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短編
精神幼げ王子×状態異常耐性持ち従者
※淫魔の体質によりすぐにエロ突入。
※後天的男ふたなり有。
※男性妊娠有。
※快楽堕ち?
※両想い。
※攻めがモブと軽い性接触有。
モワワワ~ン♡
という効果音が似合う、フェロモンムンムンな空気が俺に纏わりつく。
『ねぇ、サロフェ…?』
色気をこれでもかという程に振り撒くこの方は第二王子であるバセルファ王子。
「はぁん…バセルファ様素敵…♡」
「バセルファ王子の魅力には誰も敵わないですぅ…♡」
「ああっ、バセルファ様ぁ…♡お顔を拝見するだけで股が濡れて来ちゃいます…っ♡」
バセルファ王子の身の回りを世話するメイド達が顔を真っ赤にして目を潤ませているのには訳がある。
魅了魔法。
淫魔を祖先に持つ王族なら力の差はあれど誰でも扱える。
だがその中でも一際強く魅了魔法が発現したバセルファ王子はなんと淫魔に先祖還りしているのだという。
魅了魔法と言えば悪い意味に捉えてしまうかも知れないし、勿論悪い意味に使う者が多いせいで良い印象は持たれていないのだが、何もただ異性や同性を強制的に魅了するのではなく、ほんのり匂わせれば好かれやすくなるという使い方もある為、外交では大いに役に立っていた。
さすがに昨今では魔封じの場を用意されてしまったが、先祖還りしたバセルファ王子には効かない可能性があり、外交を重要視しているこの国ではかなり期待されているのだそう。
それもそのはず、バセルファ王子の魅了は厳密には魔法ではなく、パッシブスキル。
つまり、発動するつもりは無くとも無意識に垂れ流してしまう為、魔法封じは効かない。
という事は昔から誰彼構わず魅了してしまうパッシブスキルにはかなり苦労されている…かと思いきや、甘やかされ放題で…。
『ねぇサロフェ、遊ぼ?僕、サロフェと遊びたいなぁ…♡』
「ほらサロフェ!!王子がお前をご所望だ!!くうう…羨ま…けしからん!!!何故王子はこんなヤツを構いたがるんだ…私を相手に選んで頂ければ天にも昇る心地だろう…」
王子の教育係(厳格で知られている)までも虜にしたバセルファ王子には勉強は退屈なもので、度々こうして抜け出したがるのだ。
…抜け出すというより堂々と正面からサボっているのは頭が痛い問題だ。
『サロフェ、早く♡』
「はぁ…分かりましたよ」
ぐいぐいと手を引っ張られ、仕方なくついていく。
王族の魅了魔法にすぐメロメロにならないように王族に関わる者達は魅了耐性を付ける事が必須なのだが、バセルファ王子の強力な魅了には魅了魔法持ちの王族ですら掛かってしまうのだという。
『サロフェ、今日こそ気持ち良い事しようよ…♡』
「お断り致します」
『なんで?皆僕と気持ち良い事するの大好きなのにサロフェだけだよ、断るの』
淫魔に先祖還りをしたバセルファ王子には貞操概念は無く、性行為は楽しくて気持ち良い遊びだという認識。
不幸中の幸いだったのは妊娠させる気にならないと寝た相手が妊娠しないという事。
子供の頃から女性男性問わず寝室で致している為、もし妊娠させていたなら今頃何十人、何百人が子供を産んでいるだろうか…。
性を司る淫魔が祖先なだけあって精子を操る位訳はないらしい。
『サロフェだったら妊娠させてあげても良いよ?』
「絶対嫌です」
『めちゃくちゃ孕ませてあげるのに?』
「絶対絶対絶対嫌です」
『僕の子供沢山産ませてあげるって言ったのに断るなんて信じられないよ!』
むしろこっちが信じられないのですが?
