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3.擬似番の守護:2 *
ラウロはニコラの耳に舌を差し込みながらバスローブを肩からずり下ろし、露出した乳首を少し強く摘む。もう片方の手はだんだんと下に伸びていき、すっかり反応しているニコラの性器を優しく包み込んだ。
「っそこは……!」
「一度出していたほうが、楽になると思います。我慢しないで、体を解放してあげてください」
「ん~……っ」
初めて自分ではない誰かに触られたので、上下に扱かれ先端をぐりっと刺激されるだけでニコラはあっという間に精を放った。
「……いい子。そのまま力を抜いて」
射精後の脱力感に襲われたニコラが息を整えていると、とろっとした冷たいものが肌に伝って体を震わせた。
「大丈夫。中を傷つけないためのものですから」
冷たいものの正体は香油だ。オメガは発情すると愛液が溢れてくると聞いたことがあるが、長らく発情期がきていないニコラの秘部は乾き切っている。香油を愛液代わりにして、ラウロは入口をとんとんっとタップした。
「だんだん柔らかくなってきた。いい子だね、ニコラ」
「あ、んん……っ」
「痛かったらすぐに言って」
ちゅぷ、と卑猥な音が響きながら、ニコラの中にラウロの指が沈んでいく。久しぶりに感じる気持ちよさと、自分では到底届かない場所を擦られている喜び、何よりもラウロが優しく触れてくれていることの幸せを感じた。
「……可愛い。気持ちいい?」
「んっ、きもち、い……」
「よかった。そのまま力抜いてて」
後ろからニコラの頬に何度かキスをして、ラウロは指を二本に増やした。ぐちゃぐちゃと香油が中で掻き混ぜられる音がいやに大きく響いて、耳を塞ぎたくなる。
「中、とろとろですよ。俺の指を締め付けて離してくれない……年上の男じゃなくても、エルネスじゃなくても感じてる?」
「や……っ! いじわる言わないで、ラウロ……僕はいま、ラウロにしか許してない、のに……!」
想像上の番でも、全く知らない他人でもない。他でもないラウロから触れられていると分かっている。ラウロは不本意なのかもしれないが、ニコラはエルネスに抱かれたいのではなく、ラウロにだから体を許すことを決意したのだ。
「他の誰でもない、ラウロだから、僕は……」
か細い声でそう言うと、不意に顎を掬われた。ニコラが驚きに目を丸くしたのは、唇に温かい感触があったから。ラウロに口付けられていると認識したころ、唇の隙間から舌がぬるりと侵入してきた。
「ふぁ、あ……っ」
「ん……リラックスしていてください」
「もっと、キス……」
「……明日、恥ずかしさから俺を殺さないでくださいね?」
ぼんやりした頭でニコラがキスをねだると、ラウロは苦笑した。後ろから抱きしめていたラウロはいつの間にかニコラを押し倒していて、正面から抱きしめられながら口付けられる。初めての口付けに頭がふわふわしていると、ずちゅんっと鈍い音が聞こえた。
「あ、あ……? はいって……?」
自分の中に、圧倒的な質量のものが入っている感覚がする。お腹の中が熱くて、どくどくと脈打つそれがラウロのものだと認識した途端、ニコラの体は真っ赤に染まった。
「……あまり、そんなに可愛い反応をしないでください」
「ひう……っ!」
ラウロが腰を動かすたびに、肉がぶつかり合う乾いた音がする。ニコラの細い太ももはラウロから両手で押さえつけられ、恥ずかしい格好をしているのに卑猥な状態に興奮していた。
「だめ、らうろ……! ぼく、おかしくなっちゃ……!」
「っおかしくなっていい。俺が責任を取るから……ニコラがおかしくなっても、俺はあなたの側に――」
「んんー……っ」
もう、お互いの唾液が混ざり合う音なのか、繋がっている部分の香油が掻き混ぜられる音なのか分からない。何も分からないほどニコラの頭はぼーっとしていて、この行為が気持ちいいということしか考えられなかった。
「らうろ、らうろ、まって!」
「……っん?」
「なんかくる、きちゃう……!」
「ッ俺もイく……あなたの中に……」
「きて、きて、らうろぉ……」
「……ッ」
ニコラが精を放ったと同時に、中に熱いものが注がれるのが分かった。どぷどぷと音がするほど大量に流し込まれたそれはラウロの精液で、彼が全てをニコラの中に出し切るころには、下腹部に薄い青色の薔薇のような紋章が浮かび上がっていた。
「……これで、俺以外、あなたには触れられません。名実ともにあなたを護れる、騎士にならせてください」
涙の伝うニコラの目尻にラウロは優しく口付けた。唇から彼の温かさを感じ、下腹部も甘い熱が宿っている。ニコラは今まで感じたことがない幸福感に包まれながら、小さく頷いた。
「あとは俺が片付けておきますから、眠ってください。ここは安全ですから」
「ん……ありがとう……」
「……主のためなら。俺はなんでもしますよ」
お湯に浸したタオルで体を拭かれながら睡魔と戦っていたニコラだが、初めての性行為の刺激が強かったのか気絶するように眠りに落ちた。
その夜は一晩中ラウロに抱きしめられているような温かさを感じ、彼から守られているような安心感をニコラは覚えた。
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