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第8話

……ふ…っ……ぅぅ… 「コウくん?」 気がついたら大粒の涙が俺の目からこぼれ落ちていた 「ごめんねキツかった?」 違うんです ショウさんのせいじゃない そう言いたいのに溢れ出る涙が止まらない 叶わなかった長年の恋 ショウさんを利用して塗り替えようとしている、そんな卑怯な自分に腹が立つ 自分の全てが紛い物に感じてしまう そんな俺にショウさんは優しくしてくれる 「ごめんなさい……俺」 ワンナイトで割り切った関係なのにこんなに弱いところ見せて困らせてしまっている もう次は無いだろうな 行為を中断することになってもショウさんは怒らなかった、優しく抱きしめて背中をトントンと叩いてゆっくりと呼吸を整えてくれた ショウさんは何も聞かなかった ただ静かに優しさだけをくれた 気が付けば朝 いつの間にか寝てしまっていたみたいで 机の上には置き手紙が 『仕事で先に帰らなくてはいけなくなってしまった』旨そして『配慮出来なかった事への謝罪』 ホテルのお金は気が付かなかったが事前精算でショウさんが払ってくれていたらしい いや、俺が全て悪いのに…… 布団に昨晩の温もりが残る 私情を混ぜて迷惑を掛けてしまった罪悪感 出来ることなら最初からやり直したい 空っぽになった部屋 届けたいと願っても二度と届かぬ声 ドアノブを引くと冷たさが自分を戒めるように肌を刺す もう二度と会えないと思っていた……

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