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55. 番外編 【7】 後日譚

そして後日譚になるのだが、シファはおもむろに告白した。 「実はさっき嘘をついていました。酔っていました」 「やっぱり、な。変だと思っていたんだよ」 「どう変だと思ったんですか?」 「なんとなく、ふにゃふにゃしているし、陽気だなーと思って」 「へぇー、そうですか」 シファは顎に手を当てて、自分の言動を振り返る。 「自分ではとくに気付きませんでしたけど……」 「で、でも。アルコールの匂いも味もしなかった。なぜだ?」 「お酒じゃないけど、酔える飲み物があるんですよ。“カヴァ”というコショウの木の根っこを乾燥させて水で溶いたもので」 「知らなかった……」 「酔えるけど、あまりおいしいとは云えない代物ですよ」 味を思い出してか、シファは苦い表情を浮かべた。 余程不味かったのだろう。 「近々、神事を行うので酒を断たなければならないのですが、お酒じゃないからセーフだということになって試しに呑んでみようということになって、ワイワイ妹たちと酒盛りをしていたわけです」 お酒じゃなくても酔えるシロモノだからアウトなんじゃないのか……。 いずれ法の抜け道をかい潜ってわるいことをしそうな兄妹だなと思った。 「人によっては呑んでいるうちに慣れるものって聞きます。全然そんなことなかったんですけど。何杯も呑んでいたら、急に足元がふらつく感覚がして驚きました」 面白そう、呑んでみたいとせがまれて部屋から持ってきて貰った。 リヴェラの私室の応接セットにふたりは腰を下ろし、テーブルに置いたココナツツの実でできた器にカヴァの粉と水差しの水を入れてマドラーで掻き混ぜてみたら灰や泥みたいな色の液体が出来上がった。 見るからに美味しそうではない。 だが、好奇心には抗えずに思い切って手を延ばすと 「……あっ……!」 注いでもらったものを取ろうとしたところで、器を手に取りシファが口をつけて横取りしたかと思うとリヴェラに口づける。 「……ン、ンッ……」 頤を持ち上げられて、口移しで生ぬるい液体が流れ込んでくる。 戸惑いながらも受け入れ、ごくりと、喉を鳴らして嚥下する。 唇と舌が痺れる感覚がある。喉の奥が灼けるような熱さを感じる。 「どうですか、カヴァの味は?」 「……本当だ、あんまりおいしくない。苦い青臭いコーヒーとかコショウみたいな味がする」 でも、少ししか口にしていないから分からないかも。 そう思っていると、ふたたびシファがリヴェラの口へとカヴァを口移しする。 「……ン、ンん……」 唇を少し離してシファが問い掛ける。 「もっと、呑みたいですか?」 リヴェラは頬を紅潮させながらコクコク頷く。 吞ませながら素直な反応に気をよくして腰を引き寄せ、リヴェラの方も背中に腕を回して身を寄せ合い、抱き合う。 流し込まれる液体のほろ苦さを感じつつ、貪るように繰り返される口づけ。 シファはキスの合間にカヴァを口に含み何度もリヴェラに口移しするという具合で、ふたりともただキスがしたい人になっている。 ごくごくと呑み干しながらリヴェラの口の端から液体が零れて伝い落ちる。 はぁ……とシファから身体を離し、息をつく。 フワフワする。頭が回んない。 すっかりできあがってしまい、ふにゃ、とおぼつかない。緩慢な動きになってしまう。 「リヴェラ様はお酒があまり強くないのですね」 「……ん、……あんまり」 呂律が回らくなって、頬が熱くなって気が付いたら服を脱がされていた。 ちょうど身体が熱くなっていたからよかったという程度の認識しかなく、これから何をされるのだろうという考えには至っていなかった。 あれぇ、何で俺がシファの上に載っているんだっけ……? ぼんやりとしたまま状況がよく飲み込めない。 「あ……」 いつの間にか騎乗位になっていた。 ところどころ記憶が抜けて曖昧になっている。 上から跨ったままシファの胸をぺたぺた触って確かめる。 火照った自分の体温よりも低いシファの身体は冷たくて気持ちがいい。 挿入して止まったままでいる。 シファは仰向けで見上げながらリヴェラの頬をツ……と撫で上げる。 ぞわぞわとした感覚がして、ぎゅっと眼を閉じて「ひゃっ、……」と思わず声を上げる。 おそらくシラフの状態では頼みにくい体位を酩酊して判断力が鈍る今。 混乱に乗じてやらせて、押し切ってしまおうという思惑なのだろう。 そんなこととは気付かずにリヴェラはぼんやりとしたまま虚空を見つめる。 おずおずと自分から腰を落として後孔にシファの勃起したモノを挿し入れてみたものの、その先がどうだっただろうと思い出せない。 「自分から動いてみてください」 「……えっ?」 「腰を前後にクラインドさせてみるだけだから簡単ですよ」 シファは簡単に云うけど、簡単じゃない。 ちょっとでも揺らして動こうものなら、容赦なく繋がった部分が刺激される。 びくん、びくんと痙攣するリヴェラに対して両手を繋いでアシストしてくれる。 「……む、むりぃ」 情けなく悲鳴を上げそうになる。 リヴェラが自分から動くことができないので、代わりにシファが仰向けに寝た体勢で強く腰を動かす。 下から突き上げられ、あらぬ処を刺激させられて身を竦める。 がくがくと揺さぶられ、ゴツゴツと奥の方で抉られる。 ぼんやりとリヴェラは思う。 酩酊状態になってえっちするのは初めてなのかな……。 「~~~~~~~~~~~~~~~~~」 「ふふっ、きもちですよね。リヴェラ様はいつもの状態と酔った状態のときの方と、どちらがきもちいいですか……?」 それまで、ぼんやりとしていた頭でいたのにシファの言葉が引き金になって急に意識が覚醒してしまう。酔いが一気に醒めた瞬間だった。 最中に訊かれて、リヴェラはカッと頬を赤らめる。 「だから、何でそこで訊いてくるんだよ________________________!!」

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