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道標 3

「ねえ。おみ」 「ん?何?海都」 「最近…楽しそうじゃないね…あんなに人気なのに…評価もどんどん上がってるのに…」 海都は俺の幼馴染みで俺の恋人。グループのみんなも事務所も知ってるけど海都は男。 かなり小柄なので一緒に手を繋いで歩いていても兄弟にしか見えないから今まで撮られたことはない 「そう?楽しいよ?あの遥の曲歌えるし。良い曲ばかり」 「でも…おみ…最近抱くとき…激しい…ストレス溜まってそうな抱き方…俺体持たないよ?」 「お前が可愛いのが悪い」 「えぇ…でも…何かおかしいよ?」 「みーとー!!あんまり言うとまた抱くよ?」 「いやっ…だめっ!!今日はもう無理…動けない…」 「嘘だよ。んならそろそろ行ってくるね」 「ん…行ってらっしゃい」 海都に言われるなんて思わなかった…気付かれているなんて… 海都はいつもボーッとしてるから気付くはずがないとそう思っていたから でもこのもやもやの理由がハッキリとはわからなかった… 今日も与えられた仕事をこなしていつもと変わらず歌う。 ステージに立っているときファンの子を見渡すんだけど… キラキラ目を輝かせて歓声をあげる子もいれば戸惑ったような顔で見ている子も増えてきた… それでわかるのは戸惑ってるのは俺たちがまだ小さなライブハウスで活動してたときのファンの子ってこと。 あの頃はファンとの距離も近かったから顔も名前も覚えていた。 だから…苦しそうな顔をするのを見てて最初は胸を痛めたが今はどうだろう?

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