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第35話

それから 少しずつ増えた。 仕事終わりに 駅前で落ち合って なんでもない店に入る。 彼が選ぶ日もあれば 自分が提案する日もある。 帰り道 「次、どこ行く?」と聞かれて 考えるのが嫌じゃなくなっていた。 気づけば 写真を撮る前に 彼の方を見るようになっている。 ただ ひとりでいるより楽だった。 それだけの理由で 次の約束を 断らなくなっていった。

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