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プロローグ

 ここまでくるのに、どんなに長かったことか――今まで歩んできた自分の軌跡を思い出しながら、ゆっくりと瞳を閉じる。  思い描いたように、人生が上手く進まなかった。回り道を繰り返した挙句、手酷い仕打ちに遭って、何度も諦めかけたことがあったっけ。  それでも諦められなかったのは、俺の心の奥底に彼女の笑顔が残っていたからなんだ。  雑踏の中に紛れていても見つけ出せたのは、昔と変わらない純粋でキレイなままの君が、そこにいたお陰だよ――すごく嬉しかった。  あの日のままの君を手に入れる。これが夢だったから、変わらずにいてくれて、本当に嬉しかった。  俺は目に映るもの、すべて手に入れる。だからそのまま、そこにいてほしいんだ。  じっくり見極めて、君の心の中に忍び込んであげるから。

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