淫魔には男も女も関係無く孕ませられる能力があるのかと背筋がゾワゾワとする。
好きな時に好きな数子供を作れる能力は王家にとって喉から手が出る程欲しい力だろうから、バセルファ王子の力は外国には極秘である。
『お父様もお母様も気に入った子がいたら子供沢山作って良いのよって僕に言ってくれたし、それなら作ろうかなって思ったのに』
「絶対止めて下さい。孕まされる位なら俺逃げますからね」
『ええ~!!じゃあセックスだけで良いから遊ぼうよぉ』
「嫌です」
『なんでサロフェは僕の魅了効かないのぉ!』
視界いっぱいに魅了魔法のモヤモヤが広がる。
「ゲホッ!ゲホッ!!」
『…む~…ま、いっかぁ♡僕にメロメロになったらその時に沢山沢山気持ち良い事すれば良いもんね♡』
「諦めて頂ければ幸いなのですが?」
『諦めるってなぁに?ふふふっ♡』
俺の事が気に入ったのはきっと自分が無意識に垂れ流す魅了魔法に掛からないから、だと思う。
俺のスキルは状態異常耐性・大。
つまり、バセルファ王子の魅了スキルも効かないのだ。
毒だって勿論効かない為、毒味役にはもってこいだ(舌が一瞬ピリッとしたら毒だと分かる)。
バセルファ王子を恐れる何者か(多分第一王子の派閥)が王子を亡き者にしようと毒を盛る事はしばしばなので、俺はなかなか王子の従者をやめる事が出来ない。
この城にはスカウトされてやってきた。
第二王子の毒味役が相次いで亡くなるという痛ましい事件が起こった為、毒耐性を持つ者の従者が必要になり、どうせなら王子の魅了に掛からない状態異常耐性を持つ者がいれば良いなという所にそこそこ名の売れた冒険者として活動していた俺の状態異常耐性・大に目をつけられたという訳だ。
普段から貴族相手の依頼も多少は請け負っていた為、敬語や立ち振舞い、そして戦闘能力も加味されて、これ程適任となる者は他にいないと半ば無理やりに近い形でバセルファ王子の従者にされたのだ。
『サロフェ、ちゅーして』
「申し訳ありませんがキスもお断りしております」
『キス位良いじゃんケチケチケチ!!』
「おや?そこにいるのは誰かな」
取り巻きをつれた第一王子が歩いて来る。
優しそうな表情を浮かべているが、先祖還りした第二王子に王の座を取られる可能性がかなり高く、内心は穏やかではないはずだ。
『あ♡御兄様♡』
「バセルファとサロフェだったんだね。元気そうで何より」
第一王子であるダクトリト様も第二王子の魅了が効かない数少ない人間だ。
ダクトリト様も魅了の力が強い為、王位は確実とされていた所に産まれたのが先祖還りしたバセルファ王子というのだから人気も人望もかっさらわれてさぞ憎らしい事だろう…。
「サロフェ、少しお話があるんだけど」
『やだやだやだ!僕を除け者にして内緒話なんてズルい!』
「じゃあここで話そうか。サロフェ、私の所に来ないか?君なら今より厚待遇を約束するよ」
その言葉にバセルファ王子が目を見開いた。
「今は、まだ考えられません」
「そう?じゃあまた次の機会に話そうか。弟のワガママに付き合わせてすまないね」
「いえ」
『む~』
ダクトリト様とそのご一行が去った後、バセルファ王子が俺に抱き着いて魅了のフェロモンをこれでもかと撒き散らした。
『サロフェ、御兄様の所に行っちゃやだ…!』
「ゲホッ!ゲホッ!ゲホッ!!」
『御兄様の所に行かないって約束して』
「ゲホッ!ォエホッ!!フェロ…ウッ、おさめ…ゲホッ!!」
『約束して!』
第一王子が俺を引き抜こうとしているからか、バセルファ王子は俺を縛り付けようとこうして毎日魅了を振り撒き続けていると言うわけだ。
おかげで魅了を排出する為の咳が酷くなる一方で困る。
「お"、おう"じ…ゲボッ、ゥエ"ホッ…ぐる"じ…」
『………サロフェのばか』
フェロモンが通常の量に収まり、ようやく咳地獄から解放された。
状態異常耐性・大といえど強すぎる状態異常へのレジストにはそれなりの反動があるので困る。
こういう時、無効だったら悩まされずに済むんだがと思わずにはいられない。
『サロフェ、帰る』
「…はぁはぁ…はい、わかりました…」
不機嫌になったバセルファ王子が帰って来たと知り、王子に魅了されたメイド達にギッと睨まれてしまったが、どうせこの後はバセルファ王子とめちゃくちゃセックス出来るんだろうし、睨まれる筋合いはない。
バセルファ王子は幼い感じの言動が目立つが、俺より背が高いれっきとした大人の体格だ。
