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第1話
今日も今日とて満員電車地獄での通勤。
せめて開かないほうのドアのそばにいきたかったが、場所とりに敗北し、窓までもうすこしのところで乗客と押しあい圧しあい。
景色が流れる窓まで立ちふさがるのは二人。
同じ制服の男子高生で、一人の背中に俺はしがみつき、その彼は窓際の子の背中に密着。
「友だちなのかな?」となんとなく窓際の子を見れば、小刻みに頭と肩が震えて、耳と首が真っ赤。
ぎょっとして「もしかして具合がわるい?」と目の前の子に声をかけようとしたら、もぞもぞと動いて荒い息づかい。
連動するように窓際の子が肩を跳ねて、かすかに呻くのを見て「男子高生が男子高生に痴漢だああ!」と吃驚。
している暇はなく、どんな事情があろうと男だろうと大人として犯罪を見逃すわけにいかなく、肩をつかんだなら、顔だけふりむけた彼が口元に人差し指を立てて微笑。
「プレイですから、安心して」
性犯罪者の戯れ言など聞いていられなかったが、顎をしゃくられて窓際の彼に目を向ければ、涙目に何回もうなずくのが硝子に写っている。
といって脅されている可能性もあり、やはりもの申そうとするも急激な揺れが起こり、群衆によるさらなる圧迫が。
男子高生と背後の人たちに挟まれて、身動きできず声もだせなくなり、一方で痴漢行為はエスカレート。
二人に意識を集中しているのと、生来の耳のよさでもって「はぁ、あぁ♡だめ、ちんこっ、触っちゃあぁ・・・♡」と窓際の彼の喘ぎが聞こえてしまう。
「だめなの?こんなに固くして、先っぽ濡らしっちゃって、いつまわりにばれるか分からない状況で興奮してるんじゃ?
ほら、俺の背後のリーマンも聞き耳たててるぞ?」
「あっ、やぁ♡へ、変なこと、いわなぁでっ♡あ、あぁ、ああ♡やめっ、やめぇ、でちゃ、でちゃあぁ・・♡」
声を殺しながらも漏らす苦しげな吐息が聞こえたにイったよう。
たしかにやりとりを聞いてるといちゃいちゃしているようなれど、まさか俺がだしに使われるとは。
怒りが失せてしらけてしまい、背中から顔をあげて、もう二人のほうを見ないようにそっぽを向く。
が、我が聴覚の有能さを恨みたいほど、そのあとの男子高生の盛りっぷりが耳についてやまず。
「乳首も勃起しているね?こっちも射精しちゃう?」
「やぁ、はぅ、んんぅ♡だめぇ♡りょうほっ、あ、ああぅ♡固いのぉ、当てなあ、でぇ・・♡」
「どうして?痴漢されているのに欲しくなっちゃうから?満員電車で性犯罪者に掘られたいの?この淫乱男子高生♡」
「ちがっ、ちがぁ・・♡ひぃあぁ♡あふぅ、あうぅ、んうぅぅ♡」
「乳首だけでイちゃって認めているようなものだね?しかたないなあ」
「ひぃん、んあっ♡お、お尻、やだあ・・♡電車で、俺っ、だめ、なのにぃ・・♡あぁ、しょこ、らめぇ・・♡」
若気の至りというか、公共の場での蛮行に呆れるところ「いれるのか!?さすがにばれるだろ阿呆!」と我がことのように冷や冷や。
だけでなく、不覚にも腰を火照らせ、太ももをあわあせてもじもじ。
「やぁん♡らめえぇ♡しょんな、おっき、のぉ♡電車でぇ・・・♡」とついに挿入する段階になり「まじか!?」と見やれば、窓越しに彼と目があってしまい。
背後の彼に口を手で押さえられながら「んふぅっっっ♡」と辛そうに泣きながら恍惚とした表情。
音をたてないようにしつつ、腰を打ちつけられ硝子に額をぶつけて、無声であんあん悶えるさまは男子高生にして艶かしすぎる。
つい目を釘付けにしていたら、彼が腰を引いて、その尻に俺のもっこりが当たってしまい。
肩越しにふりむいて目を細め、尻の割れ目に挟んで揺すってくる。
「くう・・・!」と歯を食いしばる俺と、もどかしそうな顔を硝子に写す彼とを弄びながら、腰を押したり引いたり。
不覚に不覚にも窓際の彼がイき顔を見せたと同時に俺もズボンのなかに射精。
息を切らす間もなく電車がホームにつき、窓際の彼を支えながら男子高生は反対側のドアから降りようと。
すれちがいざま「またやろうね?」とくすくす囁かれて、思わずふりかえるもどっと乗客が押し寄せて二人は見えず。
電車が発車して「乗る時間帯、変えるか・・」とため息をつきつつ、すれちがうときの男子高生の妖艶な笑みを忘れられないでいた。
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