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緊張勃起した売れないアイドルが最古参の執着カメラマンに食べられちゃう話

やっと手に入れた仕事だった。 早乙女(さおとめ)(あおい)。職業、アイドル。 顔は可愛い系、みんなの弟枠。 13歳で加入したジュニア時代を経て、いま25歳。 グループでは後ろの立ち位置。 167センチを170センチと言い張る無駄な努力を重ねながらも、正直センターに立つようなタイプじゃないとは理解している。 ……だから、まさかあんな仕事が舞い込んでくるなんて、思いもしなかった。 春うららかな日、お昼の情報番組のロケが終わった頃。 「碧くんさぁ、速水(はやみ)さんってひと、知り合い?」 マネージャーが首を傾げながら尋ねる。 知らないです、と答えると「だよねぇ~」とマネージャーはスマホを見せてきた。 速水(はやみ)優星(ゆうせい)、28歳。 wikiには天才カメラマンだと書いてあった。コンテストで何度も入賞していて、被写体の内なる魅力を引き出すのが得意らしい。 インスタは綺麗な背景、イケメン美女のカッコイイ画像の宝庫だった。 そして本人……速水さんもクール系のイケメンだった。 それこそアイドルのセンター、いや、むしろ世界のトップモデルみたいな。 すっと通った鼻筋と切れ長の瞳。近寄りがたいのに色気があって、つい触れたくなるような。 無意識に生唾を飲み込んでしまった。 「この速水さんから碧くんにモデルの依頼が来たんだけど」 「えっ」 「しかも下着」 ええっ、と叫ぶ。 正直、俺と下着モデルのイメージは結び付かない。 だって、下着モデルってこう…、カル◯ン・クラインとか? 腹筋割れてる超セクシーモデルみたいな? 男の色気MAXみたいな? 感じ? だよね? ちら、と自分のお腹を見下ろす。 だぼっとしたパーカーの下はぺらぺらのお腹。 そりゃアイドルだからダンスとかはするけど、元々筋肉がつきづらいのか目立った腹筋はない。 下着モデルなんて、それこそアイドルならセンターレベルじゃないと務まらなさそうだけど。 てか、この速水さんがモデルをしたほうがよっぽど映えそうだけど。 ……でも。 ごく、と唾を飲み込む。 このチャンスは逃しちゃいけないんじゃないか、という期待。 俺だって、ほんとはセンターに立ちたいし。 ずっと可愛い可愛いって言われるいじられキャラって嫌だし。 もう若くない(?)んだし。 ……ここらでセクシーな? イケメン的な? キャラをつけるのは、アリなんじゃないか。 「やる?」というマネージャーの声に被せる形で、「やらせてくださいッッッッ」という声が閑静な商店街に響いた。 「初めまして! 本日お世話になりますっ! 早乙女碧ですっ!」 後日。 俺はひとり、下着モデルの撮影スタジオに来ていた。 マネージャーは別のメンバーの撮影に立ち会って今日は不在。 「初めまして。よろしくね、早乙女くん。僕は速水優星。今日のカメラを担当します」 「よよよ、よろしくお願いしますっっ!!」 ガチガチに緊張する。 実物の速水さんはインスタで見るより超絶イケメンだった。 180センチは普通に超えてるであろう、すらっとした身体。ふふ、と微笑まれる薄い唇は妙な色気があった。 マジでこのひと、なんでモデルじゃないんだろ、と疑ってしまうくらい。 なんならうちのセンターよりイケメンな気がする。 「スタジオはこっちなんだ。おいで」 速水さんが案内する。物腰も柔らかくて紳士的で、不思議とドキドキしてしまう。 スタジオは速水さんの自宅に備え付けられているスペースだった。一階と二階が居住スペースで、地下が撮影スタジオ。 スタジオは打ちっぱなしのコンクリートの壁が緊張感を醸し出していた。 ライトとレフ板、撮影カメラにパソコン。大きな画面にはレタッチ作業中の写真が写っている。 そして、部屋の中央にはーーー、キングサイズのベッドが待ち構えていた。 