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第20話
キヨがニコニコと前のライブで知り合ったイケメンくんの話をする。すると、露骨にハルが不機嫌になってきた。
「なんか、そいつお前に近づき過ぎて気持ち悪くね?絶対下心あるだろう。」
俺が聞いていても、イケメンくんはキヨに一定以上の好意があるのが明らかだ。ただ、キヨは極度に自信がないため、自分を好きになる人なんかいないと思っているのか、こう続けた。
「下心なんてありませんよ。男同士ですし。それを言うなら晴彦さんは、ファンの人と関係持ちすぎですよ。」
キヨのど正論にハルは黙ってしまう。キヨは鈍感でハルからのわかりやすい好意にも全く気づいていない。そんなキヨが危なっかしくて俺は釘を刺す。
「まぁ、キヨはちょっと危機感足りないからな。気をつけろよ。」
納得してないという顔をするキヨをみて、そういうところだよと思う。これ以上この話を続けると、ハルがもっと不機嫌になりそうなので酒を呑ませて潰してやった。いつも通り、潰れたハルを連れて帰ろうとすると、ある妙案が浮かんだ。他の男と仲良くなっただけで、そんなに嫉妬してしまうのだ。なら自分のものにしてしまえ。と、思いハルをキヨに預けることにした。キヨは仕事があるからなど適当な理由をつけると引き受けてくれた。でも、俺を待っていたのは、酷い現実だった。2人の関係が全く、変わらないのを見て俺はハルがキヨに何もしなかったことを悟った。キヨとハルが付き合えば、俺はハルへの思いを諦めれる。楽になりたいと思った俺への罰なのだらう。ハルにとってキヨがどれほど大切か思い知らされて、自分との差に絶望するだけだった。
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