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お狐さまとの一夜の儀式
民俗学者である佐藤秀彦 がO県の山間にある集落に向かったのは、狐信仰の調査の為だった。何でも村に祀られているお狐さまに纏わる門外不出の儀式があるらしい。古い文献に記されていたたった数行の情報を頼りに集落入りした秀彦に、けれども集落の人間は優しかった。
先生、先生と人懐っこく外の世界の話をせがんでくる。秀彦は彼らに乞われるがまま、山の外の世界の話をした。そして彼らがお礼にと村で取れた食糧で作ってくれた料理に舌鼓を打った。
とはいえ、秘事だけはある。儀式の話となると、○○さんに聞いてくればかりで核心に迫る情報がまるでない。
たらい回しにされた秀彦が行き付いたのは、庄屋筋の山之内 家だった。
現在の当主である泰之 の話によれば、この集落は平家の生き残りが興したものであるらしい。源平合戦に敗け、源氏の追手から逃れる為に逃げ込んだ先を、そのまま村として機能するように開拓していったのだとか。よくある平家伝説ではあるが、この話には続きがあった。
ねぐらを奪われたお狐さまが、この地に彼らが住まうのを許す代わりに、取り引きを持ち掛けてきたというのだ。
それがこの集落に伝わる儀式なんですよ。そう云って、秀彦の顔を覗き込んできた泰之は、秀彦の真面目な表情が崩れないことに安堵した様子だった。もし良ければ儀式に参加しますか。誘い文句に、断る理由などない。秀彦は二つ返事で儀式への参加を了承した。
勿論、門外不出の儀式である。儀式の内容については、集落の人間相手でも口にしてはならないとのこと。
記録を残すのも禁止と訊かされた秀彦は多少落胆したが、民俗学の調査では良くある話でもある。それよりも未知なる儀式に対する好奇心が勝った。わかりました。説明を聞いて頷いた秀彦に、泰之は満足げだった。
――集落の人間は、正直、もう儀式に飽きてしまっているんですよ。
泰之曰く、儀式はお狐さまを祀る神社の本殿で行われるらしい。秀彦は泰之に続いて、本殿に続く長い石段を上った。階段の途中で振り返れば、夕闇迫る集落の全景が目に映る。この美しい集落でどういった秘事が行われているのだろう。期待に胸を膨らませながら石段を上がりきり、狐を祀っているにしては大きな本殿に入る。
中には一人前のお膳と一組の布団が用意されている。
ここで一晩を過ごせばわかりますよ。そう云い置いて集落へと戻って行った泰之に、秀彦は不安になった。とはいえ、他にすべきこともない。布団の枕元に置いてあった浴衣を着て、お膳をあがりながら時間が過ぎるのを待つ。おかずは七品。川魚の塩焼き、山菜の煮物、里芋の煮炊き、青菜のおひたし、卵焼き、冷ややっこ、漬物。ゆっくりと噛み締めていると、本殿の奥から足音が聞こえてきた。
腿にかかる程度の長さの浴衣を身に纏い、顔の半分を狐の面で覆った小柄な少年が酒瓶を手に歩んでくる。
歳の頃は十三、四ぐらいか。秀彦の膝の上にすっぽりと収まりそうな大きさ。すらりと伸びた手足が印象的だ。
もしや小谷 家の息子ではなかろうか。秀彦は隣に座って、お膳に用意されていた空の升に酒を注ぎ始めた少年に視線を注いだ。狐面にかかる前髪が、薄茶色に染まっている。
「どうぞお飲みくださいませ」
声を聞いた秀彦は確信を持った。やはり小谷風人 だ。
米農家の一人息子は人見知りがあるらしく、他の集落の人間たちのように秀彦に話をせがんでくることはなかった。いつも父の後ろに隠れるようにして、秀彦の話を聞くばかり。風貌は繊細な美少年といった塩梅で、父の道行 の話によれば、山ひとつ越えた先にある中学校に彼女がいるらしい。
「この酒は飲まないとならないのかな」
「お神酒となりますので、一口だけでも」
「わかった」秀彦は半分ほど酒が注がれた升に口を付けた。
まるで水のようだ。柔らかな味わいについつい一気に飲み干しそうになるが、そこまで酒に強い性質でもない。酔って儀式を台無しにしてしまおうものなら、この数週間の調査の苦労が無駄になってしまう。一口に留めた秀彦は升をお膳に置いた。
