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第17話

待ち合わせの10分前に着いてしまった。 昔から変わらない癖だ。 店の前で立ち止まって ガラスに映る自分を見る。 特別な服を着てきた訳じゃない。 それでも少しだけ、いつもより整えた。 -何を期待しているんだ スマホをポケットに戻した、その時だった。 「早いな」 聞きなれた声。 振り向くと、彼が立っている。 「お前こそ」 そう返しながら 視線を合わせるのに一瞬だけ迷った。 昼の光の下で見る彼は 同窓会の夜よりも、ずっと現実味があった。 気取っていない服装。 自然な距離。

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