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第16話 日曜日5 ★

 香月の指が、他人が触るはずのないところでゆっくりと円を描く。  密着した体が、互いの熱を交換して、どんどんと昂るのがわかる。  目つきはこれから睦月を食い殺す気かという鋭さで、猛々しく荒い息をしているのに、指はひどく優しい。だから睦月はもう、叫びそうになるのを堪えることだけに集中している。  床の上で反応するのは痛い。びくびくと跳ねるたびに、尻と、壁に当たる背中に衝撃が走る。  ベッドに行きたい…。  でもそんな事を言ったら終わりだ、と思っていたら、「分かった」と香月が言った。 「え?」  立ち上がった香月を追って、顔を上げる。  風呂の後に椅子に引っ掛けていたバスタオルを持って、睦月の部屋に行く。タオルをベッドに敷いた。  それから片膝を立ててしゃがみ、睦月に顔を合わせる。  ほとんど真っ暗な部屋とはいえ、まじまじと見られていることはわかる。  香月の指が、睦月のくちびるに触れた。  頭の処理が追いつかず、体が固まる。  すりすりと、下側を撫でられて、痺れる。  熱い息を吐く男が、でも真顔のままで、しばし下唇を確かめている。真正面の美貌を見つめるのも気が引けて、視線を少し下に逸らせた。  顎を支えられて、途端、生暖かいものが触れる。  それが香月の唇だとわかるまで、そう時間はかからなかった。  力を込めてこの男を引き剥がすべきところなのに、手は軽く胸板を押すくらいしかできない。  さっきまで強く昂めてきたくせに、キスはとても優しかった。  探るように舌がつついてきて、ゆるりと睦月を誘導する。薄い唇が離れるのが寂しくて、つい追いかけてしまう。  荒い息と、ちゅ、ちゅと口づける音だけが部屋に響く。  しばらくそうしてから、香月が側に置いてあったバッグを探り、そして睦月の脇に手を差し込んで、起き上がらせた。  食べたい、食べたい、食べられたい。  どうやったらそれが叶うのか知らないのに、心が吼える。  さっき付けたライトが、ほのかに香月を照らした。 「辛いか」  困ったような心配そうな顔だった。  視界がぼやけるので目を擦ったら、べしゃべしゃしていてびっくりした。  手を離すと、香月のキスが降ってくる。柔らかなタッチで、何度も何度も。 「匂いって、こういう事か」  タチが悪いとつぶやいて、顔を背けて舌打ちをする。  それから、睦月の短パンを引き抜いて、今度は露骨に指を這わせた。 「あっ!」  睦月の前のぬめりをなぞって、指の腹を押し付ける。 「あっやだぁ、触んのやだぁ」  足を閉じたいのに、香月が覆いかぶさっていてどうにもできない。  外気にあたったそこがわなないているのが分かって、くすぐったいような、むず痒いような、変な疼きを感じて、たまらない。  理性はまだ押し入れられてないうちにどうにかと思っているのに、体はまったく言うことを聞いてくれなくて。  もうよく分からなくてつらくて、香月の首に両手を回してしがみついた。 「たすけて香月、たすけて、どうにかして」  もう本当に、獰猛に巡る熱をどうにもできない。香月に押さえつけてほしい。 「うん」  頭を一度撫でられる。  香月が睦月の耳のあたりで、口で噛んで小さいパックを破る。  手に液体を出して、ゆるりと睦月の臀部の間に触れた。  そのあたりに広げられた。くち、くちと水音が鳴る。 「冷たくないか?」  首を横に振る。 「指入れるから、息吐いて」  何を言っているのかわからないけど、とりあえずふうと吐く。  そうしたら、ぐっと何かが入ってきた。 「あ、ああ、うあぁ」  あまりの驚きに、口がはくはくと動く。  ぬめぬめとした液体をまとった指が、内壁をゆったりと探っていく。 「あっう、あ、あ」  確かめるように、内側を少しずつ押されていく。 「う、う」  香月が大きく息を吐いて、狭いなとつぶやいた。  腹側を浅く深く撫でられて、あるところで一度動きが止まった。  そして、もう少し奥を、壁を押しつぶすように進む。 「……!!」  大きく口が開いたのに声が出ない。  そこから動かずに、押し続けられる。 「………!!!」  よくわからないまま、また達していた。

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