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1 入社一年目5月。
『お前、この時代流行んねぇって。さっさと捨てちまえ。』
『えっ?何々?悪い遅れた。何捨てるって?』
『童貞。』
『童貞!?智まだ童貞なの!?』
『うるせぇ。捨てれるもんならさっさと捨ててるよ。』
うるさくお節介を焼いてくるこの二人は俺の大学の同級生で、社会人になった今でもよく飲みに行く裕也と隼人だ。
『お前さぁ、昔からのアレ、まだ実行してんの?』
仕事で少し遅れて来た隼人が言う。
『そう、あの結婚すると決めた人としかやらないってやつな。』
隣でつまみを食べながら裕也が言う。
『だってさ…それって大事じゃん?』
『『女子かよ!!』』
二人に同時につっこまれた。
いや、確かに今の時代セフレなんかもよく耳にするし、一夜限りの…だって多いって聞く。
現にこの裕也は合コンで捕まえた女の子とワンナイトラブだって今までに何度もあったと言う…。
今更ながら自分でもバカだと思うよ…本当。
『智さぁ、どっちかっていうとモテる方じゃん?女の子から寄ってくるだろ?』
『寄ってくるっていうかさ…』
なんだか今時の女の子は苦手だ。
彼女がいた時だってあったけど、なんかそっちばかり期待しているというか…肉食系女子?ばかりが寄って来て、童貞の俺には怖すぎた。
『今は?彼女いんの?』
『いねぇよ。いたらお前ら2人には絶対報告するし。』
『だよな。』
『裕也はまぁ遊び人だから置いといて…隼人はどうなんだよ?彼女と。ミカちゃん?だっけ?』
『おう。結婚も考えてるけどな…働き出したばっかだし、なかなか。』
『えらいな。』
俺は感心する。
同級生は結婚も視野に入れて頑張っているのに、俺は何をしてるんだろう…
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