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第24話 すれ違ってんのか?
エストレヤに触れたいという煩悩を振り払うこと三日。
キスや噛み痕はかなり薄くなったが、まだ確認できていた。
どんだけ色濃く残してんだよ。
早くエストレヤを抱きてぇ。
ってその前に婚約について真面目に話さなきゃいけねぇよな。
最近のエストレヤは俺と違って爽やかだな。
歩く姿もトコトコと軽快だし…。
向かいから俺を見つけて笑顔になる表情に欲情して、隣を歩く時には香りに興奮する、後ろ姿を目撃すれば尻に目がいき悶々とさせられる。
もう、抱いて良いですか?
これ以上我慢したらエストレヤを部屋から出せなくなる。
いいか…出さなくても…俺だけのエストレヤだ。
他の奴に渡すなんてあり得ない、そうなればエストレヤを誘拐…。
そんなことはしたくない。
頼む、俺を捨てないでくれ。
「グラキアス様?」
今日も俺の醜さを知らないエストレヤは幸せそうに微笑む。
エストレヤには笑ってて欲しいんだけどな…。
抱きしめてこの不安を消して欲しいが、抱きしめたら性欲が爆発する。
俺が楽になるか、エストレヤが寝不足でベッドから動けなくなるか…。
「ん?どうした?」
「…ぅんん」
もしかして、顔に出てたか?
エロい顔か、誘拐犯の顔か…。
「…エストレヤ…今日真面目な話がある。」
「えっ…」
「…それだけだ。」
わざわざ言う必要はなかったかもしれない。
毎日一緒にいて、話す時間もある。
だけど…真剣な話をする為の覚悟なのか、それだけ言って俺は教室に逃げた。
午後の授業はずっと緊張していた。
教師の言葉は全く耳に入って来ず、この授業はこんなにも長かったか?と何度も時計を確認していた。
普段ならなんとも思わないのに、今日は何時間も受けているように長かった。
漸く終わり焦る思いで身支度をしていると、今日に限って教師から呼び出された。
「グラキアス、魔物討伐の時に見せた魔法は以前から使えたのですか?」
あぁ、確か以前のグラキアスは火が使えなかったはず。
それでか…面倒だな。
「いや、以前のことを言われてもわかりません。まだ、記憶戻ってないんで。」
「…そうでしたね。では、記憶を失っても魔法は問題なく使えたんですか?」
俺を心配しているというより、興味だろうな。
この男はそんな表情をしていた。
「多少は練習しましたが、基本は使えましたね。」
正直に答える気はなかった。
それよりも早くエストレヤの所に行きたかった。
「…そうですが…基本…属性は何でしたっけ?」
「氷と雷だったと思います。」
「他には?」
「だけだと…」
「炎の剣については?」
それはめっちゃ練習しました。
「あぁ、火も使えます。」
「それはいつからですか?」
途端に目付きが変わり距離も縮まった。
興奮してんの?
「記憶を失ってからですかね。」
「それは突然?」
興奮してるね。
「はい。」
「では、出来なくなったことはありますか?」
鼻息荒くない?
「何が出来たのか覚えてないのでわかりません。」
「そうですか…一度調べ見ませんか?」
調べません。
「それって必要ですか?」
「知っておくべきですね。」
あんたが知りたいんだろ?
勘弁してくれ。
「なら、個人的に調べておきます。」
「…私も一緒に…」
「いや、俺のタイミングでしたいんで。」
「…報告ください。」
勘弁してくれ。
「………。」
「教師として就職や魔法省への推薦の為です。」
俺、記憶失っても公爵家なんですけど。
「あぁ、魔法省とかに行くつもりはないんで。」
「…そうですか。」
そうです。
「はい…もういいっすか?」
「待ちなさい、生徒会の方から貴方に復帰して貰えないかと要望が来ています。」
それこそ面倒。
「それは…記憶戻ってないんで…。」
「普段していた物に触れることで脳が刺激され思い出す可能性もありますし…。」
思い出す気がないんで大丈夫です。
「足手まといになるだけじゃないですか?」
「彼らはそんな事を思いません。彼らが貴方の生徒会復帰を望んでいるんですから。」
「…安易に期待持たせたくないんで。」
「どうしてもですか?」
「はい。」
「…そうですか…」
「…はい」
いい加減諦めてくれ。
余計なことに時間を取られ、俺はエストレヤの元へ急いだ。
教室には既に居らず、部屋へ向かった。
俺の部屋に入り何処探しても人の気配がなかった。
「エストレヤの部屋か?」
急いで部屋を出てエストレヤの部屋を目指した。
どんどんどん
きっと、俺がいないのに俺の部屋に入るのに躊躇いがあったのだろう…。
頼む、居てくれ…焦るあまりノックを力強くやり過ぎてしまった。
開いてくれ。
がちゃ
ゆっくりと扉が開いた。
良かった、居た。
なんだか表情が暗いな…体調でも悪いのか?
「…部屋…入っていいか?」
「…んっ」
エストレヤは、静かに頷いた。
なんだその間…どうしたんだ?