年齢は15歳ではあるが色気のせいか見た目だけは大人の男である。
『サロフェ、ベッド…行こ?』
見た目だけは極上である王子に色気ムンムンで誘われて、行かないという選択肢は俺にはしっかりとある。
「お断り致します」
『なんで!僕、相手の気持ち良い所分かっちゃうから絶対後悔しないよ?』
「困ります。それで貴方様のお体に依存してしまったらどう責任とってくれるんでしょうか」
『…フフッ』
王子がニタリと笑い、俺は失言した事に気付く。
『サロフェ、怖くないよ…サロフェならずっと側に置いて可愛がってあげるから…♡』
「お断り致します」
『一度だけで良いから』
「お断り致します」
一度だけという割に一度で済みそうにない雰囲気がただ漏れしていたので今後は王子に体に触らせる行為すら気を付けねば。
『…まぁ今は良いや。サロフェ、ご飯』
「はい」
王子の為の冷めたご飯の毒味をする。
舌にピリッとした刺激が走り、今日も毒入りが確定した。
スープはダメ、肉も…真ん中辺りに毒が掛けられてる、サラダもドレッシングがアウト…。
「食べられるのはこれだけです」
『わぁ、今日もいっぱい毒が盛られてたんだねぇ』
「そうですね」
バセルファ王子は俺の寄越したそれをモグモグと咀嚼し、物足りなさそうな顔をした。
『ねぇ、サロフェ…ドレッシングがなくて寂しいからサロフェの涎頂戴?』
「え、凄く嫌です」
『だって味気ないんだもん…唾がダメなら精液欲しいな』
「断固拒否致します」
『ケチ』
淫魔は人の体液からでも美味しく栄養摂取出来るらしく、例に漏れずバセルファ王子もその味覚を受け継いでいるらしい。
俺が断ると側にいた若い男の子給仕を手招きして魅了し、ズボンを下げてじゅぷじゅぷとしゃぶり始めた。
「あっ♡♡♡ひゃっ王子様…ああっ♡♡♡♡あああっ…!♡♡♡♡♡」
『はふう♡男の子の精液って瑞々しくて堪らないなぁ♡サラダに搾らせて♡』
「ひゃああ♡♡♡♡あっあっああ━━ッ!!♡♡♡♡♡」
王子にペニスをしこしこ搾られた男の子が顔を真っ赤にしながら王子の持つサラダの容器に致す。
それを王子は喜んでモシャモシャと食べ始めた。
あの生臭い精液を美味しいと感じるなんて凄い味覚だなとは思うが、それが淫魔なのだ。
『んん♡美味しい…♡』
ペロリと平らげてしまったのを近くで直視してしまった男の子はズボンからペニスを垂らしながら口をパクパクとさせて耳まで真っ赤にしていた。
可哀想に…下手したら変な性癖が目覚めてしまったかもしれない。
『あーあ、サロフェの精液が欲しかったなぁ』
「やめて下さい」
『ぷーんだ』
別の料理が運ばれ、それもまた毒味をする。
こちらもちゃんと毒が入っていて王子の食べられる量がまた少ししか残らなかった。
『少ないねぇ』
「毒を食べるよりマシでしょう」
『あれ苦しくて痛いから嫌いー…でもサロフェとほんの少し間接キス出来るから良いかな』
「間接キスになって俺の口にした毒が移らないように切り分けて念のため毎回別のフォークとスプーンを使っております」
『夢くらい見させてよ!』
命を狙われていても飄々とした子供っぽい態度を崩さないのはさすが王子というのか、それとも狙われ慣れているのか…。
なんにせよ俺はただの雇われに過ぎない。
何故ここまでこの王子に気に入られているのかは不明だが、物理的にも心理的にも近づき過ぎないように心掛けたいものだ。
「ささ、バセルファ様。今日の勉強はマナー…」
『ねぇ、お散歩して良い?』
「で、ですがそろそろ…」
『お願い…僕、お散歩したいな…?』
ぷわぷわと魅了を振り撒き、おねだりをするバセルファ王子に教育係は即陥落。良く見る風景だ。
「し、し、仕方ありませんな…少しだけですぞ…」
『うんっ!有難う♡』
「どっ、どどどういたしまして」
頬を赤らめてぽやぽやしながら第二王子を熱く見つめるが、おっさんがそんな事をしても気持ち悪いだけなんだよなぁ…。
「今日も勉強サボりですか王子?」
『だってぇ、勉強嫌いなんだもん』
「王子は同年代より遅れている自覚はおありですか?」
『勉強よりぃ、僕は気持ち良い事が好きだなぁ…♡
王族にとっては子作りも大事なお仕事なんだよねぇ?』
「そうでしょうけど」
『だったら、ねぇ?』
王子が不意に俺に抱き着き、耳元に口を寄せた。
『サロフェが勉強教えてくれる?
