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第25話 汚い汚い人魚モドキ

部屋を出ようとする伏竜の袖をオレは無意識に掴んでた。 伏竜が立ち止まる。 「……どうした? シャワーでも浴びてこい。その間に服、持ってきてやる」 優しささえ感じる声音にオレが泣きそうになりながら「しゃわー? って何?」と問いかける。 海に落ちてた本や長老の話で人間社会のこと、少しは知ってたつもりだったけど、オレはまだまだ知らないことだらけだったのだ。 「シャワー知らねぇのか」 「……うん」 それが悪い事のような気がして、オレは俯く。 すると伏竜はシャツを脱ぐと「仕方ねぇな……」と、ベッドに脱いだ服を投げ置く。 そして、上半身裸のまま、とある扉の前で手招きした。 「教えてやるから、服脱いで来い」 「えっ……服、脱ぐの? 伏竜は、ズボン穿いてるのに?」 オレは伏竜の上着を借りてたから、これを脱いだら、すっぽんぽんだ。 でも伏竜に優しく手招きされて、オレはおずおずと上着を脱いで部屋について行く。 しゃわーっていうものは、バスルームという部屋にある設備のことらしかった。 シャワーからは温かい雨が出てきて、それを伏竜がオレにかけてくれる。 「目ぇ閉じてろよ。しみるぞ」 それから、海の泡より沢山の泡が出る液体をかけられて、頭をわしゃわしゃ洗われた。良い匂いがして気持ちいいので、思わず目を開けてしまった。 「ウギャッ!」 目が~目が~と、悶え苦しむオレに伏竜が呆れたように言う。 「ほら見ろ。しみるっつっただろ」 「だってぇ~」 「見せてみろ」 そしてお湯で優しく目を洗われた。 伏竜の眼帯をしていない片目と目が合う。 「……」 「……」 無言でお互いの顔が近づいた時、本当に自然に、どちらからともなくキスしていた。 伏竜の熱い唇が重なる。 「ん……」 オレの舌を伏竜の舌が絡めとり、二人でシャワーを浴びながら深いキスをする。 ぬるりと入り込む舌をオレは必死に吸っていた。伏竜の唾液は、甘くて温かい。 それが気持ちよくて、脳が蕩けそうだった。 でも、オレは思いだしてしまったのだ。 何人もの男に、笑いながら犯されたことを。 そうだ、オレ、全身、ナカまで汚いんだ……。 あいつらに玩具にされて、何人にも犯された汚い、汚い人魚モドキ。 伏竜の胸を押しのける。不思議がる伏竜に、オレは自分の体を抱えて泣いていた。 「駄目だよ、伏竜! オレ、汚いから!」 「……?」 「あいつらに全身嬲られて……もう、綺麗な所なんてないんだ! 綺麗な伏竜が触っていい奴なんかじゃないんだよ!」 そうしてシャワーの音だけが響く室内で、オレの嗚咽が混じる。 すると、伏竜がオレの肩を掴む。 びくり とオレが震えると、伏竜はオレの目を真っ直ぐ見て、告げた。 「墨星は汚れてなんかねぇよ」 「でも……んッ!」 言葉の途中でキスされた。それは優しいキスで、オレを労わるように舌が絡みつく。 唾液を貪欲に飲み込まれて、オレのこと、伏竜が凄く欲しがってるのがわかった。 駄目なのに、いけないのに、オレは伏竜の首に手を回してキスを求めていた。 「あ……」 「ッ……」 呼吸を求めてお互いが唇を離した時、唾液が糸を引いて繋がる。 伏竜はオレを抱きしめながら言う。 「墨星を守れなかった、俺の所為だ。俺は墨星を汚いなんて思ってねぇ」 「伏竜……ッ、伏竜だけが欲しい」 オレがまたポロポロ泣くと、伏竜は苦笑しながら涙を拭ってくれた。 「この泣き虫小僧が」 「誰の……所為だよぉ……うぇええん」 それからは、キスだけじゃ収まらなくなって二人で絡み合ってた。 伏竜の大きな手がオレの胸の突起を背中越しに弄る。 「あっ……ン……」 硬い指が敏感な部分に触れて、搾るように摘ままれると、オレはそれだけで下半身を熱くさせていた。 いじわるにピンと弾かれたかと思ったら、触れるか触れないかくらいの手つきで胸の突起を弄ばれる。 「伏竜……」 オレは自分でも驚くぐらい、甘い声で伏竜に体を擦りつけてた。 伏竜の手は優しくオレの体を弄って、臀部に触れた時、ナカに出された精液がどろりと垂れ流れた。それも大量に。 伏竜が舌打ちする。 「あいつら……こんなに出しやがって……」 伏竜の怒りが伝わってくる。 「ご、ごめん! 伏竜」 オレは何故だか申し訳なくなって謝った。 けど伏竜は安心させるようにオレの頬に優しいキスをすると、口を開く。 「墨星の所為じゃねぇって言ってんだろ。洗ってやるよ。ほら、足開け」

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