なめらかな白いシーツがビロードに波打つ。 そばにはサイドチェストもあって、いかにも”夜”みたいな雰囲気。 ごくり、と唾を飲み込んでしまった。 なんか……生々しい。 いままでセクシーキャラじゃなかったから、こんな撮影初めてだ。 「えと、速水さんは、なんで俺をモデルに……?」 「僕、早乙女くんのファンなんだよ」 カメラを準備しながら、速水さんが答える。さらっとした受け答えに一瞬キュンとした。 でも、やっぱお世辞かもとすぐに劣等感が顔を覗かせる。俺よりずっと人気のメンバーいますよね、とか。 言い返すのもヘンな気がして、「そうすか」とぼそぼその声で返すしかできなかった。 「ホントだよ。ジュニアメンバーだったころのDVDも持ってるよ。初めての全国ツアーのやつ」 僕は名古屋で見に行ったんだけどーーと、速水さんがはにかむ。 え、俺は口をぽかんと開けてしまった。 「結構前ですよね」 「そうそう。もう十二年前になるのか。あの時の早乙女くん、衣装がよかったよね。アラジンみたいなやつ」 「……お、覚えてるんですか」 「うん。ダンスも可愛くてさ。『あの子、がんばってるな~』って思って。それ以来めっちゃ好きなんだ」 あの時、全然後ろの方だったのに。見てくれてたひとがいるんだ。 嬉しさに口がもにょもにょしちゃう。 真っ赤になる顔を気づかれたくなくて、うつむきながら「ありがとうございます」と呟いた。 「じゃあ、早速だけどこれに着替えてくれるかな」 さっと手渡されたのは、グレーのボクサーパンツ。 受け取った瞬間、身体がぴしっと固まった。 ……いや、なんか、覚悟してたけど。 いざ、となると、ちょっと、たじろいでしまう。 「早乙女くん~、準備どう?」 「は、ははは、はいっ! 大丈夫ですっ!!」 部屋の隅にある着替えコーナー。 薄いカーテン越しに声をかけられ、慌てて返事をした。 着替えたけど、でも心の準備は全然できてない。 パンツ一枚。他は裸だ。靴下も脱いで、文字通りパンツ一丁になる。 思ったよりこのパンツ、ピチピチ。締め付けもすごい。 備え付けの全身ミラーに映る俺は、なんだかひょろひょろしている。 付け焼き刃と分かっていながらも、この仕事が決まってから毎日腹筋をした。けどやっぱり効果はなかったみたいだ。 ぺらぺらの腹筋と白い肌。 男というよりは、少年というか。 プール上がりの中学生と笑われても文句は言えない。 これ、マジで俺で大丈夫なのか。 ファンだって言ってくれた速水さんをがっかりさせたくないのに。 他に身に纏うものがないのは心許ない。 不思議と背が丸まって、胸元を隠してしまう。 「早乙女くん? 大丈夫?」 シャッ、とカーテンを勢いよく開けられる。 「わっ」と叫ぶと、速水さんが心配そうな顔で立っていた。 「あ、す、すみません。今行きます」 「うん。似合ってるね。よかった。ばっちりだよ」 速水さんがにこりと微笑みかける。 ほんとかよ、と言うのを堪えて、俺は撮影スタジオに向かった。 中心のベッドに腰掛ける。 気楽にしていいよと言われたけれど、手持ち無沙汰になってしまい、ベッドのへりにちょこんと座った。いや、友達ん家じゃないんだから。 けど、真ん中にどーんと寝るのも、なんか……。 ……いや、まあ、撮影なんだけどさ。 カメラを手にした速水さんがベッドに来る。 俺がカチコチになっているのを見て、「あはは」と笑った。 「緊張してる?」 「あ、ハイ、すみません……。俺、あんま、こういう撮影したことなくて」 「知ってる知ってる。いつも可愛い系のキャラだもんね」 速水さんが隣に腰掛ける。ぎし、とスプリングが軋んだ。 剥き出しの二の腕に速水さんが触れて、不意にどきっとした。 なんか、近い。いや、まあ、そうだよな。カメラマンって被写体に近づくもんだし。 「じゃあ、とりあえずベッドの上でポーズとってもらえるかな。僕の前で。こう、背筋伸ばす感じで」 指示をされ、ちょっと安心した。 