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なんだろう。初めて青葦と目が合った時のような反応をされたが、青葦のファンらしいから親しげに話している月岡のことが気に入らないということか。 そうだとしたら、怖い。 話したのだって今回が初めてだ。が、それをたまたま見たことが誤解を招きかねないのもまた事実だった。 青葦は憧れの存在だ。そんな相手にぽっと出の月岡とそれも親しそうにしているように見えたなら面白くないだろう。 こちらとしては完全なとばっちりだ。 もしかしたら青葦の私物を盗む犯人を見つけるどころか月岡に被害が及ぶかもしれない。 でも、それでも。 覚えている限りのさっき見た女子の特徴をできるだけ詳細にスケッチすると、部活動に励む青葦の姿を捉えていた。 短距離をしているらしく、何人もあっという間に追い抜かした後、今度は長距離をそれぞれのペースで走っていた。 時折、追い抜かした相手に茶化すような顔を見せる余裕を見せたりしていたが、一人で走っている時は真剣そのものだった。 その表情も惹きつけるもので夢中になって描いていた。 走っている姿を描いたのは今日が初めてであったものだから、たくさん描けたことが楽しくて仕方ない。 さっき本人の前で言ったことのように彼の走っている姿が心を打たれるものだったのだろう。 まるで走ったかのように鼓動が早まり、高揚感があったのだから。 描いたものを満足気に見返し、スケッチブックを閉じた月岡は顔を上げると、部員が揃いも揃ってこちらにやってくるのだ。 どうしてなのだろうと首を傾げていた月岡だったが、ハッとしスマホを見た。 普段であれば教室にいる時間。 つまりは部活が終わる時間までいたということになる。

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