「エストレヤ…体調悪いのか?」
俺が手を伸ばすと、避けられた。
「エストレヤ?」
「話が有るんですよね?ソファにどうぞ。」
「あっあぁ」
昼休みに有った時とは違うな。
こんな時にするべきじゃないのかもな。
ソファに座るも婚約については次回にすべきかと悩んだ。
「グラキアス様…僕は何を言われても大丈夫です。」
「エストレヤ?」
「僕は…平気です。」
「…エストレヤは俺の事どう思ってる?」
自分で言っていおきながらなんか違う意味で聞こえるのは気のせいか?
「僕はグラキアス様の決断に従います。」
なんだよ決断って…。
「エストレヤッ、俺はお前の気持ちが聞きてぇんだ。」
「…僕はっ僕…はグラキアス様の…迷惑にはなりたくないです。」
「なんだよ迷惑って…。」
「…グラキアス様に…別の相手がいるなら…。」
「別の相手?俺がいつそんなこと言った?」
「………」
「エストレヤ、俺の事どう思ってる?」
「……僕…は…グラキアス様…が…すっき…です。」
…良かった…んだよな?
なんだ?不安が消えねぇ。
「あぁ、それから?」
「ぇ?」
「婚約は?エストレヤはどうなんだ?」
「婚約者…なりったい…僕はグラキアス様の…婚約者になりたいです。」
………。
「そうか…エストレヤ、俺をエストレヤの婚約者にしてくれないか?」
「…っ…ぁっ…」
「ダメか?」
「ぼ、僕で…いいの?」
「エストレヤ以外考えてねぇよ。」
「…ぅっ…ぅっ…」
「エストレヤ…エストレヤの口からはっきりと聞きたいんだ。俺と婚約してくれるか?」
「…はいっ婚やぐ…しまっす…ぅ゛…」
エストレヤは泣き出していた。
立ち上がり対面に座るエストレヤまで移動し、抱きしめた。
「良かった…。」
「んふぇ?」
「断られるかもって考えたら不安だった。」
「グッグラキエス様…が?」
「当たり前だろ。」
落ち着かせるためなのか俺が安心したいのかわからないが、エストレヤを確りと抱きしめ頭を撫でた。
俺の胸で泣きまくるエストレヤが落ち着くまで、腕の中で存在を確かめ続けた。
「エストレヤ、きっとイグニス家にも婚約の話が伝わる頃だと思う…。」
「えっ?」
「次の連休には挨拶に行く予定だ…エストレヤの気持ちを聞く前に動いちまった。」
「そう…だったの?」
「あぁ、エストレヤは親に俺の事伝えたか?」
「…まだ…」
「やっぱりな…俺だけ先走って、エストレヤに婚約したくないって言われるんじゃないかって不安だった。」
「そんなことない…婚約したいです。」
先程とは違い、力強く俺の目を見て宣言してくれた。
やべぇ…嬉しい。
「良かった…すげぇ、怖かったんだ。」
「グラキアス様が?」
「あぁ、エストレヤの事になるとすげぇ不安になるんだよ。」
「…なら、どうして…最近…してくれなかったの?」
「ん?エストレヤの身体キスと噛み痕だらけでヤりすぎだなって思ってよ、それに歩くのも辛そうだったからな…ずっと我慢してたんだよ。」
「そうなの?…僕は…てっきりグラキアス様に…。」
「俺に?」
「飽きられたと…。」
「はぁ゛。飽きる程全くしてねぇよ、全然もの足りねぇ…。」
「…そうなの?」
「あ゛ぁ。」
「今は?…我慢…してる?」
「すげぇ我慢してる…おかしくなりそう…。」
「…もぅ…我慢…しなくてぃぃよっ」
恥ずかしそうに顔を俺の胸に埋めて小さな声で囁いた。
なぁ?今なんて?
我慢しなくていいって…俺の幻聴?
我慢しすぎておかしくなった?