「もう結構でしょうか」
「ああ。あまり酒に強い性質ではないのでね」
「なら、失礼します」
風人が秀彦に身を寄せてくる。何をされるのだろうと身構えた秀人の浴衣の裾を、小さな手が開いた。まさかと思いながら成り行きを見守っていると、股間に手が触れてくる。ちょっと待ってくれ。秀彦は慌てて声を上げた。
「これが儀式、なのかい」
「泰之さまにはお伺いしてないでしょうか」
「全く。本殿で一晩過ごせばわかるとだけしか聞いていないよ」
「ならご説明申し上げます」
そのままの体勢で話をするつもりであるらしく、風人の手が股間から離れる気配はななかった。それどころか、意外にも慣れた手つきで股間を撫で回してくる。
十三歳の少年とは思えぬ手さばきに、秀彦としてはなんとも落ち着かない心持ちではあったが、これも儀式の手順かも知れないと思うと、迂闊に手を押し退ける訳にもいかず。ただ、黙って風人に身を任せて、彼の話に耳を傾けるばかりだった。
「私は今年のお狐さま憑きになります」
風人の話を纏めるとこういうことであるらしい。
年に一度の神社の神事でお狐さまに選ばれた少年が、お狐さま憑きとして一年間、毎月一度の儀式に当たるのだそうだ。儀式の内容はお狐さま憑きとの交尾。お狐さま憑きを介して、お狐さまが人間の生気の取り込むのに必要であるのだとか。
と、なると、気になるのは参加資格だが、神事に参加出来るのは十歳から十五歳までの少年、儀式に参加する者は成人男性と定められているだそうだ。理由は定かではない。ただ、そういう取り決めをお狐さまとしたという文献が残っているからということであるらしい。
「しかし、その、いいのかい。僕は部外者なんだが」
儀式について集落の人間が語りたがらない理由を覚った秀彦は、だからこそ浮かんだ疑問を風人にぶつけた。風人の答えはYESだった。神事に参加する少年は集落の人間でなければならなかったが、儀式に参加する人間は集落外の人間でもいいのだそうだ。
遥か昔には、客人をもてなす手段のひとつでもあったようだ。
ただ、文明が発達した今となっては、何処からどう情報が洩れるかがわからないこともあり、儀式の参加者も集落の人間に限ってしまっていたのだという。
「儀式の決定権はこの神社を管理する山之内家にあります。ただ、近頃は参加者を募るのが難しくなってきていて、泰之さまがお相手を務められることも珍しくなくなりましたが……」
「ああ、云っていたね。集落の人間は儀式に飽きてきていると」
「とはいえ、儀式を行わないと集落に災厄が訪れます。五十年ほど前に一度儀式が絶えた際には、集落の半数が死に絶える疫病が流行ったとの話です」
「成程。と、なると、一晩をただここで過ごすだけにして出て行くのは」
「お止めいただきたく存じます」
どうやらこれ以上の説明は不要と思ったようだ。風人の手が秀彦の下着の中に入り込んでくる。中のモノを引き出された秀彦は焦った。熟 れた愛撫に逆らい切れず、硬くなり始めてしまっている肉棒がそこにある。
「ご安心ください。私はお狐さま憑きを、もう三期ほど務めさせていただいています。こういったことにも慣れていますから」
「でも、最初の内は大変だっただろう」
「お狐さま憑きに選ばれてからの一か月間は、山之内家で修行が行われますので」
「ああ、そういう……」
何ともグロテスクな話だ。そう秀彦は思うも、女性に縁のない学者生活だ。風人の手技についつい身体が反応してしまう。加えて、少年とはいえ、風人自身も男である。感じ易いところを心得ているような手の動きに、秀彦の理性は次第に追い詰められていった。
「如何でしょう、秀彦さま。大分、気持ち良くなられているご様子ですが……」
風人自身も身体を熱くしているのだろうか。半開きになった桜色の口唇から、切なげな吐息を洩らしている。
「ああ、もう、こんなに硬くなられて」