はい、と移動し、速水さんの前で膝をつき、背筋を伸ばす。 俺だってアイドルの一員だーーというなけなしのプライドを震わせて。でも、やっぱり緊張は拭えない。 「ちょっと硬いなぁ。表情、強ばらないようにして」 「……すみません」 「あと、もっと下半身を突き出す感じで。セックスの時に、がんがんって突くでしょ? その雰囲気ほしいなぁ」 んえ? な、なんて………? 指示がうまく聞き取れなくてーーいや、聞き取れてはいたけど、全然頭に入ってこなかった。 こんな上品な顔した速水さんから、そんなシモの話題がド直球でくるとは思わなかった。 ………ま、まあ…………セクシーな撮影なら、…………うん…………。 とりあえず腰を揺らしてみた。 いまさら、実は童貞なんです、とかは言えなかった。 事務所が厳しくて女性と付き合ったことはない。もっぱらソッチ系はひとりで処理していた。 へこへこ、ぎこちなく腰を揺らす。リズムも合ってないし、どこに目をやっていいのか分からない。 速水さんのにこにこ笑顔がなんだかいたたまれなかった。 カメラの画面がこっちを向いてるのがまた、恥ずかしい。 しばらく腰を揺らし、痛々しい沈黙が場を包む。 ……いや、違うなら違うって言ってよ。気づいてるでしょ、俺が童貞だって。 こんなアホな行動してるんだからさぁ!!! 顔が赤くなる。唇をきゅうっと噛み締めていると、速水さんは楽しそうにカシャカシャとシャッターを切った。 え、これでいいの? いや、ちがうよね。 「ほんとに、こう、で、いいんですか?」 「可愛いから撮っちゃった。けど、イメージとは違うかなぁ。とりあえず止まっていいよ」 ですよね、と思いながら腰を止める。 やっと解放された気分だ。 「早乙女くん、えっちしたことないの?」 「え、ア、ハイ」 「そうなんだー。アイドルだもんねぇ。いつもは一人で?」 「は、はい……」 セクハラ……? いや、男同士だし、仲を深める会話の範疇だよな……? 「は、速水さんは、……」 「え? ナイショ♡ まあ大人だから。それなりに」 「へ、へえ……」 「あ、でも好きなひとには一途だよ。付き合ったら絶対浮気しない」 「そっすか……」 「ホントなのに。信じてないね」 ふふ、と笑う速水さんは、なんだか妙に色気があった。オトナの余裕とやらなのか。 こんなひとに好かれるひとは、さぞかし魅力的なんだろうなと思いつつ。ちょっと胸の奥がモヤッとした。 「じゃ、もっかい。今度は腕を後ろについて」 「え? あ、………は、はい」 「胸、そらして。乳首を僕に差し出すみたいな感じで」 ええ……? や、やったことないよ……。 という弱音をごくりと飲み込み、胸を張る。 おずおずと自分の胸を見下ろした。乳首を差し出すってどういうことやねん。 まじまじと見たことなんかなかったが、大人しいサイズのピンク色の乳首がツンと尖っていた。 「顎引いて、僕を見て。僕の瞳」 声をかけられ、速水さんに視線を向ける。 速水さんの視線は熱く、鋭くて、喰らい尽くすようなオスの瞳だった。 不意に、どきどき、心臓がうるさく鳴る。 口の中で、じゅわ、と唾液が溢れるのが分かる。喉を鳴らしそうになるのを耐えた。 速水さんがカメラを向ける。 レンズ越しでもわかる、熱量。真剣な眼差し。 カシャカシャ、と写真を撮る音が、静かなスタジオに響いた。 しばらく撮影し、速水さんがデータを確認する。 笑顔は変わらないけれど、あんまり納得してないのは明らかだった。 「ライト強かったかな~。ごめんね、ちょっと調整するね」 「……すみません」 できたばかりのデータを俺も見せてもらったけど、やっぱりーー、ちょっと違う、ってのはわかる。 子供っぽいというか。浮いてるっていうか。 ……どうしよう。 「じゃあ、次はーーーーあれ?」 速水さんが言葉を止める。視線の先には、俺の下着。 速水さんの切れ長の瞳が、きょとんと丸くなっている。 なんだろう、と俺もちらりと視線を下ろす。 グレーのボクサーパンツの下では、肉棒が硬く勃起していた。 