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第2話 君と出会えた時の話
名前も知らない君と出会ったのは駅のホームでだった。
今思えばあの場所、時間で出会えたから運命たとおもった。
飛び降りようとしていたきみが。
「おいっ!お前飛び降りるな。君が抱えているのが何か分からないけど聞くだけならできる。支える。どうか思い止まってくれないか?」
「貴方に言ったってしょうがない。でも話聞いてくれますか?」
そういった君は儚くて消えそうな声で言った。
寂しそうな瞳で俺を見た。
「こんな所じゃなんだから違うところ行こうか。」
「何で名前も知らない僕のためにしてくれるんですか?」
「それはね。俺もそういうことがあったから分かるんだ。今はまだ話せないけど。あっ、君の名前聞いてなかったね。俺は柊真琴。よろしくね。」
「そうだったんですね。僕は斎藤勇樹です。よろしくお願いいたします。」
「そんなかしこまんなくていいよ。こう見えて30歳だけどって…」
「ははっ。真琴さん可愛いですね。」
「可愛くないよ。勇樹の方が何倍も可愛い。包み込みたくなっちゃうからね。って変態みたいだね。笑顔でいなね。
「はいっ。話なんですけど今はちょっと出来ないです。ごめんなさい。」
「いいんだよ。できるときで勇樹ができるときに。」
これが僕らの出会いだった。
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