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そんなある日 18

さくらside 「凛ちゃん。俺の契約更新期限今月まででしたよね?」 「そうだけどさくらその先も仕事沢山あるわよ?もしかして契約解除するつもりなの?」 「…はい」 「…理由を聞かせてもらおうかしら…」 俺は全て事務所の社長である凛ちゃんに話した 凛ちゃんはとても苦い顔をしたけれど…状況が状況なだけに俺を切ることを決めた 「さくら…今でも二人が好きなんでしょ?だからそんな…」 「でも…もう…戻れないから。俺はこれからmalice de l'angeに席を置きます」 これには凛ちゃんも絶句した それもそのはず…そこは芸能人専門の風俗店なのだから 「何で…?」 「俺、病気なんです。今の俺は毎日毎晩ずっと人肌を感じていないと普通じゃいられなくなってるんです」 二人に別れを言い渡して始めのうちは二人を忘れたいがためにそこを利用していた。 でも次第にそれだけでは足りなくなった 1人でいると叫びだしたくなる… 1人でいると自分を傷付けたくなる… 1人でいると死にたくなる… 2人がいたから仕事も頑張って来られた… 2人がいたからいつも笑っていられた… 2人がいたから生きる意味があった… 2人がいないなら仕事も頑張れない… 2人がいないなら心から笑えない… 2人がいないなら生きる意味なんて無い… それだけ俺にとって二人は掛け替えの無い存在だった… 手放したくない存在だった… 誰よりも…何よりも…愛しい存在だった… あの日のひなの泣きそうな顔が忘れられない… あの日のかえでの苦しそうな顔が忘れられない… 「今までお世話になりました…ありがとうございました…一緒に仕事をさせて頂けて…俺はとても…幸せでした」 社長室を出てmalice de l'angeの寮に向かう… ねぇ…ひな。かえで。ごめんね…弱い兄で…ごめんね…

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