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第12話

ガチャリ 玄関の扉を開けると捨てられた子犬みたいな顔をしたヒロが立っていた。 頬には赤い紅葉型がくっきりとある。 「うわ、痛そう。入れよ。」 俺が促すとヒロは無言で入る。 浮気して振られたくせにこんなに傷つくなんて身勝手な男だ。 そんな男を慰めようとしてる自分に嫌気がさす。 もう意味はないかもしれないが何もしないよりはと、氷嚢に氷をつめる。 「はい。これで冷やしな。」 いつまでも玄関にいるヒロに氷嚢を持って行った。 突然、ヒロが俺を抱きしめる。 ヒロの腕に包まれた瞬間、俺の中のシマさんはいなくなってしまった。 俺はいつもより低い体温のヒロに自分の熱を移すみたいに口付ける。 ヒロは俺の口付けにこたえて、口を開く。 舌でヒロの頬の内側を舐める。 少し血の味がした。 口の中も切れてしまったんだ。 痛みにヒロが眉をよせる。 そんな光景が嫌で、傷にあたらないようにヒロの舌に自分の舌を絡める。 俺だけをみて。 セフレなのに我儘な独占欲が溢れる。 はじめは俺に好きなままにされていたヒロが俺の舌先を吸う。 キスは激しさを増していく。 「あ、ん、は」 どちらのものとも分からない唾液が口の周りを濡らす。 ヒロより背の低い俺は全ての唾液を受け止めるから苦しい。 でもヒロに求めらているだけで酸欠の脳はもっととキスをねだる。 ヒロの手が腰にまわされる。 溶けた俺の頭はヒロに体を擦り寄せる。 俺達はなだれ込むようにベットへ向かった。

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