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第1話
「明日から俺のハウスキーパーになってもらうね?」
「それが条件なら許してあげてもいいよ」
「はぁぁぁぁぁぁ?!?!」
夢に待った大学生活。立花 陸18歳
入学初日でもう危機です。
遡ること2時間前。
俺は大学の門の前で
「よしっ!ここで俺はキラッキラッの大学生活を送るぞ!!」
そう意気込んでいた。
何を言おうと俺の見た目は金髪。
耳にばバチバチのピアス。
口調も強め。服装もいかにもって感じで、
高校生までヤンキーに
絡まれない日はなかった。
見た目は元レディースの母、元総長の父。
現役ギャルの姉の影響を受けているだけで
俺は決してヤンキーではない。
真面目に学校に通っていたし、趣味は料理。
ただ絡んできたヤンキーを返り討ちにする力は
備わってしまったので
友達は俺を勝手に兄貴と呼ぶ後輩数名。
恋愛経験はゼロ。
だから俺は親に無理いって上京し、
この大学に通って夢を叶えるために頑張って
スーパーHappyな大学ライフを
送ると心に決めたんだ。
割と大きめな声で叫んでいたらしく
周囲の人はクスクスと笑っていた。
俺は恥ずかしくなり、咄嗟に顔を下に向けた。
とりあえず一旦立て直して仕切り直そう、
そう思いその場を離れようとした瞬間、
体に何かがぶつかり、咄嗟に
「んだよ。危ねぇな。」
と声が出てしまった。
目線を向けるとそこには、男の俺から見ても
イケメンな男が立っていた。
よく見ると俺とぶつかったせいで
持っていたコーヒーが零れ、
服についてしまっていた。
「あ~服汚れちゃったか。
今からデートなのになぁ」
「しかもその態度??
どう弁償してくれるのかな~??」
男はニコニコ笑顔で聴いてくる。
でもその目は笑ってなくて怖い。
今まで俺に睨みをきかせ来た奴らの目は
1ミリも怖いって感じたことないのに。
やばい。逃げる??てか
俺だけ悪い訳じゃなくね?
そう脳裏に過って、俺は咄嗟に逃げようと
進もうとしたけれど動かない。
よく見ると、腕を捕まれていた。
「まぁとりあえずどこか座ろうか?」
これは勘弁するしかないと思い
大学内のカフェへ向かった。
「すみませんでした‥。服代は弁償します」
席に着きメニューを頼んだ後
俺は、頭を下げ謝った。
服代を弁償すれば文句は言わないだろう。
それに話を早く切り上げないと
相手のデートにだって、
間に会わないのでは?
そう思いできる限り俺は、誠心誠意謝った。
「とりあえず僕の名前は成瀬佑樹
2年生よろしくね。君の名前は?」
帰ってきた答えはまさかの自己紹介。
仕方なく俺も、
「立花陸 1年です。さっきはタメ
すみませんでした。」
そう答えた。
「へー敬語とか使えるんだー
てっきりそういうの出来ない子かと思った。」
こいつも見た目で判断するのかよ
そう思い少しイラついたが、ここは
一旦深呼吸をして、平常心を装う。
「あっそれでこのコート
なんだけど結構高いよー?」
「どれくらいですか??」
「100万くらいかな??」
「ひゃひゃ百万?!」
とんでもない金額に思わず叫んでしまった。
「嘘嘘!!凜空くん面白いね
まーでも50万はするかな?」
「…。」
頭がフリーズする。50万?!
こいつ俺と一緒の大学生だよな?!
親に無理言って上京しているし
こんなことでお金を借りるなんてあり得ない。
バイトを増やすしかないよな?
