10 / 16

第10話

朝、目が覚めて、一番に襲ってきたのは虚しさ。 なんであんな夢を見たんだろう? 「もう限界、かな?」 ボソッと吐き出した言葉は誰に届くことなく消えていった。 悲しくて辛くて、もうこの先なんて全く見えない。 それでも学校には行かないといけなくて、だるい体にムチを打って家を出た。 「…和明くんっ」 家を出た途端、聞きなれた声に足が止まる。 目の前には会いたくて──会っちゃいけないと思っていた人物。 「直…先輩。なっ…どうしたんですか?」 あくまで平常心を装うつもりが、声が震えてしまう。 「どうしたって…和明くんの…っ、せいだよっ」 「え? せん、ぱい…?」 突然悲しそうに涙をこぼし始めた直の姿に、明らかに和明の表情に戸惑いがみえた。 本当ならここで抱きしめてあげたい。 なのに、あの先輩の言葉が気になって怖気付いてしまう。 「嫌いになったなら…そう、言ってよ。こんな風に避けられるの…もう耐えられない」 違う、嫌いになんてなってない。 そんな想いを声に出せない自分に腹が立った。 散々傷つけたのは自分。 逃げたのも自分。 それを誰よりもわかっているから、和明の足は竦んでしまった。 でも、ここで同じように避けたら、きっと戻れなくなる。 「嫌いになんて…なってませんよ」 「じゃあ、なんで…?」

ともだちにシェアしよう!