大丈夫。……なんだけど、病院行った方がいいのかなぁ……」
「見てやろうか?」
「んー、て、は? 尻だぞ?」
「見てやろうか?」
飄々と言うヒロにドン引きした。
「超遠慮しとく。流石にヒロに尻見せるとかねーわ」
「毎日風呂で裸見てる仲じゃん」
「それでも尻の穴だぞ?」
「ははっ、冗談だって。まぁ、男に人気の蒼の尻穴 なら見たいヤツはいそうだが」
「マジでそういう冗談ヤメロ」
「悪い悪い」
くっそ、人のコンプレックスを!
どうせお前みたいな男らしいヤツにはわかんねーだろうな!
ヒロは、所謂イケメンだ。
細マッチョで、顔付きも精悍な感じ。
対して俺は、造作は悪くないのに残念な方向でヤサメンだ。
髭とかとにかく毛が全体的に薄くて、マジで男性ホルモン足りてない気がする。
ヒロと殴り合いとかしたら、手加減されてもこっちが怪我しそうな位にひょろひょろだ。
めっちゃ飯 食ってんのに、胃下垂のせいで全く太れない。
食っても食っても出てく一方で、すげー燃費の悪い身体だ。
ダルい授業を受けて、バドミントンやって。
メシ食って、仲間と就寝時間ギリギリまで団欒室でテレビ見たり下世話な話で盛り上がって、部屋に戻る。
「おやすみー」
ヒロに挨拶して部屋の電気を消して、そうっと俺のエロ本 を ベッドの下から取り出そうと手を伸ばした時だ。
「蒼」
シャッと、ベッドカーテンを開けたヒロがそのまま俺のベッドに入ってきて、うつ伏せになった俺の足の上に座る。いやいや、男二人が入るには狭いって。
「ん? 何? ヒロ」
「尻見せろ」
「……は?」
ヒロは言うが早いか、俺の寝間着がわりのジャージをパンツごとずり下ろした。
「ちょちょちょヒロ! 何すんだよ!!」
俺は必死で、パンツを元に戻そうとジャージを両手で握る。
「尻、見せろって」
「っざけんな!!」
「ふざけてねーよ。きちんと見てやる。病気かもしんないだろ?」
ジトリ、とした目でヒロを見ると、ヒロは意外と真剣な顔をしていた。
「……本気か?」
「ああ。誰かに見て貰った方が安心だろ?」
「……それは、まあ……」
そうだけど。けど。でも。
「四つ這いになって」
どうやら、本気で心配されているらしい。
ヒロは、カーテンをシャッと閉める。
この部屋は俺達しかいないのにも関わらず、ベッドだけが切り離されたかの様に、カプセルホテルの様な空間が広がった。
エロ本 を見る為につけていた、枕の上に取り付けられた小さな電球だけが明るく光って、引きそうにないヒロの表情が照らされる。
俺が朝、あんな事を言い出さなければ……と気が遠くなりながらも、ため息をついて羞恥に震えながらヒロの言う通りに四つ這いになった。
直ぐ様ジャージとパンツが膝まで下げられ、俺の息子が頼りなく揺れる。
タマが冷たい空気に触れて縮まった。
良かった、オナってた時じゃなくて……!
俺の剥き出しの臀部を、そうっとヒロは触る。
「……何もなってなさそうだな」
「ん。尻は大丈夫、だと思う」
「じゃあやっぱり、穴か」
「ん」
カチ、と後ろで音がして、何だろうと振り向けば。
俺の尻をヒロは小型の懐中電灯で照らしながら見ていた。
「……っっ」
また怒鳴ってしまいそうになり、そんな自分の口を何とか枕に突っ込んで抑える。
暗くて良く見えないからか。どこまでも真面目なヤツだ!
俺は自分の羞恥心を追いやろうとして、ひょいと何気なく頭を丸めて足の間からヒロを見てしまった。
……ヒロよ、何故股間がもっこり!?