じっとりと纏わり付く手が、亀頭を摩り、陰茎を扱いてくる。続けて陰嚢を揉まれた秀彦は、ああ。と、思いがけず溜息を洩らしてしまっていた。すっかり漲った男性器が、今か今かと出番を待っている。性欲の前に道徳は無意味だ。抱きたい。そう秀彦が思った刹那、まるで覚ったかのように風人が浴衣の帯を解いて、秀彦の膝の上に上がってくる。
「好きにお使いください」
「しかし……」
「お狐さま憑きであることは、この集落では名誉なことであるのです」
「僕は男相手にどうすればいいか知らないよ」
「なら、私が教えましょう」
云うなり浴衣の前をはだけた風人が秀彦の手を取り、平らな乳房へと導いてゆく。そして、指の端を乳首に引っ掛けさせると、吸って。と、喘ぐように言葉を吐いた。
「だけど、君は」
「お狐さま憑きの少年は、月が満ちるに従って性欲が増してゆきます。解消の手立ては儀式のみ。ですから、どうか私を救うと思って抱いてください」
「……わかったよ」
秀彦は身を屈めて、風人の柔い肌に口付けた。あまり外で遊ばない少年なのだろうか。若さが溢るるきめ細かさに、白蝋のような白さ。口唇に感じた温もりの心地よさに、秀彦は瞳を細めた。そういった気はないと自認していたが、風人の色気に満ちた肢体を目の前にしているとおかしな気ばかりが起こってくる。
「……そうです、秀彦さま。そのように私をお使いください」
肌に沿ってゆっくりと口唇を滑らせてゆけば、感じているようだ。吐息に紛れて、あっ。と、声が上がった。
秀彦は乳房の中央で小さく膨らんでいる乳首に口付けた。決してする筈のない甘い味がする。夢中になって幾度も吸い上げれば、少年とは思えぬほどになめかましい声が頭上から降ってきた。
「ああ、秀彦さま。そうです。口に含んで、口内で舌を転がすのです」
秀彦は道徳心を捨て去った。いやらしいんだね、君は。顔を見上げて卑しく笑いかければ、狐面の奥の瞳が瞬いた。
「お狐さまの意志ですから」
「本当に?」
秀人は風人の乳首に口付けを繰り返しながら、彼の腿の間へと手を滑り込ませていった。そこは。と、風人が声を上げる。
薄い陰毛。まだ未熟な性器の根元に、赤いリボンのようなものが巻き付けられている。
「これは?」
「私は儀式の最中に男であることを捨てなければなりません。その印になります」
「じゃあクリチンポだ。可愛いね」
秀彦の手にすっぽりと収まってしまいそうなサイズの性器に、秀彦は指を絡み付かせた。緩く扱いてやりながら、狐面の奥の瞳を覗き込む。気持ち良さを感じているようだ。細まった瞳が途惑い混じりに言葉を吐く。
「あっ、あまりお触りになりませんよう……精気が洩れてしまいます……」
「精気が洩れる?」
「お狐さまにとって、精液= 精気であるのです。ですから私が射精をしてしまいますと、折角溜め込んだ精気が洩れてしまうことに」
「その分、僕が君に精気をあげればいいんだよね。こんなに可愛いクリチンポ、可愛がれないのは損だよ」
「秀彦さまがそう仰るのでしたら、どうぞお好きに」
秀彦は風人の身体を布団の上に押し倒した。肌に纏わり付く浴衣が淫靡だ。
腿が辛うじて隠れる程度の丈。浴衣をはだけさせた秀彦は、早速と風人の性器にむしゃぶりついた。口の中に含んで舌を絡み付かせる。どうやらここへの刺激は受け慣れていないようだ。あっあっと、断続的なよがり声が風人の口から洩れ出てくる。
「ああっ、駄目です。秀彦さまっ。そんなにされてしまっては、出て、しまいますっ」
「いいよ、ほら。出しなよ。君のミルクなら僕は飲めるよ」
どうかすると突っ張りがちになる風人の脚を、秀彦は両腕で抱え込んだ。
風人の腰を浮かせて、ひたすらにつるりとした性器を舐る。先端から染み出てくる精液が、彼の快感を伝えてくるようだ。秀彦は口内の奥に風人の性器を飲み込んだ。あっ。と、短い声を発した風人がぶるりと腰を震わせる。
口内を満たす風人の精液を、秀彦は一気に飲み干した。
快感の余韻に浸るが如く、びくびくと腰を小刻みに跳ねさせている風人の性器から口を離した秀彦は、続けてその奥で収縮を繰り返している蕾へと舌を滑らせていった。