「…………っ!!! あっ………!!」 「あはは、緊張しちゃった?」 「す、すみませんっ………!」 急いで股間を押さえる。 ……どうしよう。 実は、俺は緊張すると勃起するクセがあった。 それこそ初の舞台とか、ツアーとかがあるときは。 といっても15歳くらいまでのことで、仕事に慣れた今はなくなった。 だからずっと忘れていたんだけど。 (なんで今!? よりにもよって下着の撮影をしてる時に!!!) グレーのボクサーパンツにはガチガチに硬くなった肉棒が浮き上がっている。 ピチピチのサイズだからか、もう形も大きさも絶対分かる。なんなら先走りで濃い染みがちょろっとついてしまった。 パンツの上から強く押しこむ。 おさまれ、おさまれ、と念じるも、緊張するから余計ガチガチになってくる。 「…………っ、すみませ、おれ………、」 真っ赤になって謝ると、速水さんはしれっとした顔でカメラを向け、カシャ、とシャッターを切る。 「えっ、まっ………! い、いまっ……!?」 「んー。やっぱちょっと生々しいねぇ。下着に染みがあるのは先方NGかも」 速水さんが撮ったばかりのデータを確認して呟く。 先方NGと聞いて、俺はびくりと肩をふるわせた。 そうだ、この下着は撮影の衣装、借り物なのに。 ……抜いてくるべきか、収まるのを待つべきか。 頭はパニックで、どうしたらいいかもう分からなかった。 速水さんがすっと手を伸ばす。 下着越しに俺の肉棒に触れ、くすくす、と笑った。 「ガチガチじゃん。かわいー」 「ご、ごめんなさ………あっ」 不意の刺激に、身体がビクビクする。 背骨から全身に抜けるような快感が込み上げてくる。 「そ、それ、だめ、ですっ……!」 「えー? だって勃ってると撮影できないよ」 節ばっているしなやかな指が、俺の肉棒をなぞる。 じゅわじゅわ、とグレーの生地に粘性の液体が染み入った。 「それとも、このまま撮っちゃっていい? みんなに見られちゃうけど」 コレ、と、固くなった先をつん、と弾く。 速水さんが切れ長の瞳を猫のように細めた。 なけなしの理性で首を振るも、その間も軽い愛撫は止まらない。背筋がびくりと震えてしまう。 「じゃあ、おいで」 速水さんに手を引かれ、そのままベッドに倒れこんだ。 「あっ、あぁっ、やっ」 「もー。こんなに濡らしちゃったらダメじゃん」 下着越しに上下に摩られる。 先っぽを布でぐりぐりと刺激されると、どぱどぱ先走りが溢れてきた。 グレーのボクサーは漏らしたみたいに濡れて、情けない勃起ちんぽが浮かび上がっていた。 手足をバタバタさせると白いシーツが絡み合ってうまく動けない。溺れているみたい。 速水さんに目を向けると、にこにこした瞳を浮かべていた。 「あれ? こっちも勃ってるね」 ぴん、と乳首を弾かれた。 「ひゃぁっ」と高い声が零れ、咄嗟に口を押さえる。 速水さんは下着から乳首の手を移動させ、こねる。ツンとしたピンクの乳首が張り詰めてるみたいで、速水さんの指に触れる度にぞくぞくした快感が走った。 「や、やあ、」 「乳首も収めないとね。ほら。こんなにえっちになっちゃってるから」 きゅう、と押し込まれる。「んんっ」と肩を揺らし、こくこくと頷くも、びんびんになった乳首は真っ赤になっていやらしく自己主張していた。 「いっそ魅せるのもアリかも」 「ぁっ」 「うん、いいね。むしろ、もっとこう、強調したいなぁ」 速水さんは俺の乳首をちゅるっと吸った。腰の下から刺激が抜けるように弾けて、俺は思い切り背を反らした。 「ば、やっ、なに、っ、なにやってるんですかっ」 「んー? 水分を与えてる」 「だ、だめっ、ですっ」 そこでしゃべんないでください、と言いたいのに、うまく言葉にならない。高く甘い声ばかりが零れてしまう。 速水さんは厚い舌先で乳首を弾き、吸い、そのまま胸板を舐めーー、だんだんと首筋まで舐める。柔らかな快感が肌を通り、びくりと震えてしまう。 耳の縁を吸われ、音が脳にそのまま響いた。 