「…ふっ、エストレヤそれ、わかってる?今までおかしくなる程我慢したんだ、明日は歩けなくなるぞ?」
「…んっ、僕も…したっ……あむっんっんんっんふぅんんっんはぁっんんふぅんんっぁっんんん」
限界突破。
奪うように唇を重ねれば俺の制服をぎゅっと掴みながら必死に応えようとするエストレヤが可愛すぎる。
止まらない。
「エストレヤの部屋ですんの始めてだよな?興奮しすぎてやめらんねぇかも。」
「…ぃぃよ」
「明日ベッドから出られねぇかもよ?」
「…んっ…それでも、欲しいっ。」
初めてエストレヤから求められた。
先程のキスとは違い、慈しむようにエストレヤの唇に触れた。
このままソファに押し倒すことはせず、優しく抱き上げベッドまで移動し丁寧にベッドに下ろし座らせた。
頬を撫で、眠る姫に神聖な口付けをするように唇を重ねた。
焦らすようにゆっくりと制服を開いていく。
全てをはだけさせ、エストレヤの素肌に辿り着いた。
「んっ…」
「どうした?」
「…あ…あんまり…みないで。」
「それは出来ないな…エストレヤの身体は俺のもんだ…ちゃぁんと確認しないとなっ」
余裕見せて喋ってるが内心は唇を離したくない、その可愛らしい胸に無しゃぶりつきたい。吸って噛んで俺の痕を残しまくりたい。
何時間でも舐めていたい…俺の頭はそんなことで一杯なんだよ。
「…んっ…」
俺が過去につけたエストレヤの身体の痕を指で辿る。
「この噛み痕は…まだ痛いか?」
「ぅんん、平気。」
「そうか…今日は…優しくする。」
婚約の申し込みに行くのにキスや噛み痕だらけだと俺もだが、エストレヤも相応しくないなんて言われそうだよな…。
見えないところに…無理だ一度付けたら我慢的ない。
折角エストレヤから許されたのに痕が付けられないなんて…。
だが婚約の申し込みの一日を過ぎるまでは…はぁはぁはぁはぁはぁ。
今日はなんの痕を残さないよう耐えろ。
以前付けたキスや噛み痕に軽く音を立てキスを落とした。
ズボンもパンツも全て取り払い、床に落とす。
「エストレヤ…綺麗だ。」
身体を見ただけで興奮が高まる。
「んっんやぁん…なんだか今日のキス…擽ったいよ。」
痕を残さないように耐えている男に…煽ってんのか?
落ち着け暴れるな俺…深呼吸…深呼吸。
「…ふぅぅぅぅぅ…いつもの方が好きか?」
「…両方好きっ。」
エストレヤが悪いよな。
「エストレヤは俺を誘惑するのがうまいな。」
「ぇえ?」
エストレヤへのキスを続けた。
感じているというより、本当に擽ったそうに身を捩っていた。
「くふぅんっんっ」
「可愛い声だな。」
エストレヤの全身を清めるようにキスを贈った。
足の甲にもキスを贈る。
ちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっ。
エストレヤの全身を今までにないくらい、俺でも知らないような様り方で慈しんだ。
丁寧に丁寧に丁寧に丁寧に丁寧に丁寧に丁寧に丁寧に丁寧に丁寧に丁寧に。
「グラキアスさま…もう…欲しいよ…。」
…エストレヤに強請られるのはいいな…。
だが限界まで我慢した男に「欲しい」なんて言えばどうなるか…。
まだ解してないエストレヤの中に入りてぇが…出来ねぇよっ。
くっそ。
「ふぅんっんやぁんんっん」
エストレヤの可愛い声で犯したくなるものの、指三本入るまでは無理してはいけない。
「香油はあるか?」
「んっ、棚に…。」
「あれか。」
香油を手にし、蓋を開けると俺のとは違う僅かに甘い香りがした。
エストレヤはいつもこれ付けてたんだな。
適量を手に取り尻に流し込んでいく。
身体の中からエストレヤの香りにさせるように指で塗り込む。
身を捩りながら従順に俺の愛撫を受け入れる。
エストレヤの後頭部を支えながら、優しく寝かせベッドに沈ませた。
「…もう…くれる?」
切羽詰まったように欲しがるエストレヤの表情は究極に妖艶で俺を欲情させる。
「あぁ、エストレヤのだ。」
俺が入るのに合わせてエストレヤは息を吸い、受け入れる際「んぁっ」と声が漏れるも、必死に俺にしがみついてくる。
エストレヤの反応を一つも見逃さないよう視線を逸らさなかった。
入った直後エストレヤは眉間に皺を寄せ、馴染んだ中を進むと息を吐き、ある場所に触れると焦点の合わない目が天井を見つめていた。
「エストレヤ…エストレヤ…エストレヤ」
何度呼んでも俺の声に反応はなく、俺の下半身にだけ敏感に反応するエストレヤを俺に夢中にさせたかった。
「…ぁんっ…なんでっ…」
俺が動きを止めたことで抗議の声が上がった、エストレヤは漸く俺を見た。
唇を奪い俺から視線を離すことを許さず、目線を合わせたまま動き出せば口の中で「ぁっんっんっ」と響いたが全て俺が飲み込んだ。
何度も何度もエストレヤを奪った。
優しく丁寧にエストレヤの全てを俺のものにした。
エストレヤが気絶しても抱き続け、何度も放ってしまった。
気絶する瞬間もエストレヤは、俺を離さず「もっと」と耳元で囁いていたのが悪い。
気絶した時もぎゅっと俺をしめ付け離さなかった。
「エストレヤ…愛してる…愛してる…愛してる…。」
気絶しているエストレヤには聞こえてないだろう。
それでもいい。
起きてる時にも言えばいいだけ。
ただ、エストレヤに聞こえてなくても俺が言いたかった。
壊れたように「愛してる」と言い続けた。
エストレヤとの繋がりは解きたくなかったが離れた…。
抱きしめ、くるんとエストレヤを抱き上げながら、俺の上で寝かせた。
苦しいかもしれないが、離れたくなかった。
抱き締めて眠るエストレヤの重みが心地よく気持ちいい。
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