気持ち良い事をしながら、さ…♡』
「ッ!?」
ぬるりとした感触が耳の穴に入り、しまったと思った時には王子を突き飛ばそうと腕に力を込めて……寸前で押しとどまる。
王子の肩に手を置き、そしてゆっくり力を入れてベリッと剥がした。
『ぁん、残念…♡』
舌をチロチロ動かされ、ズボンを押し上げるペニスがぴくんと反応する。
あのまま突き飛ばせば王子を傷付けたとして拘束され、罪人になってしまう。
王子も分かっているからこそわざと俺を人目のある所で攻めたのだろう。
王子の温情として俺を罪人から救い上げるフリをして王子から逃れられないようにする為に。
『サロフェがあのまま快楽に流されてくれれば気持ち良い事出来たのにぃ!
あっ、勃起おさめてあげるよ?沢山べろべろちゅぱちゅぱフェラしてあげるよ?♡』
「結構です。自分でおさめますので…」
……そこまで考えている訳ではなさそうだ。
むしろ自分のテクニックに絶対の自信を持っているからそういう謀は考えてないという感じだろうか。
『むぅ…サロフェは我慢強いねぇ…』
「それほどでも。おさめて来るので持ち場を少し離れます」
『やぁだ僕も一緒に行くぅ!』
「来ないで下さい」
拒否しても俺の性の匂いに興奮しているのか、バセルファ王子はついて来るのをやめなかった。
『はぁ♡はぁ♡早く、早く♡』
「と、トイレの中までついて来ないで下さい…ッ!」
『やだやだサロフェのおちんぽが僕に咥えられるの待ってるもん!』
「待ってません!フェラしたら即効で従者辞めます!!」
『むぅうう!!』
膨れられてもこれは絶対に譲れない。
王子にフェラさせるのも問題だが、バセルファ王子が淫魔なのが怖いのだ。
多分フェラされたらそのえもいわれぬ淫魔の刺激を求めてまたフェラして欲しいと思うようになる。現に王子にほんの少し舐められた耳がひくひくと疼き、続きを欲しているのだから。
淫魔だから勿論依存させないように出来るはずだが、俺を妙に気に入っている王子の事だから依存させられたまま置かれるだろう。
『じゃあ僕のお口に射精して?それなら良いでしょ?』
「嫌です」
『じゃあその精液どこにピュッピュするの!?便器じゃないの!?そんなのやだ勿体無い!!!』
「この先で俺の精液が欲しいと言われても困りますので」
『その前から欲しいって言ってるのに!!』
「…そうでしたね」
俺はぎゃいぎゃいうるさい王子とこれ以上押し問答していてもトイレで致してると思われそうだなとさっさと解消する事にした。
「ん、は…っ」
『あぁ、あぁ、サロフェのおちんぽが僕を誘ってるぅ…♡』
「はっ、はっ、誘ってませんので、離れて下さい…っ」
『あん♡もっと近くで感じさせてよぉ…♡』
顔を近付けられてペロリと舐められては敵わない。
だから王子には離れて欲しいのだが。
「はぁ…ふーっ…じゃあ口の中に射精するので離れて下さい」
『離れたら口に入らないよぉ…』
「……絶対に舌を出さない、俺のペニスに触れない。守って貰えるのでしたら近付けて射精します。良いですか?」
『うん♡うん♡分かったぁ♡』
ワクワクとしながら口をぱかりと開き、俺の射精を大人しく待つ。
舌が動くのを見たらすぐ引こうと目を光らせつつ、刺激を与えていく。
「はっ、はっ、はっ…♡」
意外にも口を挟まず、王子はちゃんと待っている。
俺は警戒しながらもくちくちとスピードを上げ、王子の口目掛けてビュクッ♡とそれを放出した。
「ッ…!♡♡♡」
『んッ♡♡♡ん…♡♡♡はぁふ…♡♡♡』