「ほら、いい色になったでしょ」 ぴん、と弾かれた乳首は、もう真っ赤に充血して、唾液でテロテロになっていた。 ショートケーキの苺みたいに。つんと勃ち、触られるのを待っている。 「あ、あ………、」 「すっごいセクシーだよ、早乙女くん。やっぱり僕の見立ては間違ってなかった」 速水さんは恍惚の笑みで俺を見下ろす。 頬が紅潮して、楽しそうにワクワクしている。 優しげなお兄さんだったのに、なんか、急に、雰囲気違う。 見立て?って? おれ、こんなの初めてなのにーーー 「下着、濡れちゃうから脱がすね」 先方に怒られちゃうから、と微笑む。 脱がされた下着は、もう染みどころじゃない。どろどろべたべた。 もう今更じゃないか、と思う気持ちと、こんなになっちゃって申し訳ないという気持ちが混ぜこぜになっていた。 びんっとした性器は高らかに天を向いていて、だらだらと先走りを零している。 くそ、なんでこんなことになってんだよ、って怒りたいような、情けないような、恥ずかしいような。 「とりあえず抜いとこっか」 速水さんは俺の肉棒を両手で包み込み、上下に摩る。途端に走る刺激に腰がびくびくと跳ねた。 「んっ、ひ、ひとりで、できますっ」 「えー? いいよいいよ。遠慮しないで」 「えんりょじゃ………あぁっ」 「ほら、ここ。イイでしょ」 裏筋をつつ、となぞられる。いつもしてるひとり遊びと全然違う。速水さんの手は不思議で、触れるところが全部、気持ちいい。 全身から粟立つみたいに快楽が込み上げてきて、必死で口を押さえる。 「出しちゃっていいよ」 艶めかしい低い声が耳元で響く。 自分の中の堰が、崩壊するのが分かる。 立派な熱い手の中、青臭い液体がびゅるるっと放出された。 「は、は、……っ、は」 「おつかれー。早乙女くん。ヨかった?」 「は、……はい……」 あれ? 何してんだっけ、俺。 射精したばかりのぼーっとする頭で考えた。 息が整い、冷静になってくると、自己嫌悪で死にたくなった。 初めて会ったばかりの、しかもカメラマンの、これからも一緒に仕事をするかもしれない人に、俺、なにしてんの? 速水さんは楽しそうに見下ろしている。 その両手には出したばかりの俺の精液がべっとりついていた。 「す、す、すみま、せ…………」 「ん~? なにが?」 「おれ、速水さんの手に…………ひゃっ」 速水さんは、ベトベトの手で俺のアナに触れた。 「え? え、な、なにを」 「まだ勃起が収まってないみたいだからさ」 「そんな…………っ!?」 勢いよく自分の下半身を見る。 出したばかりのハズなのに、硬さを取り戻していた。 「まだ撮影できなそうだね。出し切ったほうがいいよ」 「え、あ、すみませ………」 「いいっていいって。でも一カ所だけいじると痛くなっちゃうからさ。こっちで気持ちよくなったほうが楽だよ」 す、とナカに、速水さんの長い指が入っていく。精液で粘り気があるとはいえ、きつい。 なんでそこ、とか、だいじょうぶです、という声を出そうとしても、「んっ、あ」と、うわずった喘ぎ声が零れてしまう。 「いっぱい出したら撮影しようね」 「………っ、は、はい」 わけわかんなくなり、とりあえず頷く。 そうだ、撮影。ちゃんと仕事しないと。 俺が勃っちゃったから、速水さんは親切でしてくれてるだけーーー (あれ? ほ、ほんとに、そう……?) 速水さんはベッドサイドにあるチェストからローションを取り出した。ねばねばの液体を手に取り、また俺のナカに指を入れる。 浅いところをきゅっとこすられると、ぞくっとした快感が込み上げてくる。 (……なんで撮影スタジオなのに、ローション………?) ちら、と違和感がよぎるけど、速水さんの指が一点をかすめて「ああっ」と叫んでしまった。 「や、ああ、そ、そこ、だめっ」 「ここ?」 「そこぉっ、そ、や、ぁああっ、だ、だめっ」 頭を振り、いやいやと抵抗する。 けど、速水さんは「こう?」と、とぼけたようにそこをいじる。 