「……」
寮の仲間達で、たまーにAV鑑賞会という素晴らしい企画が持ち上がる。
団欒室のテレビで見るわけにはいかないから、誰かのちまっこいスマホ画面を凝視しながら皆でシコる訳だが。
そんな時、そう言えばヒロだけはスマホから一番遠くで抜いていた気がする。
随分と遠慮がちなヤツだなあ、なんて思ったもんだが、今にして思えばヒロはあまり熱心に画面を覗いていた気はしない。
……じゃあ、何見てシコってた??
「……あのさ、ヒロ。何ともなさそうだから、もう、良いよ」
「まだ中を見てない」
「いや! 本当に! 良いから!!」
焦る俺の肛門に、ぬちり、と音をたてて何かが挿入された。
え!? 何!?
軽くパニクる俺の耳に、ヒロが意を決したように言う。
「……俺の責任だから。しっかり見せて」
「はぁ?」
意味がよくわからない俺の顔の横に、ぬ、とヒロのスマホが置かれた。
「……?」
よくよく見てしまった時の、衝撃たるやいかに。
煌々と光る画面には、このベッドに仰向けで素っ裸 にされ、開脚した足の間のちんこを握られたまま眠る、自分の姿が写っていた。
「……な、んだよ、これ……っっ」
青ざめながら、何とか疑問を口にする。
え? 何これ??
俺は何も知らない……もしかして、フェイク画像ってやつ??
「……俺の、抜 き画像」
「はぁ!?」
ヒロは、苦しそうに言葉を吐き出す。
「俺は……蒼が好きなんだよ……。元々好みだったんだけど、四月から同室で、その時はまだ寝てるお前を見ながらシコる位で我慢してて」
尻に挿入された何かが、ずちっ! ずちっ! と出し入れされ、話に集中出来ない。
「で、五月は蒼を上半身裸にしても気付かれないって気付いたから、乳首舐めたりで我慢してて」
ヒロは手を伸ばしてスマホを操作し、両腕を脱がされたシャツに絡めとられて上にあげたまま、濡れた乳首を晒す俺の画像を見せる。
乳首舐めてた!? 我慢してそれ!?
「六月は、蒼が下半身脱がしても起きなかったから……」
そのまま画像をスライドさせ、動画を再生した。
画面の中では、俺が器用にヒロと思われる手によってTシャツが脱がされていく様子と、「んん……」とか言いながらぐーすか眠る様子、そしてしまいには、息子をしごかれながらはぁはぁ喘ぐ俺の様子が撮られている。
信じられないモノを見て、俺は固まっていた。
え? 今の何っ!?
最後、発射しそうになる直前で動画は止まったけど、その後どーなったんだ!?
てか、本人 の許可なくこういうのって良くないよな?
こういうのって、なんて言うんだっけ??
尻の穴に挿入されていたモノが抜かれ、俺はヒロに説明を求めようとしたが、俺が口を開く前に再びぐちゅ! と入れられてしまい。
「ひぅっ……!!」
変な声が出た。
先程より、太く感じるモノ。
それは、ローションを塗りたくられたバイブだったらしい。
「七月から、お前更に無防備な格好平気でするし」
そりゃそーだろ!!
暑いんだから、部屋の中で位ランニングに短パンでいてもおかしくないよな!?
「……その辺りから、フェラだけじゃ我慢出来なくなってきたから、丁寧にアナルを解していったんだけど」
フェラ!? いつフェラなんてしてた!?
てか、こいつ、男の逸物 咥えるの、抵抗ないわけ!?
ぐっち、ぐっち、ぐっち、とバイブを出し入れされて俺は悶える。
尻の穴が捲られるという未知の感覚を、俺は知らない筈なのに身体は勝手にびくびくと反応していた。
「ゃ、ゃめ……っっ、く、ぅ……っっ」
さっき、発射する寸前で動画が終わったのって、まさか。
『ふぅん♡♡ ぁあ♡♡』
変な喘ぎ声が聞こえて、そろりと薄目をあければ、ヒロのスマホの中では男が尻にバイブをピストンされて喜んでいた。
……俺じゃん(遠い目)
し、信じられねぇ!!
