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6話 2度目の再会は急展開
「待って、いきなり……っ」
「やーだ、待たない。玖音 、いい匂いするし、シャワーも浴び終わってるんでしょ?」
「うっ……そう、だけど……っ」
休日の昼下がり。鹿内の引っ越しも終わって、今日が再会の日。僕の家までやってきた彼を部屋に上げたのがつい先ほど。久しぶりだしまずは話でもと思っていたのだが、腕を引かれてあっという間にベッドに押し倒された。
「すぐ寝室に案内してくれたから、もういいのかなって」
「1Kなんだからしょうがな、んっ……ふぅ……♡」
唇を塞がれ、数ヶ月ぶりの深い口づけ。動画で鹿内の唇を見るたび、何度思い出して触れたくなったかわからない。柔らかくて熱くて、すごく気持ちいい。口の中を舐め回す舌の感触と、耳に届く濡れた音が彼とキスしていることを実感させてきて、えっちな気分になる。
とろとろと思考が溶かされ始めていると、鹿内の手が服の中に入ってきた。
「ぁっ……ほんとに、もうする?」
「うん、シたい。正直……玖音の顔見た瞬間からもう、こんなになっちゃった」
鹿内が僕の手を取って、自分の股間に触れさせる。少し硬くなってズボンを押し上げるモノがなんなのか理解して、僕の頬はさらに熱くなった。思わず手のひらですり、と撫でると、彼がビクッと跳ねる。
「は、もう……玖音ってばやらしー。俺のチンポほしくなってくれた?」
くすくすと笑いながらからかう鹿内の頬も上気していて、すごく色っぽくていやらしい。その顔を見たらもうほかのことは考えられなくなって、僕はゆっくり頷いた。話なんてヤったあとでもできる。今はそんなことより、彼が僕に欲情してくれていることが嬉しくてたまらなくて、それに応えたい。
「ほしい……ずっと、鹿内のこと、ほしかった……♡」
「うん……俺もほしかったよ、玖音。俺のものになって……?」
こくこくと頷くと、嬉しそうに笑った鹿内が服を脱がせてきた。下着まで脱がされて、生まれたままの姿でベッドの上に仰向けになる。彼は自分の服もあっという間に脱いで、引き締まった身体が露わになった。彼の身体を見るのは高校のとき以来で、そのときは上半身しか見たことがなかったけど、今の方が引き締まっていて筋肉もついている気がする。
彼の色香にやられてドキドキと高鳴る胸に、鹿内の手が触れた。正確には、乳首に。
「動画でさ、触ってほしそうに硬くなってるのに、きみが触れてあげないから……かわいそうだと思ってたんだよね。俺が可愛がってもいい?」
「い、いちいち聞かなくてもいいだろ……」
「やだ、聞きたい。玖音の口から、聞きたいんだ。いい?」
息がかかるほど乳首の近くに唇を寄せ、上目遣いで僕を見上げた。もう片方の乳首にも、触れそうで触れない距離に手を置いて。
「す、好きに……して」
「うん♡ いーっぱい可愛がってあげる♡」
片方の胸の突起が鹿内の口内に包まれる。もう片方もすりすりと指の腹で撫でられ、くすぐったい。乳首が性感帯だとは聞いたことあるけど、自分で触ったときも特に気持ちいいとは感じなかった。彼が楽しそうだから満足するまでさせてあげよう、そう思い、少しむずむずする感触から気を紛らわせるように僕は口を開く。
「ところでさ……っ」
「んー?」
「名前、なんで……んっ。僕のこと、オタクくんじゃなくて、名前で呼ぶんだ……?」
昨日まではメッセージすら小宅くんと書いていたのに、今日部屋に上げてからずっと名前で呼ぶから気になっていた。流されて聞くタイミングを失っていた疑問を、ようやく口にする。
れろれろと楽しそうに乳首を舌で転がしながら、鹿内が微笑む。
「んー、ほんとはずっと呼びたかったんだよね。でも、名前で呼んじゃうともっと会いたくなっちゃうから。自制の意味も込めてオタクくんって呼んでたんだ」
鹿内の言葉で、僕は100回目の動画を思い出す。射精前、声には出ていなかったけど、口の動きはたしかに、僕の名前を紡いでいた。
「最後の動画は、名前呼んでた……ぁ、っ♡」
「え、声に出てた? 本社に戻れるから、浮かれて気が緩んじゃったんだよね……もっと前に口にしてたら、約束破って会いに行ってたかも」
「声、は……んっ♡ 出てなかったけど、口の動きで……、ふ、ぁ……っ♡」
指で乳首をこねられて腰がむずむずする。意識をそらすように僕は切なげに僕の名前を呼んだ鹿内の顔を思い出す。鮮明に思い出せるのは、その顔を思い出して何度も自慰に耽ったから。
もう会えることが確定していたから、動画で名前を呼ばれたことがただ嬉しかった。だけど、もっと前に呼ばれていたら会いたくてたまらなくなっていただろう。正直、一度だけヤって捨てられるとはもう考えていなかった。だけど、一度会ってしまえば会えない寂しさが何倍にもなっていたはずだ。鹿内の自制心に感謝しかない。
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