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第1話

隣国との戦に敗北したフェーリア王国。 国王の首は討ち取られ、残された王族の者は奴隷という身分にまで落とされた。 というのも、この国の王族は皆綺麗な顔立ちをしていて殺すには勿体ないと勝戦国の国王が言ったからだ。 そして今日奴隷落ちした王族達が出ることになっているオークションが開催される。 オークション会場には奴隷落ち王族見たさにいつも倍以上人が集まっていた。 その会場の裏には薄暗い空間に檻がズラッと並んでおり、奴隷たちがすし詰めになっていた。王族たちも例外ではない。 他の奴隷がこれから自分の身に起きるであろうことを想像して絶望しているのに対して、彼らは自分の立場が未だにわかっていないのか、それとも王族だというプライドが残っているのか凛としていてその表情はとても奴隷だとは思えなかった。 奴隷になって日が浅くちゃんとした調教をされていないというのも理由の一つだろう。 なぜかというと、自分の手で調教したいと思っている貴族が多いからだ。 オークションが始まり、どんどん奴隷がせり落とされて行き檻の中が徐々に空いていく。 そしてとうとう彼らの番になった。 待ち焦がれた目玉商品の登場に会場の熱気が高まる。 最初に檻から出されたのは、王妃でそのあとに側室、第一王子、第二王子と続けて連れていかれた。 皆、連れていかれる際最後の足掻きをみせ暴れたが、抵抗虚しく思いっきり殴られそのままステージに上げられた。 容姿がよく王族ということも相まってそれなりの値段で買われていく。 そしてオークション最後の売りモノは王族内で最も美しく淫妖と巷で言われている第三王子、メルヴィン・カーライル。

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