ここまでされて起きないとかあるか!?
確かに、実家の母からは「あんたは火事になっても絶対起きずにご臨終する」とか心配されてたけどさ!!
ここまで酷いと、本人が一番ショックだぞ!?
そんな俺の衝撃も知らず、身体を折り曲げられて足を足で抑えられた丸見えの尻穴に、じゅっぼ♡ じゅっぼ♡ とバイブを突っ込まれた男は媚びる様に腰を振って更なる快感をねだっている。
『んん♡♡ ふぅ、はぁん♡♡』
「最近では、こんなにアナルで感じる様になったから、そろそろ限界の限界がきて……俺はとうとう、この前の金曜日に蒼を犯したんだ」
ヒロが、スマホをスライドさせると、頬を上気させて『ふーっ♡♡ ふーっ♡♡』とふにゃちんを晒しながらぐったりした男がいた。
きっとヌかれた後なんだろう……って、起きろよ、俺!!
俺の願いも虚しく、左足をぐいと持ち上げられて、ローションまみれの俺のアナルにひたりと見慣れたアレが押し付けられた。
嘘だろ!? まさか……
目を見開いてスマホをガン見する俺の目の前で、俺の尻にズブ♡ ズブ♡ とめり込んでいく、ぶっといペニス。
『……ん♡ んん……っっ♡』
尻を掘られているにも関わらず、画面の中の俺は時折身体をびくつかせるだけで。
『……入った……全部、入ったよ、蒼……』
ボソリと、ヒロの感動したかの様な声がスマホから流れた。
その瞬間、ずぼっ! と後ろに刺さっていたものが抜かれて……
ズブン!!
「痛 っつ……!!」
「……狭 っ……」
俺の×××よりぶっといモノに、俺の肛門は貫かれた。
「おまっ!! 最っ低っだ!!」
『じゅぶ♡ じゅぶ♡♡ じゅっぽ♡ じゅっぽ♡♡』
ぐちゅっ♡♡ ぐちゅ♡♡ じゅぷっ♡♡ じゅぷっ♡♡
俺が犯される音を聞きながら、俺も現在進行形でアナルを犯されていた。
今や、俺の後孔に埋まって我が物顔で動いているのはバイブなどではなくヒロのちんこだ。
「俺が、最低、なのはわかって、る」
ギッシギッシと二人分の男の体重と行為を二段ベッドは受け止めて悲鳴をあげる。
部屋の鍵はかかっている筈だが、隣の奴らが今入ってきたら最悪だから、俺は大声で怒鳴りつける事すら儘ならない。
「なら抜けよぉっ……」
「……もう、蒼を二回犯した。今更抜いたところで、許される訳が、ない」
四つ這いでどこかに逃げようとしても、狭すぎて逃げられず。
ヒロには良い様に押さえつけられたまま、獣の様に後ろから尻を抉られる。悔しさか、虚しさか、いろんな感情が沸き上がってきて涙が滲んだ顔を枕に押し付けた。
じゅくっ♡♡ じゅぶ、じゅぶ、じゅっぽ♡♡
「好きだ……蒼……っっ」
ヒロは、俺のアナルに自分の肉棒を突っ込みながら、俺の息子まで優しく握る。
「さわ、るなぁ……っっ」
「いつもみたいに、イかせて、やるから……っっ」
いつも!? いつもってなんだ!!
そんな思いも、扱き出されれば快感に塗り潰されて。
「ひぅ♡ くっ……は、ぁ……っっ」
カリの弱い部分を的確にズリズリ♡ とされ、俺は腰を揺らした。
ヤバい、マジでこいつにイかされる……っっ!!
