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25.支えたい人
夜寝る前に伊吹さんと電話をした時に、俺が大我くんに付き合っている事を打ち明けた報告をしたら、伊吹さんは怒っていた。
俺にじゃなくて大我くんになんだけど、自分も伝え方が悪かったなと反省した。
『あいつまた変な事言ってんのかよ!尚輝くんも相手にするなって!俺はタイガーとは関わるつもりもないし、予約入ったとしてもNG出すつもりだから』
「でも、大我くんに黙ってられなくて……あの、どうしてNGを出すんですか?」
『はぁ?そんなの尚輝くんの為に決まってるだろ!俺の事を好きって言ってる奴と会うのとか嫌じゃないのかよ?しかも自分の友達!』
「そりゃ、モヤモヤはしますけど、伊吹さんは仕事と割り切ってやってるので、そこは信用してます」
『うっ!可愛い事言うね~。はぁ、尚輝くんがどんな人なのかはもう知ってるからあまり言いたくないけど、タイガーにはもう少し強気でいってもいいんじゃねぇの?』
「はい、ごめんなさい」
『……いや、ちょっとキツイ事言い過ぎたわ。俺もごめん』
「伊吹さんは悪くないですっ」
『それならさ、一回俺がタイガーに言ってやろうか?お前とはもう関わりませんって。尚輝くんとは仲が悪くならないようにするよ』
「いえ、それでは伊吹さんに迷惑を掛けてしまいます。伊吹さんは今まで通りでいて下さい」
大我くんが勘違いした時に、俺がちゃんと言うべきだったんだ。
それなのに俺は大我くんに嫌われるのを恐れてそのままにしてしまった。
悪いのは伊吹さんでも大我くんでもない。
全部俺が悪いんだ。
『尚輝くん?大丈夫か?』
「はい、大丈夫です。話は変わるのですが、メッセージでも話した通り父が伊吹さんに会いたがってるんです。伊吹さんのタイミングの良い時でいいので時間を作ってくれませんか?嫌なら無理にとは言いませんから、言って下さいね」
『あー、お父さんに話したんだっけ?尚輝くんは凄いね。俺は親には言えないかな~』
「そうですか。男同士ですから無理もありませんよね」
『んー、て言うか親とあんま仲良くないって言うか……特に父親とは大人になってから話すらしてない。たまに母さんが何か送って来てくれるけど、連絡は取ってないんだ』
「そうだったんですね、その話は聞いても良いんですか?」
『別に平気〜、尚輝くんにならって思える。ちなみに俺がここのマンションを借りる時に保証人になってくれたのうちの店長なんだ。ほら俺って今安定した収入ないじゃん?職業も店の内勤扱いにしてくれて協力してくれたんだよね』
「店長さんって、前に電話くれた方ですか?とても人柄の良さそうな方でした」
『多分そう!店長は本当俺に良くしてくれるんだ。あんな風に一生懸命フォローしてくれるし、俺を喜ばせようと毎回美味しいお菓子買って来てくれるしな♪』
話を聞いていて、伊吹さんの事が少し知れた気がして嬉しかった。
ご両親と不仲なのは心配だけど、ちゃんと見ててくれる人が側にいるのなら良かった。
これから俺も伊吹さんの支えになれるだろうか。
きっと今のままではダメだ。
伊吹さんを怒らせてるようじゃ恋人失格だ。
もっとしっかりしなきゃ!
俺はやっぱり大我くんにはちゃんと言おうと心に決めた。
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