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第1話 甘く躾て愛して

 俺は今日、初めて愛するΩの身体を触る。 「ねえ。それ、くれよ」  |市東《しとう》が俺を見つめる目は紅い兎のような目をしている。愛情に飢えた子兎に蓋をしてやる。  ン……と唇を塞ぎ、腰に手を廻す。華奢な腰周りを鼻で笑ったのが不服だったのか、市東はむすっとした顔で俺を一睨みする。すっげえ顔。目、細くして。弓なりの眉を吊り上げて、狐みたいに不服そうな|表情《かお》  ──まじ、興奮する。そういうのすげぇそそる。  俺は市東の上唇を食み、後頭部を抱える。壁に背をもたれている市東を見下ろして離さない。 「んぐっ……ふっ……息、できなっ」 「いいから今は黙っとけ」  市東の虚弱な抵抗を押さえ込み、再び壁に押し付ける。市東はむぐぐ、と唸るような声を出して俺にされるがままになっている。  クッソかわいいな。こいつ。 「おい。勃ってんぞ」 「っう」  俺の指摘に市東は耳まで真っ赤にさせた。熟れて今にも弾けんばかりの垂れた苺のように。 「しょうがねえなー。今回だけ、特別な」 「あっ」  ずる、と布擦れとともに市東のボクサーを下ろす。べち、と硬さを保った竿が俺の頬に当たる。面白いのでぺちぺちと俺の頬に当てていると、頭上から屈辱的な声を市東が洩らした。  ははっ。すっげえ眺めいいわ。市東のコレ、喉奥で締めたらどんな反応すんだろ。いつもは大人しくて無表情の奴なのに、俺の前ではいつも素直に感じてくれる。そんな市東をからかうのが俺の愛情表現のひとつだ。  羞恥と期待の狭間にいる市東を悦ばせてやるために、俺は竿の先端に舌を絡める。ちゅ、ちゅくと舌先でカリの部分を弄ると市東の腰がぴくぴくと震え出すのが見えた。ニヤけるのが止まらない。俺は市東の竿の部分を下から舐め上げ、先端に吸い付き、ちろちろと舐める。2つの双果の裏にも舌を這わせ、ゆっくりと頬に含む。するとそれがひくん、と口内で跳ねた。見上げれば、市東は今にも崩れ落ちそうなくらい頭上でとろけていた。  声を抑えるために口に左腕を押し付けて、右手は太ももの隣に置いて、物欲しそうに俺の手のひらを奪う。ぎゅっと力強く握られ、笑いが込み上げてきてしまった。いじらしくて仕方がないので、ご褒美に恋人繋ぎにしてやる。すると市東は紅い顔をさらに染め上げて、声にならない声を出した。  にこ、と微笑んでから市東のものにしゃぶりつく。奥まで咥えて、先端まで引き出す。その動きをゆっくり数度しただけなのに、市東のものからはしょっぱい我慢汁がとめどなく溢れてくる。  はは。こいつ興奮してんのか。 「う、ぐぅっ……く……」  上では馬鹿みたいに喘ぎまくる市東。  やっべえ俺も勃ってきた。早くヤリてえが少し我慢だ。  『待て』を市東に覚えさせなくてはならない。  激しい粘着質な水音を立てて俺は市東を限界まで追い立てる。カリの裏筋から先端を舌で行ったり来たりする。これは俺がやられて気持ちい部位だ。  こいつも随分と感じてるみたいだし。  市東のものを口内に咥える。ずぷ、にゅく、と口内の唾液を使って竿を出し入れすると 「ぁあ"っっっダメっ……ぎもぢっ……ぁぁあ……ゔゔっ」  獣みたいに腰を震わせる市東と目が合った。俺の口まんこが余程イイらしい。 「おら|射《だ》せよ」  鈴口を執拗に熱い舌で舐め、手で竿をぐちゅぐちゅと往復してやれば、自ら腰を振り俺の口内を暴れまくる市東の分身のかわいさと言ったら言葉にできない。 「あ""あっイグっ……ゔゔ……|射《で》るゔっ」  びゅーっ、びゅっ、と市東が俺の口内に射精した。びくんびくんと身体を震わせて足をガクガクとさせる。  俺は最後の1滴さえも啜る勢いで市東のものを吸った。市東に見せつけるように口の中を見せる。市東はゴクリと喉を鳴らして俺を見下ろした。  俺はそのまま、口を閉ざしてぐちゅ、ぐちゃ、もちゅもぎゅ、と市東の精液を口内で味わった。臭みがなかったので。  A5ランクΩの肉は柔らかくて甘みが強い。 「ごちそうさま」  と俺が唇を無骨に拭いて膝立ちの姿勢から立ち上がれば、市東はへにゃへにゃとその場に崩れ落ちそうになるのでその身体を抱き寄せてやる。  きっと今、頭がくらくらとしてひよこが舞っているに違いない惚けた表情にさらに愛おしさが込み上げてきて、市東の艶のある黒髪をくしゃりと撫でた。  なんか黒猫みてえ。  俺にしか懐かない黒猫のような孤高のΩ。上質なA5ランクΩの肉は、αの俺をどうしようもなくやみつきにさせる。まだまだ愛し足りない市東の後頭部をぽんぽんと優しく撫でてから、旧教室棟から出て午後の授業に戻る。その足取りは軽く、決して人に見られてはいけないとわかっているのに、むしろ見せびらかしたい承認欲求が尽きなかった。  俺のΩは、今が食べ頃で旬なのだと。

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