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主は雅

雅が主である時は体力が無くて部屋の外に出るとか考えた事が無かったけれど最近はちゃんと食事をしているから体力も回復してきていた。 窓の外から見える庭を見つめていたがフッと部屋から出てみたくなったのだ。 俺は扉を開けて連れて来られた廊下を歩いていた。 何故か記憶力は凄く良くて一回見たり聞いたりする事は全て覚えてしまう。 だからここの家の兄貴かな? 本を沢山準備してくれていたし問題集とかもやってみたんだ。 案外簡単に全部解けたから部屋の机の横には大量の問題集が積み上がっている。 「どこに行くんだ?」 外へと繋がる扉が開いたと思うとそこにはハヤトが立っていた。 「庭に出てみたい。」 「そっか、遠くに行くなよ。」 そう言って俺の頭を軽くポンポンとすると家の中に入って行った。 俺・・・。 ハヤトが触っても怖く無いし嫌じゃなかった。

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