王子は俺の精液を美味そうに口内で転がし、そしてごくりと飲み下した。
熱い息を漏らし、目を蕩けさせてウットリしながら唇を舐める扇情的な姿に思わず魅入り掛け、咳き込む。
「ゲホッ!ゲホッ!!」
魅了のフェロモンがいつの間にかトイレの個室内に充満していた。
俺は涙目になりながらペニスをしまい、慌てて扉を開けた。
「はぁっ、はぁっ…!」
『サロフェの…濃くて…とっても美味しかったぁ…♡♡♡』
「そ、れはようございました…ね…」
皮肉だ。
王子がぎゃいぎゃい騒いで個室にまでついて来なければさっさと済ませていたものを。
『また勃起させたら…飲ませてくれる…?』
濃いピンクの目が妖しく光り、俺を艶かしく見つめる。
俺はフェロモンを手で追い払いながら「嫌です」と答えた。
『ケチッ!!』
王子が俺に抱き着こうとしてきたのをさっと避ける。
そうそうすぐに不意打ちを食らってたまるものか。
『絶対また勃起させるもんね』
「闘争心燃やさないで下さい」
『じゃあ時々サロフェの精液頂戴?』
「嫌です」
『だったら隙を見て勃起させるしかないよね?』
俺はため息を吐いて頭に手をやった。
「サロフェ、あの件考えてくれた?」
丁度バセルファ王子がベッドタイムを楽しんでいる時間、外に出るとタイミング良く第一王子ご一行に声を掛けられた。
「あの件…」
「引き抜きの件。君がこちらにくれば今より良い待遇を約束する。
他に何か条件があるなら聞こう」
引き抜きされたらきっとバセルファ王子の周りは毒殺の危険で溢れ返るだろう。
それは胸糞が悪いなと思う。
「バセルファ王子の毒殺騒ぎが無くなればまだ考える余裕は出てくると思うのですが」
「ほう?」
ダクトリト王子の目が細められる。
俺が完全な敵になるかどうか見定められているのだろう。
もし刺客を差し向けられても懐に入れたナイフで多少は応戦出来る。
冒険者時代鍛えた身体能力が堕ちないよう時折鍛えているのだ。
「バセルファの毒殺騒ぎが早く無くなると良いのだが」
「はい」
「ではまた。気が変わればいつでも私に言付かってくれれば迎えに行こう」
第一王子達が去って行く。
不穏な気配がすぐそこまで忍び寄っているような予感がした。
『サロフェ、僕の胸に飛び込んでおいで♡』
「嫌です」
『そんな事言わずに、さあ…っ!』
俺はバセルファ王子の怪しい手つきをヒョイと避けた。
あの手は乳首を責める手だった。
昨日なんかは不意をついて抱き着いて来た後に服の上からであったが乳首責めを食らい、思わず勃起する所だったのだ。
他にも口に指を突っ込まれてくちゅくちゅ掻き回されたり鎖骨に舌を這わされたり耳を唇ではみはみされたりとここ最近卑猥な責めを受けていたので警戒度はMAXだった。
『うわぁああんメアリー、サロフェが今日も気持ち良い事を拒否するんだ!』
「まぁお可哀想に…私で良ければお慰め致します…♡」
『うん…メアリーにいっぱい中出しするぅ…』
「うふふ♡子供を作って頂いても構いませんよ…♡」
人前で恥じらいもなく二人とも服を脱ぎ始めたのでそそくさと退散する俺。
部屋の前に立つ騎士達も扉が閉まる瞬間漏れ聞こえた中のエロい声にソワソワしている。
「ケホッ…お疲れ様です」
「い、いえ」
ヒートアップすればこの騎士達もセックス対象になるからな…。御愁傷様。
にしてもここ最近のバセルファ王子は少し強引だ。
第一王子が俺を引き抜きたいと言ったのを側で聞いたせいだろうか?
