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第72話 無理くりの要望。
俺たちは抱き合ったまま、啄むように唇を軽く触れ合わせた。
せっかく神様が雨で落涙の痕跡を流してくれたのに、静夢の目元は「今まで泣いていました」と言わんばかりに、赤橙色に染まっている。
その血蜜柑のような発色が白い肌に映えて、とても艶っぽく、俺の欲望を|唆《そそ》った。
「…冷えたよね、一緒にシャワー浴びようか。」
こくこくと頷く静夢の、華奢な背中と膝裏に腕を回し抱き上げて、浴室へと運んだ。そして一緒に温かいシャワーを浴びながら、幾度となく唇を奪い合った。
俺たちはキスが下手すぎて、いつも息を継ぐタイミングが分からない。それでも舌が擦れ合い脳が蕩ける感覚を求め続け、苦しさと快楽のなかで|耽溺《たんでき》してしまう。
でも今日は、それだけで終わらせるつもりはない。
「静夢……。静夢を抱きたい。……いい?」
「もちろん、いいよ。でも、無理してない?一歩ずつじゃなくて大丈夫?」
「うん。一生一緒に生きるって決めた日だから。もっと静夢に近づきたい。静夢の中に入って、一つになりたい。」
「こーくん…!嬉しいけど、倒れそうな時は言ってね。」
「はは、あり得なくもないな。でも、今日は倒れないようにちゃんとする。」
静夢をぐるりとバスタオルで包み、両腕で抱き上げると、今度はベッドへと運んだ。
静夢のベッドの枕元には、相変わらずドット絵の俺がいる。前よりクシャクシャになっているのは、きっと静夢がキスをしまくったせいだな。
運んできた静夢をベッドに優しく寝かせ、包んでいたバスタオルを解いた。
輝くような白い肌が露になると、静夢は顔を逸らし、恥ずかしそうに眉をひそめている。
俺は静夢を組み敷くと、互いの両手の指を絡めて握り、胸の小さな突起を、舌で優しく突いた。
「……ん!」
静夢の頬が一瞬で赤く染まり、艶っぽい声が漏れる。クラクラと目の前が一瞬、真っ暗になったけれど、今日ばかりは絶対に、倒れるわけにはいかない。
一度大きく深呼吸をして、さらにその突起を舌で転がし、ギュッと押し潰した。
「…ん〜〜〜!」
静夢が男の子で心底良かったと思う。
自分と同じ体の構造で。
恥ずかしさに眉をひそめたり、必死で声を殺していても、「はい、気持ちいいです!」とばかりに、下腹部のそれが頭を|抬《もた》げてくれるから。
静夢の陰茎も今、しっかりと頭を挙げ、じわりじわりと涎を垂らし、気持ち良さを知らせてくれている。
「静夢、今日はここ…俺が善くしてあげたい。」
「えっ、僕はいいよ!入れないのに」
「挿れなくてもいいんだよ。静夢、気持ちいいこと好きでしょ?」
「俺犬歯尖ってないから、根元までいけるよ…」
俺は静夢の陰茎をずっぽりと口に含むと、強かに舌を動かした。
「うわあっ…!!何!?ヤダそれ!!」
「嫌なの…?」
「気持ち良くない?」
「き… 気持ち良すぎて…!頭おかしくなりそう…!!」
震える声でそう言いながら、ビクンと静夢は仰け反った。本当に嫌なわけじゃなさそうだ。
鬼頭をジュルジュルと吸い上げると、「んああっ…!」と静夢から大きな声が漏れた。
「うぅ…気持ちい…!ああ…!どうしよ、なんかもう……ああ〜!!」
語彙力を失い、がくがくと腰を振っている様はとてつもなく、卑猥だ。
だけど、俺の喉は容赦無く静夢の陰茎からマシンガン攻撃を受けていて……咽頭後壁にそろそろ穴が空きそう…!
今、口を離したら可哀想だし、多少えぐれても我慢するしか……。
「ああっ…!こーくん…ごめ…いっ…!イきそう…!!このままっ…出したい…!」
「こーくん…!ああっ!ねえっ…!キスしたい…!!」
俺はキメラじゃないぞ!?
口は一つしかない。
喉をドカドカと突かれながら、キスなんてできるはずがない。
静夢の無茶な要望に一緒パニックになったけれど、どうにか腕を伸ばし、その口に二本の指を挿し入れ、掻き回した。
「ふぁっ…!こーくん…!!イク…!!も……あっ、あっ、ああ〜…!!」
ビュッ
ジュパジュパと音を立て指を啜りながら、静夢は俺の喉の奥で果てた。勢いよく迸った精液は直接食道へと流れ込んでいった。
ハァッ…ハァッ……!
瞳の端に涙を溜めて、静夢は快感の余韻で小さく身を震わせている。
「出ちゃった……。飲んだの?精子って飲んで大丈夫なの?」
「大丈夫でしょ。てかもう、あんな喉の奥に出されたら、取り出せないよ。」
「そっか。大丈夫なら良かった。今度は僕が──」
「いいよ、静夢のエッチな顔見てるだけで、もう俺のここ、あずきバーくらい固くなってるし。え、あずきバー知らない?」
「とにかく、もうこっちはもう準備できてるから、静夢の後ろ、解させて…」
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