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第90話

   何やってるんだろうとか押し倒されちゃってるとか、そんなことを思っているのに全部口の中をかき混ぜる音に追い出されてしまった。  口の中を指が擦る振動に合わせて、僕の上にいるトーマが腰を擦りつけながらゆさりと体をゆする。  それが指の動きと同じだってわかった途端、恥ずかしくて恥ずかしくてたまらなくなった。 「んっん゙ん゙っ……ゃ、ら  っ腰っこし……」  やめてって言葉を言う前に、トーマの唇が口を塞いでしまうから何も言えないし、息もできない。  目が回るように酸素不足の脳が揺れる。  波にもみくちゃにされるように翻弄されているのに、傍若無人に暴れ回る舌が与えてくれる快感に抗えなくて……  首に手を回してすがって、はしたないって思ってるのにトーマの動きに合わせて腰が勝手にカクカクと揺れる。    布を挟んだじれったい感触なのに、自分の意図しない刺激が不意に訪れるから耐えきれずに体がビクンと跳ね上がった。 「あ……っ」    じわりと下着の中に広がる湿った感触に慌てて股間を押さえようとした……けど、トーマの手がそれを邪魔する。 「どうした? もう抱き締めてくれない?」  ヒソヒソと内緒話をするように唇を触れ合わせたまま問いかけられ、「ちょっと……その……」と歯切れ悪く答えると、掴んだ手をそのまま下着の中に差し入れてきた。 「ひゃああ⁉︎」 「ぬるぬる……イった?」 「っ!」 「それとも先走り? どっちかな?」    触れ合ったままの唇を強請るように舐められて…… 「イ……きまし、た  」  僕には抵抗なんて出来ない。  あっさり興奮したのもあっさりイっちゃったのも、恥ずかしくてたまらない。でもそれ以上に僕の肺を満たすトーマの濃いフェロモンが心地良すぎだった。  答えなくて身を離されたら泣き出してしまいそうなほど、トーマの匂いは僕の脳を揺さぶり続ける。 「いい子。素直な子は、可愛い」  角度を変えながら深いキスが繰り返されて、どろどろの下着の中で僕とトーマの手がイタズラに動き回って吐き出した液体をかき混ぜる。 「ぁ、だ、め、僕っまたっ!」  精液のぬめりを借りながら撫で回してくるトーマの手は加減をしてくれなくて、イったばかりの体には刺激が強すぎて思わず逃げるように体を捩った。 「もう一度イこうか?」 「ゃ や……」 「よく濡らさないと……君の体を傷つけないためだ」  目尻に唇を落とし、トーマはあやすように裏筋を愛撫しては僕の指を使って先端の柔らかい部分を撫で回す。 「ひ んっ」 「先端が好み?」 「ぅ……」 「それとも裏の方がいい? それともカリの方?」 「ぁ、ぼ、く、……」  ぶるぶると震える膝はもうすでに再び僕が追い詰められてるんだって証拠だ。    

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