フェロモンの量も日ごとに増えているので時折咳が出てしまう。
少しでも空気がマシな方へ…と庭へ向かっていると、突然声を掛けられ、俺は立ち止まった。
「やぁサロフェ」
「第一王子様…」
「君と僕の仲だろう?ダクトリトと呼んで構わないよ」
「有難う御座います。所で何かご用でしょうか?」
「うん」
第一王子は取り巻きを連れて俺を囲んだ。
度々誘われていたのを拒否していたせいだろうか?
何をする気かと訝しんでいると、突然体を不調が襲った。
「がッ…!!かひゅ…っ」
「この間、私が煽った時に愚弟が君を魅了しようとしていたのを目にしてもしかしたらと思ったんだ」
取り巻きは俺に向かって様々な状態異常魔法を掛けているようだった。
麻痺、毒、盲目、石化…。
状態異常のオンパレードで俺は立っているのがやっと。
「状態異常耐性の弱点」
第一王子が俺の顎を持ち上げクスッと微笑んだ。
「オーバーワーク。いくら強い耐性でも、耐性以上の状態異常を浴びせ続けられたら掛かってしまう…そうだろう?」
第一王子からピンク色をした禍々しいフェロモンが大量に噴出し…そこで俺の意識は途絶えた。
視界がふわふわとしている。
ダクトリト様が俺の頭を撫でているのが分かり、嬉しくなって唇の端が持ち上がった。
「サロフェ、私はね、王位が欲しいんだ」
「はい」
「だからあの愚弟を亡き者にする為に、一役買ってくれるね?」
「は」
俺が愛しいダクトリト様に返事をする前に、無粋な扉が音を立てて邪魔をした。
『御兄様…ッ』
「おや。想像以上に早かったね。それとも…私の知らないスキルでも使ったのかな?」
『御兄様、サロフェを返して』
「返して?これはもはや私のモノだ」
ダクトリト様が俺を抱き寄せ、俺は心臓が高鳴るのを感じた。
顎をくいっと上げられればキスをして頂けるのではと期待してしまう。
「諦めろ。サロフェは私が有意義に使ってやる。
それともお前はサロフェの為に王位を捨てるのか?」
『捨てる』
「…はっ?捨てる?お前、何を」
『僕は御兄様が好きだった。サロフェが現れるまでずっと。
御兄様が影で僕を陥れようとしている事も分かってたけど、僕の魅了に掛からないでいてくれる御兄様が僕は大好きだった。
だって本当の僕を見てくれるんだよ…?
皆が僕の事を大好きだと愛してると言っても僕はこの魅了がある限り本心なのか分からない。
だから本心で接してくれる二人が好きだった…』
ダクトリト様が狼狽している。
俺までどうしたら良いのかと困惑する。
ダクトリト様が願えば弟から引き離す事だって喜んでやるのに。
『僕の魅了に掛からない、本当の僕を見て接してくれる…サロフェさえいれば何もいらないって。
そう思ってた僕が魅了に掛けてまで本当に欲しい存在なんだって御兄様が気付かせてくれたんだよ』
弟からピンク色のフェロモンが噴出する。
俺は苦しくなって膝をついた。
「やめろ…魅了されている相手を上書きするなんて状態異常耐性がある相手にそんな事をすればサロフェは…!!!」
『大丈夫だよ…僕に魅了されて、依存してサロフェ。そして僕を受け入れて』
体がガクガクする。
苦しみはやがて快楽の波、絶頂へと変わる。
チカチカと目の前に飛ぶ白とピンクの光。
「あっ…が…ぁ…♡♡♡♡♡」
口から泡を吹き、何度も射精を繰り返す。
快感に揉みくちゃにされ、上も下も分からなくなる。
「やめろ!!!お前は大事だと言っている者を壊すのか!!」
『壊すつもりなんて無いよ。僕はただサロフェを返して欲しいだけ。王位なんていらない。だから勉強だってやらずに遊んでバカを演じていたんじゃないか。お父様とお母様に王位はダクトリト御兄様にって全力でお願いするからサロフェを返して』
「くっ…本当に、私に王位を渡すというのか」
『そう言ってる。だから早く!!』
