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市川先生×夏樹(第23話*)

(そうか……考えてみれば先生、まだ一度も……)  おかしなプレイばかりして楽しんでいるように見えるが、意外と市川は優しい。変態ではあるが鬼畜ではない。夏樹の限界を承知し、攻める時は攻め、退く時は退いてくれる。  筋肉馬鹿の変態教師のくせに……。 「先生……」  夏樹はフローリングに寝転がったまま、市川を見上げた。 「……『誕生日だから好きにさせろ』って言ってたじゃないですか」 「だから好きにしてるじゃん。生クリームも使えたし、下もツルツルにできたし、尿道プレイもやれたし」 「……そりゃそうですけど」 「別に俺、夏樹に無理させてまでヤりたいとは思ってないからさ。こういうのって、嫌な思い出になったら最悪じゃん?」 「…………」  ……だったら、一番初めに跳び箱の上でレイプしてきたのは何だったのかと思う。当時はかなり無茶苦茶なことをしていたはずなのだが。 (でも、結局絆されちゃったんだから同じことか……)  最初の心情がどうであれ、今の自分が市川に惚れていることは変わりない。これといったきっかけはなかったが、少しずつ彼の人間性に惹かれていったのは事実だ。  もちろん、そんなこと一生口にするつもりはないけれど。 「……というか、そろそろこれ解いてくれません?」  夏樹は縛られたままの両腕を前で振った。鮮やかな赤い紐が両手首に絡まっている。 「ああ、それな。うん、まあいいか」  曖昧な返事をしつつ、市川は赤い紐を解いてくれた。  久しぶりに両手が自由になり、ホッと胸を撫で下ろす。

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