てかバイト探す所からだけど。
返す言葉が見つからない。
少しぶつかっただけで、、。
「まぁでも僕もよく回りを見てなかったし、
流石にこんな高い金額請求しないよ~」
その一言に安堵したのも束の間
「でも、、そうだ!君って家事得意?」
「は?え?まぁそれなりに
料理に関しては好きです。」
「ふーん」
「じゃあさ、
僕ん家でハウスキーパーやらない??」
「それなら許して上げる。」
「はぁぁぁぁぁぁ?!?!」
想像もしていなかった提案に
俺はもう完全にフリーズしてしまった。
「おーい陸くん?聴いてる?まぁいいや。
とりあえず説明するね。」
「君の様子を見ると、上京組だよね?」
「はい…。」
「バイトはもうしてる?」
「いや今から探す所で」
「住むところは?」
「…。一応今は親戚のうちに。」
まるでバイトの面接ような状況のまま
会話を続ける。
俺の計画性の無さが浮き彫りなっているようで
少し後悔が募る。
「じゃあ僕のマンションに住めば?」
「‥は??」
「住んでるマンションこの大学から近いし、
何ならオーナー僕だから、ハウスキーパーに
なってくれるなら家賃は要らないよ。
バイトを応募している店は沢山近くにあるから
紹介もできるよ」
「ね?良い条件でしょ?」
相変わらずニコニコ笑顔で聴いてくる。
確かに出された条件は悪くないと思う。
むしろ好条件な気がする。
だけど直ぐに信じて乗っていいのか?
よく考えれば50万円をする服を着ていたり、
マンションのオーナーをしていたりと、
普通の大学生ではないことは、確かだ。
だからこのまま断れば
何かされるような気もしてならない。
少し考えて俺は
家訓を思い出した。
「逃げて物事に向き合わないのは男の恥!!」
この家訓に恥じないよう、
「分かりました…。よろしくお願いします。」
と頭を下げながら答えた。
「やった~交渉成立だね!
じゃあとりあえず今日大学終わったら
門の前集合で。俺はデートだからまたね~」
そう言うと机に二人分の会計をおいて
出ていった。
大学の門をくぐってたった2時間で
こんなことになるのか?
てか今からデートって言ってたけど、
普通にサボるってことだよな‥。
あいつ良い奴なのか
チャラ男なのか分からない。
これから振り回されるのは何となく分かる。
でも夢を叶えるための試練かもしれない。
「てかそろそろ講義ある時間だ。」
そう心に思い浮かべながら席を後にした。
話し合っていたせいで、
遅刻ギリギリで席に着く。
「おーい初日から時間ギリギリか
まぁいい空いてる所座れ」
「すっすいません‥。」
俺の専攻は管理栄養士になるために
必要な資格がとれる学科だから
内申は凄く大事なのに
あいつのせいで初日から印象最悪で
落ち込みそうになる。
「隣いいっすか?」
「あっうんいいよ。」
「ねぇ名前なんて言うの?」
席が隣になった学生に話しかけられる。
「立花陸」
「僕は高橋廉よろしくね」
「…よろしく」
初日の講義は自己紹介くらいで
直ぐに終わった。
講義が終わり片付けをしていると、
廉から話しかけられた。
「そういえばどうして遅れたの?
ごめん単純に気になって」
「あぁ嫌それは…先輩に
目をつけられたというか何と言うか‥」
「え?!もう??」
「成瀬佑樹っていう2年。色々あって
そいつの家で住み込みでハウスキーパー
やることになった」
「えっ!えぇぇぇぇぇ!」
「なっなんだよ!ビックリするだろ」
「ごっごめん!」
「だって有名人だよ!この大学の」
「そっそうなのか?」
「うん!だってあの有名な成瀬商事の
社長の次男で大学生でありながら
超人気現役モデル!だから佑樹さん目当てで
この大学選ぶ人もいるんだよ?!
知らなかった?!」
「しっしらねぇよ!わっ悪いかよ!」
どこか普通の大学生では
ないような気がしていた。
けれど、そんな奴だとは思ってもいなかった。
そもそも芸能人の話を友達とすることなんて
無かったから、しても姉や妹とだけ。
興味もなかったし、気にも止めていなかった。
ますますなぜ?俺?の疑問が募るが
別に俺は男だし、ファンとかに嫉妬されることも無さそうだから、まぁいいか、そう思った。
「とりあえず凄いことだよ!
何か面白そうだから感想聞かせてね!」
「いやっ感想とかいいからそう言うの無いだろ。」
「え~!そんな~まぁでも何かあったら教えてね」
「またね~陸」
大学生ってこんな感じで
皆距離を縮めるのか??
会う人会う人そんな感じで何故だか
地元が恋しくなりそうだった。
あんなしつこく絡んできた後輩の方が
可愛げあったような…。
色々な感情が過ったがとりあえず
待ち合わせの時間までに
荷物を纏める為親戚の家へ向かった。
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