とんとんと優しいタッチなのに、急にぐんっと強めたりして、そのたびに俺は喉をそらして叫んだ。 ローションのせいで粘性の音が響いている。 速水さんは指を増やして、ナカをばらばらにかき混ぜた。 だめだめ言ってもずっと攻められ、もう、いま何本入ってるのかも分かんない。下はとろとろぐちゃぐちゃ。 喘ぎ声も掠れてきて、頭もふわふわしてきた。 「きもちい?」 「はいっ、ぁっ、きもちい、ですっ」 「もっときもちよくなりたい?」 はい、とぐちゃぐちゃになった頭で返した。いみはよくわかんないけど。 全身がピンクになるくらい熱くなって、打ち上げられた魚みたいにビクビクして、口からは唾液がだらだら零れてる。 これ以上”気持ちいい”なんて、あるわけないのに。 速水さんは微笑んで、そのまま指をすっと抜いた。 途端に空白になるナカ。ずっと与えられていたものが急になくなって、ひくひくともの寂しさにアナが動く。 「……もう、おわ、り………ですか………?」 俺はきゅ、とシーツを握って、涙目で速水さんを見上げた。 速水さんはきょとんとした顔になった。 「え? あ、ごめん、勘違いさせちゃったね」 「え………あ、はい」 「むしろ本番はこっち」 速水さんは着ていたシャツを脱ぐ。ごくり、と唾を無意識で飲み込んだ。 表れた身体には均整のとれた筋肉がついていた。ギリシャの彫刻みたいだ。 そして、スラックスに手をかけ、下着を取り払うと。 「…………え」 ぶるんっとした肉棒が飛び出してきた。 力強く勃起し、血管が浮き上がっている。 端正な顔に似合わないような、赤黒くゴツい。 ーーー圧倒的なオスだ。 「これで気持ちよくしてあげるね」 ぴと、とアナにつけられる。ローションまみれで、ねと、と半透明の糸を引く。 でかすぎる、入るわけないじゃん。 喉の奥が引きつるものの、速水さんはそのまま腰を進めた。 「………っ、あ」 「あー。ふふっ、可愛い………」 「んっ…………あ、え、あっ」 肉棒をゆっくりと入れながら、速水さんが俺に覆い被さる。 愛おしそうに頬を撫で、うっとりとした笑みを浮かべた。 「ずぅーっと好きだったんだよ」 ………え? な、なんか、………速水さん……? スタジオに入ったときに言われた「好き」とは、ちょっとニュアンスが違うような。 なんか、こうーーー、もっと、重いような感じがする。 涙目で見上げる。 速水さんの瞳は、獰猛な獣のように鋭く光っていた。 「え、あ…………っ、」 「息はいて。そー。ゆっくり。ふふ、可愛いなぁ」 「はぁ…………んっ………あ、」 下半身からせり上がる圧迫感に、呼吸が浅くなる。 速水さんに言われ、呼吸を意識するけど、正直それどころじゃない。 速水さんが手を握る。指を絡ませる、いわゆる恋人繋ぎで。皮膚の弱いところに触れ、ぞくりと快感が走った。 「碧くんさ、緊張すると勃っちゃうんだよね」 「…………え、」 「初めての全国ツアー。碧くんは一番後ろの立ち位置。お客さんがたくさんで、頭真っ白になっちゃってたでしょ」 なんで、と速水さんを見る。キラキラした瞳はじっと俺を見つめていた。 確かに、初の全国ツアー、俺は緊張してーー勃ってしまったけど。 一番後ろで目立たなくて、衣装もだぼっとしてたのにーーー ぐん、と突き上げられる。 ひゃぁっ、と叫んで、また何も考えられなくなった。 「ぇ、ああっ、あっ、や、ああっ」 「どうしよって泣きそうになりながら、でもがんばんなきゃって踊ってる姿。可愛かったぁ。えっちで、すっごくえっちで………」 「んあっ、、や、やあっっ、ぁっ」 「僕、絶対この子を撮りたいって思ったんだ」 速水さんが腰を勢いよく打ち付ける。 ずちゅん、ずちゅん、激しい水音が響く。 太くて長い肉棒が、ナカをえぐるように蹂躙する。 「碧くんを指名できるくらいまで頑張って上り詰めてーーーー、」 やっと指名できた、と、速水さんは消え入るような声で呟いた。 速水さんが俺の頬に手を添える。頬は紅潮し、唇がほころんでいる。 