三期となると三年だ。
三年もの間、毎月儀式で交尾を繰り返してきただけはある。すっかり熟しきった様子の菊座に、わざと音を立てて吸ってやれば、今更ながら気恥ずかしさが勝ったようだ。声を殺して身を捩る風人に、そういうのは良くないなあ。顔を上げた秀彦は、狐面の端から染まった頬が窺える風人の顔を見下ろしながら口を開いた。
「気持ちがいいならきちんと声を出して。君のおまんこはこんなに男を待っているじゃないか」
「は、恥ずかしいです。はしたないのが知れてしまうのが」
「はしたなくて結構」秀彦は腰を浮かせた。「その方が僕は嬉しいよ」
先走った汁で濡れそぼった肉棒の照準を菊座に合わせる。ぷっくりと膨れてはいるものの、まだ稚さが感じられる大きさだ。腰を進める度にみしりみしりと骨が鳴るような気分になる。ああ、堪らない。吸い付くというよりは締め上げてくる感覚に、秀彦はかつてない陶酔を味わった。
腰を振る。
あぅ、ああ。と、声を上げて背なをしならせた風人が、もっと、もっと激しくしても大丈夫です。そう口にしながらシーツを握り締めている。ならば、望み通りにしてやろう。秀彦は腰の動きを速めた。
「ああ、はぁ、あぅ、ん。おまんこ、もっと突いて」
「いやらしい子だねえ、君は。いつもそうやっておねだりをするのかい」
「は、い。ああっ。そこ、そこ、お願い、そこをいっぱい突いてっ」
抽送を繰り返す。次第に解れてきたのだろうか。やんわりと陰茎を包み込むようになった蕾に、自然と秀彦の腰の動きが大きくなってゆく。
亀頭の先に当たるしこりは恐らく前立腺だ。秀彦は繰り返し亀頭でしこりを擦った。風人の前立腺は年齢に見合わず充分に育っているようで、突く度に甘ったるい喘ぎ声が本殿に響き渡る。これは思ったより早く達してしまいそうだ。具合のいい風人の菊座に、秀彦は我を忘れて腰を振った。あ、あ、いい。抱えている風人の脚が腕に絡んでくる。
「どうだい、一か月ぶりのチンポは」
「はぁ、ああ、いい、ですっ。最、高ですっ。中にいっぱい、はいってるのが、本当に、気持ち、いいっ」
秀彦は腕を抜いた。同時に風人の脚が秀彦の腰に絡んでくる。
ぎゅうと腰を締め上げられた秀彦は、何かに取り憑かれたように風人の菊座の奥に小刻みに肉棒を叩き付けた。亀頭に迫ってくる肉の壁を開いて進んでゆく感触が最高だ。
「ああ、出るよ。出る。いいかい、精気を流し込むよ」
「は、はい。お願いします。奥に、ああ、おまんこの奥に、精気を、たくさん、くださいっ」
「ああ、イクよ」風人の小さい身体を抱き寄せながら、秀彦は一心不乱に腰を振った。「イクよ、ほらイクよ。奥の深いところに出してあげるからね。ああ、ああ、ああ、気持ちいい。ああ、出るっ」
秀彦が腰を震わせるのと同時に、腕の中の風人の身体もびくびくと跳ねた。あ、あ、あ、いくぅ。細くしなやかな腕が、秀彦の背中に回される。ぎり、と、立てられた爪の跡は男の勲章だ。
限りない満足感に包まれながら、秀彦は精液を吐き出しきった。
続けて己の肉棒を抜き取った秀彦は、口を開いている風人の菊座に目を遣った。とろりと垂れ出る精液が腿に滴っている。これを目にして一度で終われる男はそういまい。のそりと身体を起こした秀彦は、続けて風人の腕を引いて布団の上に座らせた。そして膝立ちになり、己の力を失った肉棒を目の前に突き付けた。
「勃 たせてくれるね」
「はい。秀彦さまのお望みとあらば」
躊躇うことなく肉棒に口を付けてきた風人に、秀彦の快感は限りなかった。流石は長年お狐さま憑きを務めているだけある。巧みな舌使いに腰が蕩けてしまいそうだ。亀頭に舌を纏わり付かせてきたかと思えば、舌先で尿道口を突いてきたり、かと思えば、筋張った陰茎の裏側で小刻みに揺らしてきたりと、枚挙にいとまがない。
「ああ、いいよ。最高だよ、君」
「秀彦さまに喜んでいただけるのであれば、これに勝る悦びはありません」
ややあって口に肉棒を含んだ風人がぐいと顔を動かした。
