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第153話 結果
二人で風呂に入ってから、久しぶりに食堂へ向かった。
既に公爵夫妻が揃い、エストレヤを先に座らせてから俺も座った。
「では食事を始めようか。」
父さんの言葉で食事が始まった。
俺達が部屋に籠っている間に何通か手紙が着ていたらしいく、お茶会の招待等は欠席の返事を送ってくれていた。
エストレヤの体を考え「暫くは安静にしてなさい」との優しい言葉を頂くも両親がいつも以上に笑みを浮かべていた。
「そういえば子が出来たかどうかはどのくらいで分かるもんなんですか?」
「二・三日すると体調に変化が現れる、変化が出たら出産までは無理な運動をさせてはいけない。」
父さんからエッチはするなよ、と釘を刺されてしまった。
出産まで…。
出産までどのくらいかかるんだよ…。
十月十日か?
そんなにエッチ出来なくなんのかよ…。
「…出産てどのくらい…」
「そんな落ち込むな、約一週間から二週間だ。そのぐらいは我慢しなさい。」
エストレヤを抱きたいってのが顔に出ていたらしい。
一週間から二週間…めっちゃ短い。
予想とだいぶ違った。
…いや十ヶ月から約二週間に減ったけど…それでも長いな…。
「我慢…出来ない…」
「アティ…」
俺を慰めるように名前を呼ぶエストレヤ。
今が食事中…親の前…席が遠くなければキスしてたな。
「アティラン、そんな物欲しげな顔をするな。」
え?…俺そんなに顔に出てた?
「エストレヤの身体に触れらんねぇなんて三日も無理。」
「ぁっアティイ」
慌てたように、顔を真っ赤にさせたエストレヤがいた。
婚約者…じゃねぇ結婚したんだ。
エストレヤは義理の両親の前で性事情について発言をされた事に恥ずかしがっていた。
「アティラン、可愛くて仕方がないのかもしれないけどエストレヤ様の事も考えて発言しなさい。」
初めて母さんに注意された。
食事を終えれば、談話室に誘われた。
なんでも二人きりだとエストレヤ様の体力が心配だからと…。
母さんに考えを読まれ阻止され、ソファにいつものように座ることさえ許されなかった。
俺達は隣に座り手を繋いでいた。
「二、三日の間、お腹に注意する事。あまり付加をかけるのは控えること。向き合う姿勢で座るのも念のため止めておきなさい。」
俺達の関係に注意したのではなく、お腹の子を思っての事だった。
エストレヤが力強く手を握ってきたので、確認すると苦しそうな表情をしていた。
「エストレヤどうしたっ」
「んっん…ぉ…お腹…が…はっんんぁっ」
「まさかっ」
俺はエストレヤの肩を抱きながら両親に助けを求めた。
「まさかっ妊娠したのか?早すぎる…」
公爵も驚いていた。
先程も変化は二、三日後と言っていた。
「アティラン、魔法液を飲んで反応が出始めたのはどのくらい?」
こういう時は女の人…母さんのが冷静だった。
「飲んで一分もしないで印が現れた」
「…そんなにすぐ…もしかして、印が光ったのも早かったんじゃ?」
「光ったのは…飲んですぐ…五分十分くらいだったか?」
「……それならこの状態も頷ける。」
母さんは一人納得していた。
「エストレヤは妊娠してるのか?」
「あぁ。印が光だすというのは身体が子を生める状態になったことを表す。大抵はそこに行くまでかなり時間がかかるものなんだ。一日二日やそれ以上…」
「ぁんんっんふぅんんっん」
エッチな声をあげながら苦しみだすエストレヤ。
「アティラン、エストレヤ様をベッドに運びなさい。」
「はい」
横抱きに抱え、急ぎつつあまり揺れないようにエストレヤを部屋まで運びベッドに下ろした。
「アティラン、エストレヤ様を後ろから抱き締める態勢で座るんだ。」
「はい」
俺は母さんに言われるがまま動いた。
「エストレヤ様を寄りかからせながら、印が有った場所に少しずつ魔力を流すの。少しずつだよ少しずつ。」
「はい」
俺はエストレヤに優しく触れ下腹部に手を当て、少しの魔力を注ぎ込んだ。
「んっんんんっんっんんん…ん…ん……」
魔力を流し始めた時のエストレヤは呼吸が荒かったが、次第に落ち着きだした。
「落ち着いてきたみたいだね。」
エストレヤは深呼吸を繰り返していた。
「お腹の子はきっと魔力が高いんだ。成長する為にエストレヤ様の魔力を吸い付くそうとしていたんだ。」
「それって…」
「深刻になることじゃない、魔力の差がある者同士だと良くある事。毎日魔力を流し続ければ良いだけ。流す量はエストレヤ様が感覚で分かるはず。食欲と似ていてお腹すいたなぁとか、もうお腹一杯だなぁって感じかな。」
「…エストレヤ?」
「ん~」
「どうだ?」
「んっ、なんか変な感覚。お腹一杯になるのに、すぐにお腹空いちゃうの。」
「それは、お腹の子が魔力を勢い良く吸収しているってことだよ。」
母さんが答えたくれた。
「そうなんですね…アティ、もうちょっと欲しい。」
「あぁ」
エッチじゃないお強請りにも全力で応えてやりたい。
「んっんふぅん」
エストレヤは気持ち良さそうにしながら、俺の手に手を重ねた。
暫くの間魔力を流し続けた。
次第にエストレヤの身体が暖かくなり、眠りについていた。
「もう大丈夫そうだね。アティラン、もう平気だ。魔力は充分だ。」
「……は…ぃ」
多少不安が残るものの、母さんに言われ魔力を流すのを止めた。
「魔力の流れが激し過ぎて眠ってしまったんだ。今は休ませてあげなさい。」
「…はぃ」
エストレヤをベッドに寝かせ、頭を撫でた。
「アティランとエストレヤ様は相性は良いが、魔力の差が激しいようだね。常にエストレヤ様の魔力が空にならないようにすること。たまに突然一気に魔力を奪われることがある。側に旦那がいない時は応急処置として他の者が魔力を与えることもあるが、相性が悪いと体調を悪くしてしまう。父親と母親二人の魔力の子だから他の者の魔力は受け付けないのだろ。魔力の血筋であれば多少は緩和されるようだが、出来ることなら出産まで旦那が側にいて魔力を与え続けることだ。」
「はい」
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