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act:溺愛④

 克巳さんから与えられた激しすぎる快感のせいで、そこから俺の記憶がプツリと途絶えてしまっていた。  だからその後、彼がいつイったのか知らない。気がついたら全裸のまま、ひとりベッドに横になっていた状態に、眉根を寄せるしかなかった。  リビングに置いてあるのか、遠くでメールの着信を知らせるスマホの音――ダルい躰を引きずり、やっと歩いてテーブルに置いてあるそれを見つけた。 『俺との契約、忘れないでほしい。また連絡する 克巳』 「そっちこそ、リコちゃんと別れるのを忘れんなよ。すんなり別れられるように、舞台を整えてあげるからね」  彼にはお仕置きが必要みたいだから、多少痛い目に遭ってもらおうか。 「キスマーク付けるなって言ってたのに、アチコチに付けまくりやがって。くそっ!」  気を失ってる間、何をされたのか、ぜんっぜん分からないし…… 「俺が好きなのは、未来永劫リコちゃんだけなんだ。ヤローなんか、好きになるかってぇの!!」  手にしたスマホをソファの上に放り投げ、躰の気持ち悪さを払拭すべく浴室に向かう。  今日がオフで、ホント良かったよ――早速、計画を始動出来るからね。

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