慣れているようだ。見る間に根元まで飲み込まれてゆく陰茎に秀彦は驚くも、風人が苦しがる様子はない。むしろ恍惚を覚えているようで、狐面の奥で瞳が揺らめいている。
「なんていやらしい子なんだ、君は。喉マンコまで使えるなんて」
喉の奥に嵌まった亀頭に絞り込まれるような荷重がかかる。ああ、なんてことだ。秀彦は風人の髪を掴んだ。こんな風に誘い込まれてしまっては、腰を振らずにいられないではないか。その気持ちのままに腰を振る。
「君にはお仕置きが必要なようだ。ほら、ちゃんと咥えなさい。僕のチンポがもっと悦ぶように舌を使うんだ」
舌の上に陰茎を乗せるようにして腰を振る。と、陰茎に風人の舌が絡んできた。
秀彦に喜んでもらえるのが悦びとの言葉に嘘はないようだ。じっとりと舐り回してくる風人の舌に、先程達したばかりの秀彦の肉棒が、早くも硬さと張りを取り戻してゆく。
「はあ、ああ。我慢出来ないよ、君。そこに腰を突き出して四つん這いになりなさい。おまんこにたっぷりと精気を注いであげよう」
こくりと頷いた風人が、お願いします。と、秀彦の指示通りに四つん這いになる。
秀彦は腰にかかっている浴衣をたくし上げた。双丘の谷間にて、菊座がぱくぱくと緩く口を開いている。赤く熟れた果実を想起させる菊座の内側。まだ乾ききっていない精液が濡らしている蕾に、秀彦は早速と肉棒を挿入していった。
腰を進めてゆく度に、びくん、と風人の腰が跳ねる。まるでただ蕾を擦られるだけでも感じているかのような反応に、思わず秀彦の口から言葉が衝いて出る。
「君はどれだけいやらしいんだい。挿入されただけでも感じているみたいじゃないか」
「だって、その……気持ちがいいんです、本当に。精気の流れを感じると、それだけで快感が走ってしまって……」
成程。と、秀彦は納得した。
先程、秀彦の射精に合わせて風人が絶頂 に至ったのは、秀彦が射精したことで精気が大量に流れ込んできたからであるのだ。
「セックスする為にあるような身体だねえ。お狐さま憑きというのは」
「お恥ずかしながら……その通り、です……」
「大丈夫だよ、安心しなさい」消え入りそうな声を発した風人の身体を秀人は抱え起こした。「君が満足するまで頑張るよ」
風人の小さな肩に首を置いて、腕を頭に回すように告げる。難しい体位だが、彼をより気持ち良くさせてやる為には必要なことだ。秀彦は風人の平らな乳房に手を置いた。指で乳首を撫で回してやりながら、菊座に指し入れた肉棒を出入りさせる。
「あっ、ダメです。そんな風にされては、私がイってしまいます」
「好きなだけイケばいいんだよ。云っただろう、その分僕が精気を注ぐとね」
「で、でも、こんなにされたら、おかしく、なっちゃ、うぅ」
感じ易い性質であるのか、それともそれがお狐さま憑きの身体の特徴であるのか。延々と身体を震わせている風人に、加虐的な気持ちが湧き上がってくる。
「乳首とおまんこはどちらが気持ちいいのかな」
「おまんこ、ですっ」
「なら――」秀彦は片手を下ろした。触り心地のいい小さな性器に手を這わせる。「おまんことクリチンポは?」
「おまんこ、ですぅ……」
「いけない子だねえ、君は」
右手で乳首を、左手で性器を揉んでやりながら、秀彦は腰を振った。
余程の快感であるようだ。駄目です、駄目。と、口にしながら、風人が身を捩らせる。けれども、左右を秀彦の腕に塞がれていては逃げ先がない。ああ、おかしくなっちゃう。腰を逸らして身悶える風人に、秀彦はより深く肉棒を突き立てた。
「君の大好きなチンポが挿入 っているんだから、逃げちゃ駄目だよ。ところで、乳首とクリチンポだったらどっち?」
「あぅ、乳首、です……」
「すっかり男を悦ばせる身体になってしまったんだねえ、君は。聞いた話だと彼女がいるらしいけれど、大丈夫なの、風人くん」
「ち、違うんです。彼女とはまだ何もしてなくて」
「大丈夫だよ、云いやしないさ。その代わり、今日はたっぷり愉しもうね」
「は、はい……!」
