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第48話

運ばれてきたピザは、柴田や光輝にとってちょうど良いサイズだった。 「うまっ!」 思わず光輝の声が出た。 続いて柴田も食べやすくカットしたピザを口に運ぶ。 「ほんとだ。美味い!」 柴田も、本場の味に夢中になり舌鼓を打った。 ジョルジオやルカも、満足そうに柴田たちのことを見守っていた。 お腹も満たされ、ほろ酔い気分で幸せな時間に浸る。   食事が済むと、ジョルジオとルカが何やら話をして、こちらをチラチラとうかがってきた。 何だか品定めでもされているようで、気分はあまり良くないかもしれない。 『なんだ?』 そう思って隣を見ると、光輝も少し眉を顰(ひそ)めていた。 「アナタタチワ トモダチドウシデスカ?モシカシテ、ツキアッテマスカ?」 「え……」 本当であれば不躾な質問だと思うだろうけれど、外国人なら明け透けに聞いてくるのだろうかと思う。 ジョルジオのしてきた質問に戸惑ってしまい、どう返答していいのか迷ってしまう。 光輝と顔を見合わせたら、彼も戸惑っているようだった。 「フタリワ トクベツナカンケイジャナイノカト ルカガイッテイマス」 観念した柴田は、事実を伝えることにした。 「そうです。俺たちは付き合ってますよ」 すると、ジョルジオたちの目が輝いた。 「オー!ソレワスバラシイ!ワタシタチトイッショニ タノシイコトシマセンカ?」 「え、え!?」 柴田は状況が飲み込めない。 「何かヤバくない?」 光輝も焦りを感じているようで、耳打ちしてきた。 「あぁ、まずいよな……」 身構えていると、さらなる衝撃が襲う。 「ワタシワ アナタガ キニイリマシタ」 ジョルジオの視線の先には柴田がいた。 「は、はぁ?」 「ルカワ ソチラノカレガイイソウデス」 ジョルジオの視線の先には、光輝がいた。 『はぁ!?』 冗談じゃない。 酔ってはいたが理性は保っている。 その酔いも一気に醒めてしまう。 「コレカラ モリアガリマショウ」 「せっかくですが、そういうつもりはないので」 「ワタシタチデハ ダメデスカ?」 ジョルジオは悲しげな顔をした。 「いや、そうじゃないけど、やっぱりそういうのはやめときます。な?」 光輝に同意を求めると、彼も「うん」と頷いた。 ルカが何かをジョルジオに言ったので、それをジョルジオが訳した。 「ルカハ タノシマセル トイッテイマス ドウデスカ」 そう言われても、さすがに無理だ。 そんな趣味はない。 「でも、無理です。他探してください。それじゃ……」 柴田は光輝の腕を掴み、その場から逃げるように立ち去った。 食事代は、ジョルジオたちが奢ってくれると言っていたので大丈夫だろうか。   そのまま柴田たちは、歩いて十分ほどの場所にあるホテルに戻った。 せっかく良いホテルに泊まれるのに、少しモヤモヤとした気分になってしまう。 「何か、びっくりしたな」 疲弊した体をベッドに腰掛けて柴田が呟いた。 「本当だよ。まさかあんなこと言ってくるなんてな」 光輝も溜め息を吐いた。 「見知らぬ外国人にホイホイ着いて行っちゃダメだな」 柴田の言葉に、光輝が頷く。 ジョルジオたちは、最初から狙って声をかけてきたのだろうか。 そもそも食事に誘われた時点で断れば良かったと、柴田は後悔した。 「俺、飲み直したいな」 「そうだな。ルームサービスするか」 「うん!さっきワイン飲んだからシャンパンがいいな」 「ちょっと高いけど、せっかくだし飲むか」 早速、部屋までお酒を運んでもらった。 「カンパイ!」 応接セットの椅子に向き合って座った二人は、声を揃えてカチンとグラスを合わせる。 「今日色々あったけどさ、楽しかったな」 「うん。龍二さんからコルノもらったし。お揃いのアイテムができて嬉しいよ」 「俺も」 二人はお互いに微笑みあった。 こんな穏やかな時間を過ごせるのは、光輝とだからこそだ。 「幸せだ……」 シャンパンのアルコールも回り、気分が良くなる。 「俺も幸せだよ、龍二さん……」 光輝はトロンとした目をしている。 「何か俺、ムラムラしてきちゃった……」 そう言って立ち上がった光輝は、柴田の後ろに回りそっと腕を回した。 「おい、どうしたんだよ……」 「ね、いいでしょ?二人だけだし、楽しもう?」 光輝のキスが柴田の頬に降りた。 その一瞬で火がついた柴田は、光輝の腕を剝がして自分の膝の上に座らせた。 「いいんだな?もう止まらないぞ?」 「うん……明日、観光できるかな」 チュっと光輝が唇を触れ合わせてきた。 「それは、その時だ」 「ん……俺も止まんない……愛してるよ……龍二さん……」 二人のキスがどんどんと深くなっていく。 それはまるで、お互いの想いを表すかのようだ。 「知ってる……今夜は寝られそうにないな……」 柴田と光輝は異国の地で、甘く燃えるような夜を過ごした。                                 FIN

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