イくもんか、と無理やり我慢すれば、額には脂汗が滲み、尻にも力が入る。
「……蒼のケツマンコ、俺の、逃がしたくないって、すげー締め付けてくる……っっ」
勘違いをしたヒロが、嬉しそうにそう言って俺の首筋をペロリと舐めあげた。
「……っっ」
「また締まった。ちんちんもビンビンだし、発射して楽になれよ……」
ヒロの手コキが早くなり、俺は嫌でも昂らせられる。
ぐちゅ♡♡ ぐちゅ♡♡ ぐちゅ♡♡ ぐっちゅ♡♡
「くそっ! も、イっちゃ……!!」
感じたくないのに、射精感が一気にかけ上ってきてちんこに集中する。
「イけよ、俺の手で……っ」
「ぁ、イやだっ! イく、イくぅ……っっ!!」
俺は、大量の白濁液を、ヒロがいつの間にやら持っていたタオルにぶちまけた──
──それから、一時間後。
「イかせろよっ! も、辛っ……!!」
一度俺をイかせたヒロは、ひたすら俺を絶頂の寸前まで導いては止める、を繰り返してた。
何度も寸止めされた俺の顔は、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっている。
「イかせて欲しければ、俺の恋人になるって約束しろよ」
「……っっ友達は、やめない、からぁ……っっ」
「冗談だろ。蒼のケツマンコの具合を知りながら、手を出さないなんてもう無理だし」
「そんな、ヒロ、酷ぇ……っっ」
俺は、尻にローターを埋め込まれていた。
ブーン、と動くそれは、小さいから違和感がそこまでなく、痛さは皆無だ。
そして嫌な事に、ローターを気持ち良く感じ始めている俺がいる。
「イきたいだろ? 早く、約束しろ」
「……また、明日……っ!」
「明日になったら蒼は逃げる」
バレてる。
「早く。俺とシたいって。俺とスルの気持ち良いって、認めろよ」
「~~~っっ」
少し落ち着いたちんこを、再びしごかれた。
「ヒロぉっ……も、お願……っっ」
辛い。拘束されて自分では触れなくて、イかせて貰えなくて、狂いそう。
「駄目だ。約束が先」
「わ、かったよぉ……っ!する!約束するからぁ……っっ」
早くイかせろよっ……!!
ヒロが、後ろで笑った気配がした。
「蒼は俺のモノになる?」
「……な、る」
「じゃあ、今日から俺達は恋人同士だ。よろしくな」
言うなり、ヒロは俺のちんこをしごいて一気に高みへと昇らせた。
「ひゃぁ♡ ぁ♡ あ♡♡ ああ──っっ♡♡」
「蒼、可愛い。俺の蒼……」
やっと、やっと……どろりとした子種を撒き散らしながら、俺は絶頂を貪った。
「なぁ蒼、今週どうすんの?」
「あー……ヒロがいるなら、今週は帰らないけど」
「そっか。じゃあ……」
椅子に座っていたヒロは、俺に向かって両手を広げた。
裸の俺は、足を広げてヒロに跨がる。
ヒロも裸だから、勃起した二人のペニスがキスをした。
少し上下に動けば、擦れて気持ちイイ。
「プラグ抜くぞ?」
「ん」
俺の尻に手を回したヒロは、尻からひょこんと出たアナルプラグの取手を引っ張り、ぐぷぐぷとプラグをゆっくり抜いていく。
「んん……♡」
ヒロとキスをしながら、尻の壁がごりごりと押される余韻に浸った。ひくりひくりと後孔が動くのを感じる。
「気持ち良い?」
「うん♡」
「蒼、可愛い。じゃあ少し尻 浮かせて」
ヒロに毎日犯され、完全にメス化された俺は、従順に従う。
これから訪れる快楽への期待に、俺の息子もギンギンに勃っていた。
ぐちゅ……♡♡
「んぁ♡」
「蒼が腰下ろして」
「ん♡」
ふー♡、ふー♡、と息を吐きながら、ヒロのちんこを俺のアナルに埋めていく。
ヒロが俺の両足を抱えあげて、俺の尻はヒロのを完全に頬張った。
「蒼……」
ヒロが微笑しながら、ゆっくりと俺を犯す。
俺はうっとりとしながら、それを享受した。
尻の痛みは、もうない。
毎日じっくりと、ヒロの舌と指と肉棒に触診をされる肛門は、きゅう、とヒロに抱き付いたのだった。
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