キスされる。舌が入ってきて、熱い。 じゅるっと吸われ、歯列をなぞられ、息が上がった。 ぷは、と口を離され、途端にずんっと奥まで入ってきた。 「みんなに知ってほしい、碧くんは、こんなに、こんなに可愛いのにっ」 「ああっ、あっ、や、やぁっ、あっ」 「でも知られたくない、僕だけのものにしたいっーーーああ、」 ぎゅうっと強く抱きしめられる。 ぱん、ぱん、と打ち付けられながら。 「わけわかんないくらい、好き」 奥のきもちいとこに当たって、腰が跳ねた。 打ち上げられた魚みたいにビクビクする身体を、速水さんは全身で押さえつける。ぎゅう、と強く掻き抱く。 耳元に、速水さんの荒い呼吸が響いている。 すき、すき、かわいい、すき、ーーーと、ぶつぶつ繰り返して。 「ほらっ、碧くん、たくさん出して? きもちいいの、たくさん出して」 「あんっ、あ、やっ、ああっ」 ぱちん、と風船が弾けたみたいな感覚が走った。途端にぴょこんと跳ねている性器から、びしゃっと半透明の液体が、勢いよく零れる。精液じゃない。さらさらしてる。 「いい子だね。かわいい」 「…………い、いこ…………?」 「うん。いい子。上手に潮ふけたね。もっと出そ?」 しお? しおって………? 頭はもう、まっしろだった。 でも、速水さんが出してって言うから、激しく揺さぶられながら、出した。 びゅーっ、とまた溢れて、ベッドはもうびしょ濡れだった。性器がぺたん、と腹を叩いて、ぴゅ、ぴゅ、と情けなく液体を飛ばす。 自分の出した液体が顔にかかる。びちゃ、ずちゅ、びちゃ、もうなんの液体で濡れてんのか分かんない。 途端に速水さんが歯を食いしばって、ぐっと押し込む。ずん、と奥が刺激され、ナカがきゅんっとなる。出したはずなのに、また硬くなっちゃった。 ずぽずぽ、勢いが上がる。力なく速水さんの背中に手を回しながら、すがりつく。 「イっていいよ」 ごく近くの距離で、視線があう。 その声に、俺はぴゅる、と薄い精液を飛ばした。 そして、速水さんも、は、と浅く息を吐いた。 途端に、ナカにとぷとぷと、温かいものが注がれるのを感じた。 ーーーーあおいくん え? なまえ、よばれてる? なにしてたんだっっけーーーー ーーーーこっちみて、あおいくん まどろむ意識が、ふと浮上する。 声のした方を探す。けど、うまく見つからない。 どっちだろう、と顔を動かすと、カシャ、と音がした。 「はい、おっけ-」 「…………え?」 「うん。ばっちり。そうそう、これこれ、撮りたかったヤツ」 …………え? 下半身が重い気がする。 全然状況が掴めなくて、ふと自分の身体を見下ろす。 立派なベッド、白い滑らかなシーツがビロードに波打って、その中心で、俺が寝ている。 上半身はシーツで適度に隠しながら、グレーのボクサーパンツを身に付けている。 「……え?」 え? 撮影? いや、あれ? ああ、確か、俺は撮影でここに来て………。 びしょびしょだった身体は何もなかったみたいにさらさらしてる。 ぐちゃぐちゃだったはずの下着は新品になっている。 なんならシーツだって濡れてない。 ……全部夢だった? いや、でも。 腹の奥に感じるぽっかりした感覚は確かにある。 速水さんを見上げた。 すっかりシャツもスラックスも身につけ、最初に会ったときと同じ綺麗な格好をしていた。 「身体、大丈夫? 辛くない?」 「あ、え、………だ、大丈夫、です」 「よかった~。たくさん出しちゃったからね。お水飲むといいよ」 はい、と呑気にペットボトルの水を手渡される。 意味が分からないまま飲むと、すっきりした水が喉を通る。おいしい。 ………って、 「ちがーーーう!!!」 「え?」 「さ、撮影!!! なのに!!! なんで、お、おれたち、えっちしてるんですか!!!」 もしかして、これが目的だったのか!?  最中も好き好き言ってたし、お、俺の緊張勃起のことも知ってたし………!! 猫が毛を逆立てるみたいに、ぐるる、と唸るようにシーツを握る。 