お狐さま憑きとなった風人の性欲がどれほどであるか、経験したことのない秀彦にはわからなかったが、余程のものではあるようだ。嬉しそうに喉を鳴らした風人に、性欲とは異なる愛しさが込み上げてくる。今日は寝てなるものか。胸の内で誓った秀彦は腰を振った。
「ああ、駄目。いっちゃう。クリチンポ駄目。それ以上、もう弄らないで。ミルク、ミルクが出ちゃう」
「僕ももう出そうだよ、風人くん。ほら、一緒にイクんだよ。奥がいいんだろう?」
「そ、そうです。おまんこの、奥。奥がいいんですっ」
腰を振れば振っただけ返ってくる反応が、秀彦の情欲を煽り立てた。ああ、出るよ。出る。風人の若い肌の香りを嗅ぎながら、ひたすらに腰を振る。それが風人の快感を煽っているようだ。も、駄目ぇ。悲鳴に近い嬌声が、風人の口から飛び出してくる。
「いっちゃうぅ。いっちゃう。出ちゃう。やだ、駄目。出ちゃう。クリチンポ壊れちゃう」
「いいよ。ほら、出しなさい。僕もイクよ。出すからね、また」
「あぅ。ああ、だして。精気、出して」
双丘に打ち付けている腹が、いよいよその間隔を短くしてゆく。ああ、イク。秀彦はそう声を上げながら、己の肉棒を風人の細い腰に突き立てた。直後、風人の腹の中に納まった肉棒がぶるりと震えた。同時に脳を焼く快感。ああ、いっちゃう。細い悲鳴を上げた風人が、腰を大きく跳ねさせた。と、秀彦の視界の隅にある風人の性器から、びゅるりと白い液体が迸った。
「ひゃぅ……あ、あ……」
全身を震わせている風人から自らの肉棒を抜き取った秀彦は、布団に身体を伏せた風人の身体を見下ろして、まだ終わりにならない夜ににたりと笑った。細くしどけないこの肢体を、今日限りは自分が自由に出来るのだ。その悦びが、いつも以上の力を秀彦に授けてくれる。
「まだまだだよ、風人くん」
秀彦は身体を前に倒した。
風人の背中に覆い被さる。けれどもそれはともに休む為ではない。
腰を浮かせた秀彦は、力を失った肉棒を、自分が放った精液で濡れている腿の間に挟ませた。終わったばかりだというのに、もう次が愉しみで仕方がない。淫靡な風人の身体は秀彦の常識を打ち砕き、道徳心までもを失わせてしまったのだ。ぬとりと絡んでくる精液を潤滑油代わりに腰を振る。
「今日は朝まで寝かさないよ」
陳腐な言葉だと思うも、風人にとっては待ち望んだ言葉でもあったようだ。横顔に浮かぶ、幸福そうな笑み。きっと、儀式に飽きている集落の男たちでは満足しきれずにいたのだろう。狐面に覆われた風人の横顔を眺めながら、秀彦は力を失った己の肉棒に活力を蘇らせるべく腰を振った。
※ ※ ※
儀式の真実を知った秀彦は、翌日、集落を発つことにした。
長く世話になった集落の人間に見送られながら、町へ続く道を下りてゆく。やがて聞こえなくなる集落の人間たちの声。ここから町までは二時間ほどかかる予定だ。長い道程に気合を入れて一歩を踏み出す。
と、誰かが自分を呼ぶ声が聞こえた気がした。
気の所為だろうと思いながらも、後ろ髪を引かれる思いに導かれるがまま振り返る。すると、数十メートルほど後方に、狐面を被り、浴衣を身に纏った風人の姿があるではないか。
「お狐さまがお気に召されたようです。別れ際にもう一度と仰っております」
口元に微笑みを湛えた風人が、道の脇にある緩やかな斜面に上がってゆく。どこに、とは秀彦は聞かなかった。ここから神社まではかなりの距離がある。そうである以上、交尾の場所が神社になることは有り得ない。
案の定、手近な草むらに身を沈めた風人が、秀彦を手招いてくる。
秀彦の身体に、先日の甘い一夜の記憶が、肉感的な感触を伴って蘇ってくる。いてもたってもいられなくなった秀彦は、斜面を駆け上がった。荷物を放り投げて、風人の身体に覆い被さる。
「お願いします。私の許に定期的に訪れてくださいまし」
秀彦の口唇に口唇を重ねてきた風人が、狐面の奥の瞳を潤ませながら囁きかけてくる。勿論だ。力強く答えた秀彦は、早速とばかりに風人の身体から浴衣をはぎ取った。
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