「ならこれから向かうぞ。お前にサロフェを返した後に王位を降りないと言われても困るからな」
『分かったよ。でもその前にサロフェをベッドに寝かせてあげて』
「…侍従、やっておけ」
やがて静寂が訪れ、俺は全身を脱力させて意識を落とした。
『サロフェ…サロフェ』
甘い声が俺を呼ぶ。
体が吸い寄せられるかのようにその声に向かって手を伸ばした。
『サロフェ…』
声の持ち主が俺の手を取り、俺の体を引き寄せた。
体が喜んでいる。
この体に引っ付いている事にこの上無い幸福と興奮を感じている。
『サロフェ、強引でごめんね』
唇に柔らかいものが当てられ、舌が入って来た。
痺れるような甘い刺激が口に広がり、体がますます興奮し、股が濡れるのを感じた。
「んぁ…、あっ♡♡」
尻に何かがあてがわれ、ぐぷりと体内に侵入する。
「んあっ!ああっ!!♡♡♡」
全身に快感が広がり、それが奥に突き当たると、きゅうーっ!!♡♡♡と強く体内が収縮するのを感じた。
「あ…ああ、あ…♡♡♡」
ゾクゾクが止まらない。
ぱちゅ、ぱちゅとソレが動き始めると、中がビクビクと快感と悦びに震える。
『サロフェ…可愛いよ…』
甘い声が耳を擽り、くちゅりと艶かしい音と共に耳の穴を侵食する。
「ふぁあ!あっ、ああっ、あっ…!!♡♡♡♡」
俺のペニスがびくんっ♡と震え、射精。
しかもそれが止まらず、ぴゅるっ、ぴゅるっ、と少ないながら射精し続けてしまう。
「あ、あ、あ…♡♡♡」
腹に入ったぱちゅぱちゅも早くなって快感が増し、いつの間にか目の前の存在に助けを求めるようにしがみついていた。
「あっ、あ、あんっ、あ、あっ、ああっ…!♡♡♡♡」
背中が反っていく。
声の主も俺の背中に腕を回しているからか、相手の体に密着するような体勢になる。
「はっ…ああ、あっ…あっ…あ…♡♡♡♡」
『サロフェ』
甘い声が囁く。
『僕の子供、孕んで』
ぱぢゅんっ!!♡♡♡と強く腹の奥底に強い衝撃が走り、畳み掛けるようにドブンッ、びゅるびゅるぶちゅりゅりゅりゅ━━━!!!♡♡♡♡♡と大量に熱くて濃いものが押し寄せた。
「あぁあぁあああぁああああああああ━━━ッッ!!!♡♡♡♡♡♡」
快楽の波があっという間に俺の意識を飲み込んでいく。
ぽこんぽこんとそれが腹の奥底で弾け、泳ぎ、目的を成就する。
『ああ…ようやく繋がった』
俺の体を強く抱き締めた後、声の主が満足気に呟いた。
腹がひくひくと動いたのを感じ、目を開けた。
そこにはやはりと言うべきか、バセルファ王子が全裸のままにっこりと笑ってベッドに横たわっていた。
『ごめんねぇ、サロフェ。どうしてもサロフェが欲しかったの。
だから既成事実作っちゃった』
「くそ…っだから嫌だって何度も言ったのに」
『うん。でもサロフェは別に冒険者に未練がある訳じゃないでしょ?』
「…お見通しって訳ですか」
『まぁね』
バセルファ王子は俺の腹を撫でる。
その動きにも感じている自分がいて顔をしかめた。
『本気になりたくないのは分かるよ。僕が他の人と体を重ねている事も嫌ってたのは唯一にならないと思ったからじゃない?』
「……」
『サロフェ、僕は淫魔だから体を重ねていないと不調をきたすんだ。
元々食事だけで栄養は足りない。常にエネルギーとして放出してるフェロモンを止める方法も無いしね』
「何が、言いたい」
バセルファ王子を睨み付ける。
勝手にこんな体にしておいて、と思う気持ちが俺をイラつかせる。
『単刀直入の方が良いよね。サロフェが毎日僕に抱かれてくれるなら他の人を抱かないよ』
「……だから?」
『僕と結婚して下さい』
俺はその言葉に毒気を抜かれてしまった。
さっきまではどんな言葉が来ても噛みついてやろうと思っていたのに。
「…強引過ぎるにもほどがある。第一、断れないだろ、それ」
『はははっ。分かる?』