速水さんはきょとんとしながらも、すぐににこっと笑った。 「だって碧くんが勃っちゃうからじゃん」 「ぬ、抜くだけでいいじゃないですか!」 「まあ、正直、やりたいなーとは思ってたけど。依頼したときは食べちゃうつもりはなかったよ」 「うそだっ!」 「ホントホント。勃っちゃったの見て、可愛くて我慢できなかった。ゴメンね」 てへぺろ、とばかりに速水さんが言う。 その顔に、なんだかへなへなと力が抜けた。 まあ、………たしかに。 一度勃起すると全部出し切るまで続くタイプではあるし。 ……きもちよかったけど。 けど、恥ずかしいのは恥ずかしいのだ。 俺は、シーツにくるまりながら、うう、と唸った。 「あ、データみる?」 「え、あ…………はい」 データを見せられる。その瞬間、息を呑んだ。 滑らかな白いビロードの上、うっとりした瞳を向ける被写体は、初めて見るような美しさを放っていた。 「……これ、おれ…………?」 「そうそう。これで碧くん、ブレイク間違いなしだね」 「え、あ、はい…………」 肌がピンクに染まり、瞳が潤んでいる。 滑らかな足の下で目を引く、シンプルな下着。 いやらしさよりも色っぽさというか、オトナの色気というかーーー これが、俺? 俺、こんな顔できたんだ……。 ずっとコンプレックスだった子供っぽさが消えている。 そりゃ、事後なんだから、そうなんだろう、けど。 「いいでしょ。碧くんはさ、肌が綺麗だから。こう、たくさん魅せてもイヤらしくないんだよ。シンプルな下着で日常感を出しつつ、”いつも知ってるあの子のふとした瞬間”ーー、みたいな。そんなコンセプトで撮りたかったんだ」 速水さんは愛おしそうな瞳でデータを見つめている。 俺は、きゅっと唇を噛んだ。 13歳で芸能界に入ってから、ずっと後ろの方だった。 ファンの数も一番少ないし、頑張っても空回りしてるみたいで、ずっともどかしくて。 誰にも見てもらえてないんじゃないかって、思ってた、けど。 「……なんでおれだったんですか」 「ん~、単純に僕が碧くんを好きってのもあるけど。下着ってエロすぎるとダメなんだよね。でも碧くんならヘルシーにセクシーでいけるし、イメージにぴったり。絶対碧くんがいいなって思ってた」 「……でも、」 速水さんが微笑む。 大きな手が、さらりと俺の髪を撫でた。 「きみは魅力的だよ。色気もある。素敵だ。こんなにそそられる人、いないよ」 きらりとした瞳が、俺を優しく見つめている。 どくん、と心臓が跳ねた。 うう、と真っ赤になってうつむく。 恥ずかしいような、照れちゃうような。 「それ、口説いてんすか」 「まあ、正直」 「………ばか」 ちょろいよな、うん。我ながらちょろすぎる。 褒められたからって。昔からファンだったからって。好きだって言われたからって。 ……ずっと見ててくれたからって。 「ちゃんと言ってください」 「言っていいの?」 「……ちゃんと言ったら考えます」 「好きです」 「……ん」 「僕と付き合ってください」 「…………もー」 ふい、と顔を背ける。 けど、速水さんは俺の頬に手を添え、視線を合わせた。 「返事、くれる?」 「…………はい」 「……。…………それ、どっちのハイ?」 速水さんが若干心配そうな影を瞳の奥に走らせ、緊張気味に尋ねる。 めずらしいな、と思った。 完璧そうで、飄々として、にこにこして、手のひらで転がしてきたのに。 ーーーかわいい。 俺は、顔を近づけて、ちゅっとキスした。 触れるだけのキスだし、勢い余って歯が当たってしまったけど。 「付き合う、のほうですよ。ばーか」 速水さんはきょとんとして、すぐにくしゃっと笑った。 「ね、いま写真、撮っていい?」 「……えー」 「恥ずかしい? 勃っちゃう? もっかいする?」 「もー、ばか!」 そう叫ぶ俺の顔を、速水さんはカシャッと一枚撮った。

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