「体を勝手に弄くられて依存させられた上に子供まで仕込まれて、俺の性格まで熟知されてる。これで断れるならそいつは色んな意味で不感症だ」
周りを魅了して好きに出来るバセルファ王子が。
結婚を切り出して来る程俺が欲しい、と言う。
それも周りの沢山の人間よりもたった一人の俺だけを望んでいる。
その事実は俺の強い執着心・独占欲を大いに刺激した。
『結婚してくれるんだね』
「念押ししなくてもするよ…けど、俺は裏切られるのが大嫌いなんだ。
お前が他の人間を抱いた瞬間、何をするか分かんねぇぞ」
『良いよ。だから抱かせてくれる?』
「好きなだけ抱け。こんな体にされたんだ…さっきから疼いて疼いて仕方ないこの体を鎮めてくれよ」
『了解』
俺が敬語をやめても不敬だと罵る事なく受け入れている。
何もかも…もしかするとダクトリト第一王子が俺を誘拐するのも読んでいたのかもしれない。
それだけ本性は聡い癖に俺の為に人生捨てるとか…訳わかんねー…。
「ああっ!!♡♡♡」
バセルファのペニスが前の穴に挿入される。
上書き魅了の副作用で意識が混濁している間に女性器作られてここでレイプされて孕まされたんだよなぁと思うと何故か体が興奮してしまった。
『あ、言うの忘れてたけど』
「はっ、はっ…♡♡♡なん、だ」
『子供産まれて淫魔だったらダクトリト兄様にあげる事になってるから』
「はあ!?あっ、あんっ!!♡♡♡」
バセルファが腰を振りながらとんでもない事を口にしたせいで驚くやら感じるやらで体が奇妙な感覚に陥った。
「な、なん、だ、そりゃ…!!」
『ほぼ内定で淫魔に先祖還りした僕が次の王だったんだよね。
その王位を無理やり譲るんだから子供位あげないとダメなんだって』
「…それ、子供だけじゃねーだろ…」
『さすがサロフェ。外交は僕が全てこなすのは決定事項。
本来は王がやらなくちゃいけないんだけど僕、サロフェ欲しさにブン投げちゃったから…えへへ』
「…はぁ…。お前も執着するタイプかよ」
『お似合いじゃない?僕達』
「そのようだ…認めたくねぇが」
バセルファが俺を自分に依存させて妊娠と結婚で縛り付けたがったように俺も一度心を向けた者には二度と離れて欲しくはない。
「ま、お前も俺に執着するなら安心してお前に堕ちれるな」
『うん。とことん堕ちて来て。いつまでも大事にするから』
俺はニヤリと笑ってバセルファの唇に噛みつくように口を押し当てた。
バセルファを口の端を持ち上げ、舌を俺のそれに絡めた。
そうして通じあったせいか。
昨日の比ではない快感が襲っても俺は意識を失う事なくバセルファに抱かれ続けていた。
【その後のお話や補足】
兄も何気にサロフェを気にしているとかいないとか…。
状態異常耐性・大を持つサロフェですが、想いを通じ会わせたバセルファにだけは時折魅了される模様。
『おはよう、サロフェ』
「あ、うん…」
『ボーッとしてるけど大丈夫?』
「その色気…どうにか仕舞え…」
『えっ、無理だよサロフェが側にいるからフェロモンが絶好調』
「下半身にクる…から…」
『じゃあ今日も朝エッチしてからご飯食べよ♡』
「…そうするか」
バセルファのフェロモンは無意識だとサロフェがいる方に流れていく。
毎日三食朝昼晩とセックスしている事が多い。
サロフェの体力はバセルファが淫魔の力で管理しているのでどれだけ激しくセックスしようとも疲れが残る事は無い。
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色々な種族の人外(人型多)攻め好き、ノンケ受けも好き、人外×人間BLが気になると思って頂けた方は小説、漫画読めますので是非ご支援(制作モチベーションの元)、宜しくお願い致します…!(※※最近は諸事情で小説より漫画を主に投稿しています)
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